練習試合編 2.いざ雷山村
「よし、行くか!」
南森支店の三人は立ち上がった。
「いざ、雷山村!!!」
「ワカメだけ飛べないから電車移動なんだぞ」
「ごめんねほんとに」
ワカメこと翠玲をやさしいいい上司ととらえるか、頼りない哀れな大人ととらえるかはわかれると思う。
『駆け込み乗車はおやめください。駆け込み乗車は危険ですので、おやめください。って、やめろゆうとるやろがい!!ちょ、ドア壊れるから!!!』
「はあ…ギリギリ間に合ったあ。…音々先輩、さっきからずっとなにやってんすか?」
「…」
音々は電車に乗ってからイヤホンを装着し、スマホを横にしてなにかやっている。
「ねーねー無視しないでくださいよ」
「フーリ、こういう人間は刺激しないほうがいいにゃ」
音々はやっとイヤホンを外し、フーリのほうを見た。
「音ゲーだよ」
「へえ、音々先輩ってゲームやるんだ」
「音ゲーとゲームを一緒にするんじゃねえ」
音々がギロッとにらんできた。もともと彼は目つきが悪いのでフーリは構わず続けた。
「もしかして、音ゲーやるとなんかいいことでもあるんですか?」
「…ただの趣味だよ」
そういうと音々はまたイヤホンをしてしまった。
「ほら、こういう人間は刺激するなって言ったでしょ」
「やれやれ…」
隣を見ると翠玲は見事なまでに爆睡していた。
「…こいつのどにナイフ突きつけられても起きないんじゃねえか?…ほらワカメ、起きろ!!もう降りるよ!!」
「んがっ?!」
部活で言ったら団体戦なのにこんな凸凹チームで大丈夫なんだろうか。フーリはものすごく不安になった。
「フーr!…」
一葉はフーリに抱きつこうとしたが受付の人に止められた。
「今日は試合ですから。こういうことは控えてください。お嬢様」
「…それもそうね」
「お嬢様…ぷっ!クスクス!!」
「だ・ま・れ」
フーリはアサの頭をひっぱたいた。
「なにするにゃ!…ってその顔やめろぉ!!」
フーリはアサを一瞥して、周りを見た。
「あれ、二人しかいないじゃないすか。そもそも受付の人も戦うんですか」
「…受付の人って呼ばないでください。私、名前はライムといいます」
「なんだかんだ名前聞くの初めてですね。改めて、俺はフーリです。よろしく」
「もうひとりなんだが…」
一葉はため息をついた。
「多少…いや、相当な問題児で…。私も手を焼いてるの」
「俺のことペットみたいに扱ってるくせにそいつのことは手なずけられないんですか?」
フーリは日ごろの仕返しにと、一葉のことをあおった。
「だって、私がかわいがるのはフーリだけだから」
一葉はきょとんとした顔で言った。フーリより一枚上手だ。
その時、建物の中から人が出てきた。
「おーい一葉ー-。飯まだあ?…ってその人たち誰?!」
「こいつが?」
「うん。うちのお荷物」
フーリは正直拍子抜けした。もっと体が大きくてヤンキーみたいなやつかと思いきや、出てきたのは小さい子供だった。
「ほら、自己紹介」
「…だあ、めんどくせー」
「電撃くらいたい?」
一葉の顔は笑っていたが今にもこの少年をを殺しそうだった。
「わ、わかったよ。…ボクの名前は、火花レオ」
「俺たちは南森支店のメンバー。よろしく」
レオの目は燃えるような赤で、どこか悲しみを帯びていた。
「はい、なれあいはすみましたか?今回の練習試合では一対一の戦いを三回行います。武器の使用は禁止、能力の使用は許可、魔獣の召喚は不可とします」
「続いて、対戦の組み合わせは…」
正直、一葉とはやりたくないとフーリは思った。なぜか本気をだせない気がする。
「矢羽音々 対 、この私」
音々は目を閉じている。
「フーリ 対 レオ」
まじか、とフーリは思った。こんな小さい子と戦いたくは…
「フーリさん、大丈夫だよ」
「ボク、結構強いから」
フーリは鳥肌が立った。なんだこの挑戦的で、相手を見透かしたような眼は。
「そして最終試合が、稲妻一葉 対 翠玲」
フーリは翆玲の実力をまだ見たことがなかったのでちょっと楽しみにしている。
「では、10分後にここに再集合してください」
「フーリさん!」
「ん?」
「ボク、絶対に勝つから!」
「いや、勝つのは俺だ!」
フーリとレオの目に狂気の炎が宿った。
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