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聖女様と呼ばれても

今日は、火属性魔法の練習


連れてこられた場所は、エターナル王国、”エターナル(たいら)”と呼ばれるエターナ陸軍最大の面積を誇る広大な演習場だった。火属性魔法の練習に何故と思える程の場所なんでけど、マーリン様はこの場所でしか練習ができないと言い切ったことは、後にすぐにわかった。


「これがファイヤーボールだ。やり方は座学で教えた通りだ。『フレア』」


マーリン様が『フレア』と唱えた瞬間、かざした右手から深紅の炎が上がった。


「これが炎を出すときの基本形だ。まずはこれをやってみろ」


「わかりました」


『フレア』


すると私がかざした右手からは、炎の柱が立ち上がった。しかもその炎の色は、マーリン様のとは異なり黒い、しかも、周りに稲光が時々上がっている。


「マ…マーリン様、これは?」


「うーむ。予想通りだ。其方の魔力がいかに強大かがわかる。次は、ファイヤーボールを試してみよう。こうするのだ」


『ファイヤーボール』


炎球が的をめがけて飛んでいき、的を見事に破壊したのだった。


「次はフリージアの番だ。その前にちょっと待て」


『多重障壁』


「さ…これであの的に向かってファイヤーボールを打つのだ」


「はい」


『ファイヤーボール』


私の手からマーリン様の10倍くらいの大きさの漆黒の炎が稲光をバチバチと上げながら飛び出していった。その瞬間、マーリン様は


『バリヤー』


そう叫んだ時、私が放ったファイヤーボールは的を直撃した。


ピカー!!ずどどどどーーーん!!


閃光とともにきのこ雲が上がって、突風が私の方に向かってきたんだけどマーリン様のバリヤーで防ぐことができたのだった。しばらくして、爆心地には小さなクレーターができていたのだった。


「・・・」


「マーリン様?」


「この魔法は魔力の調整ができるまでしばらく使用禁止します。治癒魔法を使いながら魔力調整の練習をせよ」


こうして、私は、治癒室で治療魔法を施していた。


「先生、ありがとうございます」


「そんな。私は仕事をしたまでですよ」


「そんなことはありません。体以外にも心が穏やかになるんですよ」


「私はそんなことをしていませんが」


「いえいえ、本当です。あなたの治療を受けると本当に心が和みます」


そんな話を聞きながらも私は治療を続けた。今日は昨日よりも多い20人を治療したんだけど、翌日、私の部屋の前には10人の人が並んでいた。


「なんか、昨日より人が増えていますね」


「フリージア様の治療は、本当に評判がいいんですよ」


そんなことを言っているのはこの治療室の室長、ドクターワトソンさんなんだけど、何故か、私のことを”様”呼ばわりをされるのだった。


「ワトソン様、私に様はいりませんよ」


「そんなことはありません。この間のエドワード王子を救われておりますし、マーリン様のご推薦もありますので」


「いえいえ、わたしなぞ、まだまだ、始めたばかりですので」


「そんなことは、ありません。本当にこの治療室では既にNO1ですから、あ…そうそう、一部であなたのことを聖女と呼んでいる人がいますよ」


「そんな…」


そんな噂が流れているなんて思っても見なかったが。王宮に仕官している人たちの中では、治療室に聖女様がいるという噂が流れ始めていて、既に王様の耳に届いていたのだった。


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