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絶望感 射撃場の殺意

大阪へ遊びに行った時のことだ。ふと目に留まった占い店に入ると、そこには綺麗な婦人がいた。


「……貴方は二十三歳の時、今までの人生で一番の別れがありましたね」


ずばりと言い当てられた。言葉を失う私に、彼女は続けた。


「貴方は……一生、人から誤解されて生きます」


まだ悩みの一文字も口にしていない。それなのに、逃れられない未来を宣告されたようで、心が音を立てて壊れていく。絶望感だけが、ただ膨らんでいった。


山口の駐屯地で自衛官による小銃乱射事件が起きた事を知った。

精神を錯乱させた隊員による凶行。それ以来、実弾射撃訓練では中隊長が実弾入りの拳銃を所持し、有事の際の発砲権が与えられるようになった。


ある日の射撃場。

私の中には、差別や嫌がらせを繰り返す奴らを「殺してやりたい」と考える自分がいた。


私は小銃を手に待機していた。背後には、常に露骨な偏見を向けてくる数名がいる。脳裏に、恐ろしい空想が浮かぶ。


(一発目をわざと標的から外す。小銃の点検を伝えると見せかけ、瞬時に後ろを振り向く。まずは拳銃を持つ中隊長の利き腕を狙い、それから……あの鬼らを連射する。数秒後、自分は射殺されるだろう。今日ですべて終わる。終わらせてくれ)


だが、指が引き金にかかる寸前、別の思考が私を止めた。

こんな相手を撃ったところで、何も解決はしない。私は「精神異常者のホモ野郎」として死に、残された母や兄弟は世間から何を言われるか分からない。事態は悪化し、最悪の結末を招くだけだ。


(それは……己の負けだ。耐えるしかない)


兄にも母にも、誰にもこんな馬鹿げた話は口にできない。下劣な悩みを持つ自分自身に嫌気がさし、将来は完全に閉ざされていた。

ある日、武器庫で数名と小銃の点検整備をしていると、佐野三曹が入ってきた。日本拳法の有段者で、中隊でも一目置かれる存在だ。周囲に煽られ、彼と腕相撲をする羽目になった。

蔑む準備を整えた奴らが、私を笑いものにしようとテーブルを囲む。

だが、結果は予想を裏切った。

私は勝った。

右も左も、四回挑まれてそのすべてに勝ったのだ。


静まり返る中、佐野三曹は信じられないといった様子で首を傾げながら出て行った。

私は常に体を鍛え抜いていた。

いつか挑発する相手が直接向かってくれば、いつでもこの恨みをぶつけてやる。

精神が削られる分、身体を鎧のように鍛え上げた。

殺意、怒り、そして消えない絶望感。

私はその暗い炎を抱えたまま、地獄の毎日で怒りと絶望感が消えない毎日だった。


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