王女様2
顔を真っ赤にしてうつむいている王女様。これって完全に王子様が好きってこと―――近親相姦なの?といっても相姦関係にはまだなっていないようね。単なる兄妹愛ってやつかもしれない。心では萌え萌え魂がうずいていて、暴走寸前。これが王子様同士だったら近親相姦BLという一言で
萌える
みたいな感じなんだろうけど、王女様という点でも、まずは合格だろう。この二人の恋の行方は楽しみ。と妄想が暴走気味になっているんだけど、いけない。私は王女様を治療しなくてはいけないんだった。
「ところで王子様の話はどういうことなのですか?」
「あ…この前まで私を愛してくださった。お兄さまが近くに私がいるのに気付かれないんです。声を掛けると「オリビア…どうしたんだ」って私を気にも留めてくれなくなったのです」
愛していたって、ことはまさか?そんな関係?あ~心がうずく
「あの~王女様…ひょっとして王子様とは」
「いつも気に留めて頂いて、私を見つけると声を掛けてくださるの。しかも、時々、頭をなでてくれるのですわ」
あ…そ…
ということは王子様にとっては単なるかわいい妹でしかない。王女様の一方的な片思いということね。
「そうでしたか。王子様も何か大変なことがあったのかもしれませんね」
「そんなはず、ありませんわ。だって、お兄さまは先日の訓練でも無傷で帰ってこられましたのよ。けど、あの日から、ぼーっとするようになられたの。きっと、フリージアとかいう悪女にそそのかされたに違いないわ」
え?わたし?ここで私の名前が出てくるなんて思ってもみなかったわ。というより、背筋に気持ち割る汗が流れてきた。
「わたくし、あのフリージアとかいう悪女を見つけて、お父様に頼んで、国外追放させますわ」
やばいやばい。そんなことをされたら私が国外追放にって、
「王女様。落ち着いてください。ハーブティーをいれますから」
私は、ハーブティーを準備した。実はこれは、私が見つけたお茶なんだ。匂いがいいハーブを見つけて、乾燥したら案の定、おいしいお茶になって、私はこれを楽しみしている。王宮にお茶はあるんだけど、案外に苦かったり、渋かったりして、好みじゃない。ここでとっておきのハーブティーを王女様に出すことにした。
「王女様、まずはこれで心を落ち着かせてください」
「なにこれ?いい香り…」
透明な黄緑色の液体を不思議そうに見ている王女様。少しレモンぽい香りとツンとさわやかさを持つこのハーブティー
「どうぞ、これを飲むと心が落ち着きますから」
ごくり…
「おいしい…なにこれ…」
王女様はおいしいと言って飲み干されたのだった。ここからは私の仕事だ。
『カーム』
彼女は少し落ち着いた様子を取り戻した。
「王子様は王女様のことを忘れられてはいませんわ」
「本当?」
「本当です。ですから自信を持ってください」
「でも、フリージアって女は」
「それは、王子様の勘違いですわ。私にはわかります。王子様はその女のことが好きではないことを」
「本当?」
「本当です。私、魔法が使えますから」
「わかったわ!!ありがとう聖女様」
こうして、元気を取り戻した王女様は部屋を出て行った。すると、ジェシカが部屋に入ってきた。
「王子様は、あなたに恋をしています」
「そんなはずはありません。たぶん、私の能力を見てそのことを考えているのだと思います」
「どういうことですの」
「これ以上は申し上げられません。かん口令がだされているので」
「そうでしたか。わかりました。これにてかえります」
こうして、王女様が帰っていった。しかし、この後、私のもとに現れたのは国王様だった。
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