王女様 1
最近は、騎士たちだけでなく王宮職員まで来ている。これも魔法の訓練、だから、全ての人を診ている。特にこの日は、女の子がやって来た。しかも、かなり高貴な感じの服を着ているし、おまけにきりりとした眼鏡をしているロッテンマイヤーさんみたいな感じの生真面目そうな侍女までついてきている。と言ことは王族の方なのかもしれない。しかし、ケガをしている様子ではなさそうだし、何か病を患っている感じでもない。
ただ、ため息をついて、気が重そうな感じだった。
「あの~」
私が話しかけると侍女が間に入ってきて
「オリビア王女様になれなれしく話しかけないでくださる!!」
おっといきなり横からこんなことを言われてしまった。するとオリビア様は
「ジェシカ…聖女様になんてことを」
「あ…すみません」
そう謝っても私のことを睨んでいる。こわ~!!
「すみません。王女様…お体の具合はいかがですか?」
すると侍女のジェシカが大げさに心配している感じで
「はぁ~実は王女様は、食欲がなくて、話を聞くとなんとなく体がだるいといわれて…ひょっとして、どこかお体が悪くなったのではと心配で、心配で、私の心臓は張り裂けそうです」
この人本気で言っているのかな?と思ってしまうくらい大げさなんだけど、ちょっといたずらをした。
「本当ですか?どれどれ?」
左のおっぱいをモミモミと揉んであげた。
「あん!!やあん!!」
真面目そうな顔からは思えない声をあげたんで、目の前の王女様もびっくりして目をクリクリとさせていた。そのことに気付いたジェシカはコホンと咳ばらいをして
「失礼しました」
そして、私を睨んでいる。めっちゃ怒っていそうで怖い。さてと本題だ。
「王女様。もう一度、伺います。お体で何か気がかりなことはありますか?」
「あ…えっ…と」
今度はしどろもどろになって話をしようとしないし、時々、侍女の方を見ている。ということは、侍女がいると何か言いたくないのだろうか。
「ジェシカさん。すみませんが席をはずしてい頂けないですか」
「は?なぜ私が」
「すみませんが、これから治療にあたりますので、魔法をつかいます」
「何言っているの?私がいると邪魔というの?」
「そうではないです。ただ、治療に集中したいので、どうか席を外して頂けないでしょうか」
「ま…そこまで言うなら」
ようやく侍女のジェシカは部屋の外に出て行ってくれた。さてと、問題は王女様ね。一体何を隠していらっしゃることかしら
「王女様。王女様のお体で何か気がかりなことはありますか?」
「あ…あの…最近、お兄さまが心ここにあらずと言った感じになって…、私とお話をされる時も上の空になっていて…そんなお兄さまを見ていると胸がぐっと締め付けられて…」
これって恋煩いってやつかしら、けど、相手はお兄さまって、近親相姦??って思わず焦ってしまった。けど、記憶がない私、こんなことを思い出して一人萌ているのだろう。そう思いつつ
「あの~王女様…ひょっとして、お兄さまが好きなの」
すると皇女様は、黙って顔を真っ赤に染めて俯いでしまった。
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