2(前編)
直ぐに次の話を投稿します。
「は〜、やっぱり鮎川先生の王子様は、最高だな〜!」
本屋で友梨奈と買い物を楽しみ塾がある絵里奈を見送るり、清春はハンバーガー屋で買った本を読み耽っていた。その時、スマホがブルブルブルと震え画面を見ると、22
時00分にセットしていたアラームだった。
真面目な性格の清春は、18歳未満の深夜外出を制限する県の条例を律儀に守っていた。毎日、午後11時ギリギリに帰宅するのはそのためだ。そんな生活を送るようになったのは、2年前の出来事があったからだ。
2年前の11月、高校受験の勉強で通っている塾から帰宅した清春が目にしたのは、真っ赤な炎に包まれた自宅だった。
当時、世間を騒がせていた放火魔の犯行だった。
両親と祖父は命を落とし、一命をとりとめた祖母も意識不明のまま、腹部から下には十度の火傷を負っていた。
悲しみに暮れる清春に代わって、弁護士である祖父の甥、鷹宮 昭仁が葬儀の手配から何から全てを仕切ってくれた。告別式が終わり、清春と母の6歳歳の離れた妹の叔母夫婦は祖父と両親の遺言書があることを知らされた。もしもの時のために、清春が生まれたときから毎年更新されていたという。
遺言書には、土地、貯金、株を含むすべての遺産を清春に相続させると記されていた。
そして、未成年後見人には鷹宮が指名されていた。
鷹宮が清春を引き取ると申し出ると、母の妹夫婦が猛反対した。
「姉の忘れ形見である清春は、自分たちで育てたい」と主張したのだ。
話し合いの結果、清春は叔母夫婦に引き取られることになった。県外に住む鷹宮の家よりも中学校までの距離が近く、志望校も叔母夫婦の家からの方が近かったからだ。
しかし、近所に住んでいたにもかかわらず、顔すら忘れるほど疎遠だった叔母夫婦の態度に、鷹宮は不審を抱く。遺産目当てではないかと疑ったのだ。
15歳になったばかりの清春に、鷹宮は遺言書を作成することを勧める。清春もそれを肌で感じていたため、承諾し、自身の遺言書を書き記した。
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