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男前女子、美少女だと思って助けた鬼と契約結婚する羽目になる  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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18/22

第18話 契約、契約

 桜は契約結婚を受け入れることにした。


「わたし、契約結婚をお受けします」


 桜がそう告げると、祖父と父は腰を浮かして叫んだ。


「「桜ぁぁぁぁぁぁ⁉」」

「ああ、もう。見苦しいわね、2人とも。契約結婚くらいで大騒ぎしすぎよ」


 母は堂々と落ち着いていて、2人をたしなめた。


「ありがとうございます。桜さん」

「ふふ、よろしくお願いします。魁さん」


 魁は嬉しそうに頬を赤らめているので、桜もなんてなく頬を赤らめた。


(契約、契約。それは契約結婚なんだから)


 桜は自分を落ち着かせようとしてみたが、無理だったので視線をズラして俯いた。

 真鬼(まき)が書類を取り出して、サッと祖父の前に置いた。


「では、こちらの契約書にサインをいただけますか? まずは、家長である(ゆう)さまのサインをこちらに……それとこちらにも……」

「う……うむ」


 祖父は諦めたように溜息を1つ吐くと、ペンをとって大人しくサインをしている。


(なんだかんだ言って条件がいいもんねぇ。あれなら我が家はもう働く必要がないでは?)


 桜は契約により鬼頭家へもたらされる財について、ちょっとだけ考えた。


 魁は、サインを終えた桜の祖父へお願い事をした。


「契約結婚にあたり、お願いしたいことがあります」

「うむ」


(やっぱり他にもお願いするよね~。契約内容よすぎるもん)


「そちらに関しては別にお礼の用意があります。真鬼(まき)


 魁が声をかけると、真鬼(まき)はサッと書類を出して主に渡した。

 祖父に条件を提示しながら、魁は説明する。


「鬼の里へ繋がる洞窟の封印を解いていただきたいのです」

「ああ。あそこか」

「あそこ?」


(鬼の里への通路なんてあるの?)


 桜が首を傾げていると、祖父は説明する。


「ああ。いつも儂らがチ……ャンバラごっこをしとる辺りの洞窟……ほら、しめ縄のある大きな洞窟じゃ」

「あーあそこ?」

「ああ。あの洞窟が鬼の里へ繋がっているようだ」


 祖父は桜から魁へ視線を移した。


「分かった。封印は解こう」

「ありがとうございます。あと、よろしければ、こちらの敷地内にある家を一軒、借りられないでしょうか?」

「ああ。使ってない建物はいくつかあるな……だが住めるかどうか」

「それは心配いりません。里から若い衆を集めて手入れをさせるつもりですから」


 真鬼(まき)が後ろの方で頷いている。


「なんだったら、建てますので。許可だけいただければ」

「分かった。許可しよう」

「ありがとうございます」


(……ん?)


 祖父に提示された条件が気になっていた桜だったが、引っかかるものを感じて首を傾げる。


(家を借りるって……魁さん、ここに住むっていうこと⁉)


 桜は勢いよく魁の方を見た。

 魁はニッコリ笑って言いながら首を傾ける。


「これからは家族としてよろしくね」

「……っ⁉」


(けっ契約結婚なのに、住む場所も一緒⁉)


 血が急激に昇ってのぼせた桜は、真っ赤になって倒れそうになった。が、耐えた。

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