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屈辱の教壇 班長付任命

中隊から、非情とも思える命令が下った。


「教育隊班長付として、新兵教育隊へ赴任せよ」


班長の助手として新兵を指導する立場。

だが、今の私は身に覚えのない噂に晒され、自分自身の尊厳すら見失いかけている。そんな人間に人を指導する資格があるのか。自問自答したが、自衛隊という組織において命令は絶対だ。悩んだところで解決策はない。

私はただ、前に進むしかなかった。

赴任した教育隊の区隊長と班長は既婚者で、課業が終われば柵の外の我が家へと帰宅していく。その後、残された新隊員たちの指導は、すべて私の肩にかかっていた。


班長は指導に全くやる気のない、いわゆる「サラリーマンタイプ」の隊員だった。課業終了の合図とともに姿を消す彼に代わり、私は重い足取りで新隊員たちを引率し、食堂へと向かった。


そこは、私にとって鬼門だった。


噂から逃れるために一年以上も足を踏み入れていなかった食堂。引率する私の姿を見て、周囲の連中が驚きに目を見開くのが分かった。


「……あのホモ野郎が教育隊の班付? 嘘じゃろ?」


その声を背中で聞きながら、私は怒りを抑えることだけに全神経を注いだ。


課業終了後は、彼らを連れて浴場へも向かわねばならない。

人の目を気にして、真冬でも洗面所の冷水シャワーで済ませていた私が、一年ぶりに大浴場の暖簾をくぐった。

久しぶりの湯船は、驚くほど温かかった。

だが、その温度に浸る私の耳に、またしても嘲笑が飛び込んでくる。


「なんであんな奴が助教なんじゃ?」

「あの新兵らも、ついてないのぅ。ワハハ!」


聞こえてくる笑い声。視線。

こんな連中を相手にしたところで、私の人生が元に戻るわけではない。新兵たちの前で、私はただ唇を噛み締め耐えるしかなかった。



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