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守るべき家族 噂の原点

私は鹿児島県の小さな田舎町で、母子家庭の末っ子として育ちました。

青い空と南風。

浜辺で一人寝そべって波の音を聴き、流れる雲を追うガキだった。夕闇が深くなるにつれ輝き始める星々、夜空に広がるプラネタリウム。自然に溢れる風景は大好きだった。だが今は違う。実体のない作り話が飛び交う街。私には、故郷という言葉を聞いても望郷の念など全く湧きません。

私は小学校の1年生から中学3年生まで不登校児でした。

不登校の始まりは、小学1年生の時だった。


同級生のKという男から受けた卑劣なハレンチ行為――。それは、**子供同士はもちろん、分別ある大人ですら決して踏み越えることのない、あまりにも破廉恥でおぞましい行為でした。

**その日からKは恐怖そのものとなり、顔を見るだけでも吐き気がする存在となったのです。


初めての遠足、浜辺で指先を切って血が止まらない。

私の横には常にKがいた。耐えかねた私は担任に伝えず一人で山道を歩きました。

夕方、家には激昂する母と担任、お巡りさんがいた。野犬やハブが出る道を小1が一人で帰ったことに大人は驚いたが、私には、人としてあるまじき行為を平然と行うKと同じ空間にいることの方が、何よりも耐え難かったのです。

翌日からもKは来る。学校へ行かないことが、小1の私が考えた唯一の手段でした。


この拒絶から、中学卒業まで不登校が始まった。勉強は遅れ、先生は箸を投げ、優秀な兄姉と比較されては「バカだ」と言われ続けた。

世間からは「交通事故で頭を打って馬鹿になった」とあらぬ噂を流された。

母も影で「乞食」と呼ばれ、電気もガスも止まる困窮した生活。授業料も払えない高校を一年で中退した後は、散髪代さえなく数年は女のように長い髪で過ごした。

この頃、母に「近所で何かを言われている気がする。」と悩みを相談しても「お前の被害妄想だ」と相手にされなかったことを思い出します。


18歳、初めての彼女ができました。

この出会いが人生を変えた。

7歳年上で教員免許を持つ彼女に勧められ、私は通信制高校へ進み、人としての視野を広げることができた。入隊後に別れを告げられましたが、あの五年こそが私の人生観を形成してくれたと確信しています。

しかし、その初めての恋さえ、故郷の「噂」に引き裂かれていたのではないか。


確信したのは、三十数年ぶりに同級生の忍田と電話で話した時でした。

忍田も私と同時期に自衛隊に入隊し、兄弟(弟)揃って北海道の部隊にいたという。

忍田は電話口で執拗に「部隊にホモがいただろう、俺の部隊にはいたぞ。」と繰り返した。

そこで全てが繋がりました。

噂の出処は、あの島だったのだと。

つまり私は入隊前から、あの島で「ホモ」として有名に仕立て上げられていた。

鹿児島は自衛隊入隊者が多い。

何も知らずに入隊した私はあの祝辞の大失敗が引き金となり、噂事情を知る同郷の者たちが根も葉もない話を広め、噂が教育隊駐屯地中に拡大していった。

そうつなげていけば、当時の区隊長たちの不可解な行動も、これで全て頷ける。


田舎で印章屋へバイトした時の事も、う裏付けることができる。

店主の姪が私の写真ばかり撮っていった。

数日後から、その姪と同じ制服を着た者たちに異様な視線を向けられた記憶がある。

全ての悪意が、一本の線で繋がった。


私が必死に訓練を受けていた裏で、悪意ある者たちは下劣な嘘を流し続けていた。

理性と法が許すなら、その怒りと悲しみを相手の身体に刻んでやりたい。その想いは、今も消えることはありません。











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