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三十一話「おかいものっ」

お久しぶりです。


需要あるかわかりませんが、ひっそり続きを掲載しておきますね。

「暫く食べてない時は、消化にいいものが良いんだったわよね?」


 とりあえず打開策は見つかっていないが、問題の廟とやらに赴く前に行方不明者が見つかることだって考え


られる。もちろん、これはあたしの希望的観測というか、だったらいいなでしかないが、だからって可能性が


ある異常やることはやっておかないといけない。


「んー、おかゆ……はこっちにあるかわかんないし、具材を飲み込める様に細かく刻むか潰したスープとかか


しら?」


「ああ、それなら良さそうですね」


 提案してみるとアレクが頷いてくれたことで少しほっとし。


「んー、けど、そんなの何処かで売ってるかしらん?」


「っ、無いなら作ればいいのよ! スープとは別に薬を作る乳鉢とかを買えば作れるでしょ」


 おねぇな男の人の指摘に反論すれば、納得したのか確かにそれなら良さそうねとう゛ぇごんさんは手を打っ


た。結果的に乳鉢とかも買い込むことになりそうだが、まぁ許容範囲だ。


「その手の道具を扱う店でしたら、持ち帰りのスープを売る店より近いですね。そこの角を右に曲がりましょ


う」


「わかったわ」


 近いというなら拒否する理由はない。


「それに、長引く可能性を考慮して冷めるでしょうが間食用のつもりでスープは持参してますから、乳鉢を買


えばすぐ廟へ向かえますよ。どちらかと言えば、こっちのルートの方が廟には早くつきますし」


「ちょっ」


 前言撤回。あたしの頷いたのは破滅へのカウントダウンを早める提案だったらしい。


「どうしました?」


「あ」


 だが、あたしの引きつった声が聞こえたのか、きょとんとしつつも顔を覗き込んでくるアレクに今更都合悪


いですとは言えない。


「な、なんでもないわ」


 頭を振って心で自分を何でもないわけないじゃないのと罵る。けど、拒否するに足る理由を説明できないの


だからしょうがないではないか。


「だったら、さっさと行こうぜ?」


 そんな空気を読めないガッシュの言葉に若干殺気が頭をもたげかけるも、すぐに押し潰す。この勘違い男と


て無意味に急かした訳じゃないのだ。合流する時、言っていた、


「いや、同行希望者が多くて収拾着かなくなっちまったんだよ」


 と。本当は居なくなった仲間を捜したかったのに、叶わず、不本意な留守番を強いられていたのだ。ひょっ


としたら、居なくなった人の中にガッシュの本命さんが居た可能性だってある。


(や、それはないか……コイツのことだもの。「俺がいの一番に助けて好感度アップ」とかそんなとこよね)


 思いこみは時として危険だ。だから、決してあたしが自分の後ろめたさを誤魔化すためにわざと嫌な方の解


釈をしたなんてことはない。


「お、お姉ちゃん?」


「ごめんなさい、ブラッド。みんな、居なくなった人を一刻も早く見つけたいのに、あたし……こういう時は


考えるよりまず動く事よね?」


 居なくなった人がどんな状況に置かれてるのかもわからないと言うのに、自分の保身ばかり。


(そうよ、拙くなったら影に潜んで逃げれば言い訳だし)


 一刻を争う事態だったのだ。


「……と、言う訳なので値下げして貰えないかしら!」


「お、お客さん……」


 だから、お店に着くと事情を説明して乳鉢を値切ったあたしは悪くない。


「あの……」


「大丈夫、任せておいてアレク。あ、そうね……値段は据え置きで良いから、これ、おまけに付けてくれない


?」


 言いつつ、乳鉢とは別にあたしが手に取ったのは、薬草の束。燻した煙に人ならざるモノを祓う効果がある


と言う、言わば魔よけの品だ。


(逃げ出した場合の保険にこれぐらいは持っておきたいわよね。確か、人体には無害らしいし)


 暗黒神官だとばれて逃げ出したものの、逃げた先でモンスター的な何かに襲われてゲームオーバーなんて事


になったら悔やんでも悔やみきれない。まぁ、悔やむどころかその時はもう死んでる気もするが。


(せめて、これぐらいは勝ち取ってみせる)


 これぐらいのささやかなわがままなら許されると思うのだ。


「はぁ、わかりましたよ……神殿のお役目の用ですし、おまけしましょう」


「よっしゃあ!」


 そして、あたしは勝ち取ったのだった、ささやかな、それでも譲れなかったおまけを。


次回、三十二話「そして、あたしは――」

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