第六章・決戦の海
「我々の戦力、アジア艦隊に持っていかれた分を差し引いても、大したものだ。これだけの戦力があれば、欧州で勝てないものはおるまい……。
ただ……、日本海軍を相手した場合はどうだろう?」
──レイモンド・A・スプルーアンス少将・第五巡洋艦戦隊司令官
一九四一年一二月二四日 払暁
「ノーザンプトン」艦上 マーシャル諸島北北東三〇〇キロ 太平洋
「ノーザンプトン」は一九三〇年に就役した重巡洋艦で、日本海軍の「高雄」型と同世代にあたる。三連装三基九門の八インチ砲を主兵装とし、速力は三二・五ノットで、その後の合衆国海軍の重巡洋艦の基本的な性能を持っていた。
「重巡洋艦」は実に政治的な意味合いの強い艦種だ。当初は敵国の「軽巡洋艦」を圧倒する火力を与えられた、「巡洋艦キラー」として誕生したものの、その後の軍縮条約により、改めて排水量や火力の定義がなされ、現在の「重巡洋艦」としての艦種類別が誕生している。
その上、「戦艦」の保有がローマ条約で禁止されたため、各国海軍はそれに代わる主力艦を欲していた。筆頭は「航空母艦」であるものの、当時の航空機が持つ性能に、関係当局は不安を抱いた。そこで、「装甲巡洋艦」という艦種を復活させ、彼女たちを戦艦に代わる水上戦闘艦の主力に据えた。
合衆国も例外ではない。特に、日英海軍は禁止を免れた「巡洋戦艦」を数隻ずつ保有していたが、合衆国は「レキシントン」級巡洋戦艦の保有に失敗した。結果的に「レキシントン」級は「航空母艦」として就役したが、彼らの、日英海軍に対する羨望の炎が消えることはなかった。
それが、「アラスカ」級装甲巡洋艦の建造に繋がる。一九二八年より就役が始まった彼女たちは六隻を数え、一応の水上打撃戦力として水兵に慕われた。
そのような世界情勢下で重巡洋艦の保有が推進されたのは、ローマ条約による制限と、小回りの利く手頃な水上戦闘艦の保有を各国海軍が欲したためである。
合衆国もそれに習い、十数隻の重巡洋艦の保有に至った。彼女たちは空母の護衛、装甲巡洋艦の補佐などの役割が期待され、太平洋艦隊には一二隻が配備された。
生憎、アジア艦隊に派遣した二隻が戦没してしまったため、マーシャルに向かう艦隊に八隻と、上陸船団の護衛に当たる二隻が全てとなってしまった。
「ノーザンプトン」の艦橋、その司令用座席に、レイモンド・スプルーアンス少将が着座していた。
彼は、舷窓から見える空母の索敵機の発進を見守りながら、ぼんやりと考え事をしていた。
──いよいよ、日本との決戦か。
彼は、ハルゼーや他の提督が持つ様な、日本への敵愾心をあまり持っていなかった。それは、もしかすると、かつて出会った日本海軍の士官、日本海海戦をどうにか引き分けに持ち込んだ上村彦之丞や、戦間期に親交を結んだ伊藤整一の影響があるのかもしれない。
──イトウも今は何をしているかな。彼のことだ、恐らく日本海軍の中枢で辣腕を奮っていることだろう。
相手のことを考えていたスプルーアンスは、今度は自軍の戦力について考え始めた。
──我々の戦力、アジア艦隊に持っていかれた分を差し引いても、大したものだ。これだけの戦力があれば、欧州で勝てないものはおるまい……。
ただ……、日本海軍を相手した場合はどうだろう?
彼は脳内に納められた太平洋艦隊の戦闘序列を思い出した。それは、
太平洋艦隊(ハズバンド・E・キンメル大将)
第一任務部隊(ウィリアム・パイ中将)
第一空母群:「レキシントン」「コンステレーション」(パイ直卒)
第二空母群:「サラトガ」「コンスティテューション」(オーブレー・フィッチ少将)
第二任務部隊(ウィリアム・ハルゼー中将)
第三空母群:「エンタープライズ」「ヨークタウン」(ハルゼー直卒)
第四空母群:「ワスプ」「ホーネット」(フランク・J・フレッチャー少将)
……が主力で、各空母群が独立して行動をしていた。
スプルーアンス率いる第五巡洋艦戦隊「ノーザンプトン」「チェスター」「ルイビル」「ポートランド」は前者二隻が第四空母群、後者二隻が第三空母群に分割して配備されている。
そのことについて、スプルーアンスはちょっとした危惧を覚える。
──空母が主力なのはよいとして、水上戦闘艦を分割させ過ぎではないだろうか? 各空母群に均等に配備したため、装甲巡洋艦は一隻か二隻、重巡洋艦は二隻、そして護衛に一個水雷戦隊が当てられている。
俺の第五巡洋艦戦隊も、ふたつの空母群に分割されているから、俺の指揮が及ばない。このことが、戦場にどのような影響を与えるだろうか……。
同時刻 「比叡」艦上 マーシャル諸島西方二〇〇キロ 太平洋
巡洋戦艦「比叡」は、「金剛」型の内、最後に大改装を終えた一隻だった。その時期が次世代装甲巡洋艦の計画と重なったため、彼女は様々な装備のテストベッドとなった。そのおかげで「比叡」は同型艦の中でも一頭地飛びぬけた存在となる。
特に、通信設備は最新で、旗艦任務を果たすのに最適だった。
その「比叡」艦上で、三川軍一中将は双眼鏡を構えていた。上空を後方から飛来した索敵機が通過する。
──囮任務か……。
彼は自軍の配置を思い出していた。
米艦隊の迎撃にあたり、帝国海軍は次のような編成をとっていた。
第一機動艦隊(高須四郎中将)
甲部隊(南雲忠一中将)
第一航空戦隊:「赤城」「加賀」「土佐」(角田覚次少将)
第二航空戦隊:「長門」「陸奥」(大西瀧次郎少将)
乙部隊(古賀峯一中将)
第三航空戦隊:「蒼龍」「飛龍」(山口多聞少将)
第四航空戦隊:「翔鶴」「瑞鶴」(原忠一少将)
前衛部隊(三川軍一中将)
第一戦隊:「比叡」「金剛」「榛名」「霧島」
みっつに分けられた艦隊は、ふたつの空母群と、その前方五〇キロに前衛部隊が位置していた。
──俺の部隊はその他に、「黒姫」「吾妻」の装甲巡洋艦二隻、「青葉」「衣笠」「古鷹」「加古」の重巡四隻、それに二個水雷戦隊が与えられている。
水上砲戦については心配ないだろう。今のところ、米艦隊には金剛クラスの主砲を持ったものは存在しない。それに、水雷戦隊には必殺の酸素魚雷がある。しかし……。
「空母を守るための囮」というのが気に入らないな。機会があれば、アメちゃんに仕掛けてみたいものだが……。
一九四一年一二月二四日 午前七時
マーシャル北方洋上
日米は払暁と同時に索敵機を放っていた。両軍とも先に相手を見つけんと、可能な限りの数を出していた。
しかし、地の利を得ている帝国海軍は、母艦索敵機隊、水上艦の索敵機、その他にもマーシャルの基地から九七式大型飛行艇を索敵に当てていた。
彼らは索敵の範囲を重ねつつも、それぞれの担当地域においての敵艦隊発見に血眼で探し続けていた。
それは、米艦隊も同様であったが、第一・第二任務部隊はそれぞれに索敵を実施していた。その上、彼らのデバステーターは航続距離が短く、帝国海軍の同族よりも索敵範囲が絞られていた。
その結果、先に発見するのは帝国海軍となるのは必定だった。
この時点で、既に勝敗が決していたのかもしれない。
一九四一年一二月二四日 午前七時二〇分
マーシャル諸島北北東二〇〇キロ 太平洋
中川中尉は索敵機の偵察員席から周囲を見回し、敵艦隊発見に努めていた。空にはうっすらと雲がたなびき、時折海上が隠れる。それでも、彼は集中力を切らさず、ただじっと海面を睨み続けていた。
やがて、なにか光るものが見えた。前方の操縦員に命じる。
「もうちょっと、近くに寄ってみてくれ」
「ヨーソロー」
光っているものがじょじょに明確となってきた。中心にまな板のようなフネと、周囲に護衛艦艇と思えるフネがきれいに並んでいた。
「米艦隊だ」
操縦員が叫ぶ。
「前方より敵機!」
「よし、大きく迂回して、つかず離れずの位置を取れ。俺は報告をする」
中川が打電する間にも、敵機は数を増し、彼らを取り囲むような態勢をとりつつあった。
「このままでは……」
「ちょい待て」
操縦員が短い永遠を感じ始めた頃、中川が「発信終了。よし、最大速力で逃げろ」と命じた。
操縦員がスロットルを開く。彼らの機体は旋回しつつ、じょじょに速度を早めていった。その間にも敵機、──どうやらF4Fらしい──が迫ってくる。
敵機と飛ぶ方向が同じくなる。F4Fがだんだんと引き離されていった。彼らは「ガッデム!」と罵りを上げた。
中川は安堵の吐息を漏らしつつ、再び打電した。
「敵戦闘機ニ追撃サレルモ、此レヲ振リ切ルコトニ成功セリ。我ニ追イツクグラマンナシ」
同時刻 「赤城」艦上 マーシャル諸島西方二〇〇キロ 太平洋
索敵機からの報告が次々と届いた。速力の劣る機体で、撃墜される最後まで打電をした勇敢なものがいれば、優れた速力で敵機を振り切った機体もいた。
「これで、米艦隊は四群か……」
電文を読みながら高須はつぶやいた。
「このふざけた報告は誰かね?」
通信参謀が苦笑をする。
「あぁ、これは我が艦の哨戒五番……中川中尉からですね」
航空参謀が胸を張った。
「持ち込んだ甲斐がありましたな」
高須はすぼまった機首を思い出した。
「あれは、なんて名前だったかな」
航空参謀が応える。
「まだ試作段階のものを無理矢理配備したので、今のところは『十三試艦上爆撃機』という名です」
「おそらくF4Fを振り切った高揚感からの電文でしょう。後で説教だな」
参謀長は苦言を呈しながらも、口角は上がっていた。
高須は機嫌よく指示を下した。
「乙部隊にも伝えろ。まずは近くの敵空母群を叩く」
「了解です」
同時刻 「エンタープライズ」艦上 マーシャル諸島北北東二〇〇キロ 太平洋
ハルゼーは不機嫌そのものだった。敵には発見され、味方は未だ敵艦隊を発見できずにいた。
「クソ、仕方がない。参謀長、もっと南下しろ。敵に近づくぞ」
「それでは……」
「どうやら、ジャップの機体は航続距離が長いらしい。懐に入って仕留める。パイに伝えろ」
「了解です」
数分後、パイからの返答は意外なものだった。
「一旦北上する、だと?」
「そのような回答でした」
「ふざけやがって。何しにここまで来たのだ?」
パイとしては、敵の索敵範囲から一度外れ、再編成を図るつもりだった。まず彼は、“敵の攻撃圏外に出る”ことを優先したようだ。
その発想が、ハルゼーには理解できなかった。
攻撃・攻撃・攻撃。それが彼の信条だった。
「パイ提督にもお考えがあるのでしょう、我々はどうします?」
「もう一度、索敵機を出せ」
「それでは攻撃力が……」
「見つけられなければ、意味がない」
「……了解です」
二時間後、集中攻撃を受けたのは突撃するハルゼーの部隊ではなく、逃げようとするパイの部隊だった。
同時刻 「レキシントン」艦上 マーシャル諸島北北東二二〇キロ 太平洋
上空にはミートボールをあしらった機体が乱舞していた。
すでに「コンステレーション」は大傾斜していた。飛行甲板が傾斜し、艦載機がずり落ちてゆく光景が見えた。
「レキシントン」も既に魚雷を受け、艦が傾斜を始めていた。
甲板にはいくつもの穴が開き、乗組員が必死に消火にあたるもの、最期の時が近づいていた。
“ここまで……”
「日本軍が強力だとは……」
「提督、ご決断を」
「その前に……」
パイは「コンスティテューション」に連絡をした。
『不覚をとりました。後は頼みます』
「貴官も脱出しろ」
『了……』
プツっと通信が途切れると、パイからの声が聞こえなくなった。
「おい、パイ中将、パイ……」
受話器を置いたキンメルが力なくつぶやく。
「なんということだ……」
数分後、ハルゼーから連絡が来た。
『まだ無事か?』
「あぁ、パイは残念だった……」
『供養は後でいくらでもしてやる。それよりな。こちらもジャップを見つけた。こっちと呼応して攻撃隊を出してくれ』
「……わかった」
更に三〇分後、ハルゼーの部隊に日本艦隊からの第二次攻撃隊が殺到した。
主に、第四空母群が集中的に狙われていた。
結果的に、「ワスプ」と「ホーネット」が犠牲となり、午前中だけで合衆国海軍は四隻の空母を喪った。
一九四一年一二月二四日 正午
「比叡」艦上 マーシャル諸島北北西二〇〇キロ 太平洋
前衛部隊は高須の命により、米艦隊を捕捉すべく、北上をしていた。
“水上戦闘艦の誇りを見せてやる”
三川は舌なめずりして敵艦隊の捕捉を待った。
それまでにハルゼーの放った米攻撃隊の一部が前衛部隊に攻撃を加えてきた。一部の艦が損傷したものの、全艦戦闘続行可能だった。
同時刻 「赤城」艦上 マーシャル諸島北西二〇〇キロ 太平洋
参謀長が安堵のため息をつきつつ報告した。
「各空母とも、損害は軽微です。どうやら敵さんの攻撃隊がばらけ、薄く拡がった模様です」
「そうか……」
続けて報告する参謀長。
「『蒼龍』からの電文です」
「うん、読め」
「はい。『追撃の要アリト認ム』、です」
「山口少将だな」
「第二航空戦隊からも同じ内容の電文が」
「そうか。ふむ」
高須は少し考える。
“もう充分に戦果は挙がったのでは? 後は前衛部隊に任せれば……”
参謀長が一歩前に出た。
「長官、やりましょう。徹底的に叩く機会です」
「……うん、わかった」
一九四一年一二月二四日 午後二時
「コンスティテューション」艦上 マーシャル諸島北北東二〇〇キロ 太平洋
キンメルにとり、この日は悪夢そのものだった。
誇りとしていた太平洋艦隊が、日本艦隊の前で崩れようとしていた。
彼らの第三次攻撃隊が間近に迫っていた。F4Fが果敢に迎撃するものの、勝てない……。
日本のスマートな戦闘機に次々と撃墜されていった。
──破滅だ。太平洋艦隊の、私のキャリアも、全て喪う……。
しかし、思考停止もしていられなかった。彼は受話器を取る。
「スプルーアンス、聞こえるか?」
『イエス』
「君が撤退戦の指揮を執れ」
『しかし、提督は?』
「私は……」
キンメルにこみ上げるものが上がってきた。無理矢理それを押しとどめる。
「……最後まで『コンスティテューション』で指揮を執る」
『……イエス』
受話器を置くと、舷窓から日本軍の攻撃隊が迫るのが見えた。
──さぁ、来い。アメリカ人の死に様を見せてやる。
衝撃。
また衝撃。
最期の瞬間、攻撃隊の一機が艦橋に迫ってくる。
艦橋を貫く金属音、爆風が全てをさらっていった。
敵機の放つ機銃弾に弾かれ、熱いものを口から吐き出しつつ、キンメルは思った。
──「サラトガ」は逃げられたかな……?
間もなく、彼の意識は深奥へと落ちていった……。
一九四一年一二月二四日 午後三時
「ノーザンプトン」艦上 マーシャル諸島北北東二二〇キロ 太平洋
混乱した各空母群から、かき集められるだけの艦艇を結集した。集まったのは
装甲巡洋艦「ノースカロライナ」「プエルトリコ」「サモア」、重巡洋艦「ノーザンプトン」「チェスター」「ペンサコーラ」「ソルトレイクシティ」、軽巡二隻、駆逐艦一六隻、だった。
進撃する部隊を見ながら、スプルーアンスは思った。
──何分足止めできるかな?
一九四一年一二月二四日 午後四時
マーシャル諸島北方二〇〇キロ 太平洋
スプルーアンスの部隊もボロボロとなった。しかし、彼は、自分が太平洋艦隊最後の盾であることを理解していた。
コンゴウ・クラスの一斉射撃と駆逐艦の魚雷により、「ノースカロライナ」と「サモア」が沈められた。重巡群も半減していた。
もはやできることは、生き残りの空母群のため、命中率を無視して転舵し、すこしでも時間を稼ぐ事だけだった。
──なにか、策は……?
彼は受話器を取る。
「ハルゼー提督」
『おぅ、大丈夫か?』
「イエス、今のところは……。提督、貴官の部隊に、まだ攻撃力は残っていますか?」
『ちょっと待て、……二隻で五〇機は出せる』
「それで日本の水上部隊を叩いてもらいたい」
『了解だ』
転舵、転舵、転舵。水柱、水柱、水柱。
そのたびに砲撃の衝撃で艦橋が震え、水柱が舷窓を叩く。
彼は無線を使い、潰走しかける味方を叱咤激励し続けた。
永遠に思えた三〇分後、味方の攻撃隊が日本艦隊に襲い掛かった。
一九四一年一二月二四日 午後五時
「蒼龍」艦上 マーシャル諸島北方二〇〇キロ 太平洋
「追撃中止?」
山口は電文と読むと呻いた。
参謀長が首をひねる。
「充分に戦果は挙がったのでは?」
「君は、そう思うのか……」
山口は内心で唇を噛みしめた。
──明日も、明後日も、可能な限り米艦隊を叩かないと。もうこんな機会は来ないぞ。
同時刻 「赤城」艦上
参謀長が進言した。
「長官、もう一撃を。……山口少将や大西少将、三川中将からも『追撃ノ要ヲ認トム』と来ています」
高須は大きく息をついた。
「もう、充分だよ。今日一日搭乗員は充分に活躍した。疲労も溜まっているだろう。それに──」
彼は舷窓から部隊を眺める。
「──これ以上、陛下のフネを危険にさらす訳にはいかない」
「しかし……」
高須は双眼鏡を構えた。彼の中では既に終わった話のようだ。
一九四一年一二月二五日 午前〇時
「エンタープライズ」艦上 マーシャル諸島北北東三〇〇キロ 太平洋
夜の海をひた走りながら、ハルゼーは指揮を執り続けていた。
どうやら、日本艦隊は追撃を打ち切り、撤退を図ったようだ。
彼は安堵しながらも、憤怒に燃えていた。
──残された空母は俺の「エンタープライズ」「ヨークタウン」それにフィッチの「サラトガ」だけか。ふん、ジャップめ、全滅させることが可能だったのに我々を逃がすか。
このことが、貴様らの禍根となる。見ておれよ。いつかこの復仇をなしとげてやる。
彼の怒りは、海よりも深かった。
付記・日米艦隊戦闘序列(一九四一年一二月二四日)
日本・第一機動艦隊
甲部隊: 空母「赤城」「加賀」「土佐」「長門」「陸奥」
大型軽巡「最上」「三隈」
軽巡洋艦「阿武隈」 駆逐艦八隻
乙部隊: 空母「蒼龍」「飛龍」「翔鶴」「瑞鶴」
大型軽巡「鈴谷」「熊野」
軽巡洋艦「神通」 駆逐艦八隻
前衛部隊: 巡洋戦艦「比叡」「金剛」「榛名」「霧島」
装甲巡洋艦「黒姫」「吾妻」
重巡洋艦「青葉」「衣笠」「古鷹」「加古」
軽巡洋艦「川内」「那珂」 駆逐艦一六隻
合衆国・太平洋艦隊
第一任務部隊: 空母「レキシントン」「コンステレーション」
「サラトガ」「コンスティテューション」
装甲巡洋艦「ワシントン」「ハワイ」「フィリピン」
重巡洋艦「ペンサコーラ」「ソルトレイクシティ」
「シカゴ」「インディアナポリス」
軽巡洋艦「セントルイス」「ヘレナ」
「シンシナティ」「メンフィス」
駆逐艦一六隻
第二任務部隊: 空母「エンタープライズ」「ヨークタウン」
「ワスプ」「ホーネット」
装甲巡洋艦「ノースカロライナ」「サモア」「プエルトリコ」
重巡洋艦「ノーザンプトン」「チェスター」
「ルイビル」「ポートランド」
軽巡洋艦「フェニックス」「ホノルル」
「オマハ」「ミルウォーキー」
駆逐艦一六隻




