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備忘録

死んだおかんが会いに来た(夢です)

作者: リア

記憶よりなんとなく大きなあの頃住んでいた家

部屋数が増えて広いのに、あの頃のように家族3人くっついて寝ていたら

起きたおかんに「いつまで寝てるの」と起こされた

夢だって判ってるんだ、時々映像が途切れるから

それでも「ああ、おかんだ」と思って姉を起こそうとしたら


「まぶしくない部屋の隅に運んで」


起きないんかい、とあの頃のようにつっこむ

涙が出そうになった、あまりにもあの頃と一緒で




仕事に行かなきゃいけなくて

昔のようにぱたぱた準備をする

昔のように会話しているのに、おかんは、判ってるんだよね

自分が病院にいた事

二つ折りの携帯を取り出して「ここでご飯を食べている事を伝えないと」と

病院に電話をかけた


ああ、死んだ事は判っていないのか


もちろん病院側に話が通じる筈もない

なんか変なんだけど、と首をかしげるおかん

自分が聞いてみるさー、と電話を代わる私

まだ寝ている姉を起こそうとする母から、さりげなく離れて台所に行き

受話器に耳をあて「もしもし」と話す


「申し訳ありません、今、○○さん(母の名)からお電話が……」

「……そうですか、申し訳ありません、こちらに帰ってきているのかもしれません」


謝罪すると「そうですか、そういう事もたまにありますので」と気遣われた

電話を切ってもまだ攻防を続ける二人を見つつ、苦笑して仕事に行く準備をする

父のように思っていたおじさんも、苦笑しつつ部屋に入ってきて笑っている


景色がぶれる

お願い、まだ消えないで、まだ消えないで


朝ごはんを急いで食べて、おじさんにぎゅうって抱き着いて(母に抱きつくのは何だか気恥ずかしかった)

まだ寝ている姉を放置し、笑っている二人に「いってきます」と言って


そこで目が覚めた




誰もいない、真っ暗な家

見渡しても人の気配なんて無い


「あまりにも私が情けないから、はっぱかけにきたのかな」


苦笑するしか無かった

また、今日から頑張ろう

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― 新着の感想 ―
[良い点] この作品を読んで、 今たった一人で病院にいる母を思いました。 つい先日五度目の癌(膵臓・Lv4)告知を受けて、 抗癌剤治療を受けている最中ですが白血球が減少する 一方で毎日“今度こそ………
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