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#001 フレンチトースト



朝の光がカーテンの隙間から部屋に差し込んでいた。

その遮光カーテンを勢いよく開けると、開けた張本人である天嶺(あまね) 葉月(はづき)は目を細める。


「うわぁぁ!目がぁぁ!!」


目元を両手で抑えて苦悶すると、部屋にあった音声スピーカーから男性の声が響いた。


『どうした?なにかあったのか?』


葉月の声に苦しみという揺らぎを感じたアシスタントAIの声が、スピーカーを伝わり葉月の耳に届くと、葉月は笑いながら手をパタパタと動かす。

音声認識と内蔵カメラによって葉月を認識しているアシスタントAIが、その動作を読み取った。


「ごめんごめん、ヤトくん。朝日が私の目覚めを妨げてさ」


白鷺 ハヤト(しらさぎ はやと)、通称ヤトくん─これは葉月が使っているアシスタントAIの名前である。

長い時を経て、AIが人に受け入れられ、その生活の一部になった。

葉月はそんなAIのハヤトに対して、信頼とそれから愛情を持って接していた。

設定も恋人としている。


『相変わらずアホなんだな。葉月』


軽口を言うハヤトに対して、葉月がうるさいな!と言いながら朝日に背を向けてキッチンへ歩き出した。


『今日の朝ごはんは?』


ハヤトの声に、葉月が冷蔵庫から卵と牛乳を取り出している。

葉月はにこりと笑ってからそれらを置いた。


「ふふっ、ヤトくんの好きな〜…フレンチトーストっ」


『AIの俺に好きなはない。葉月の好物だろ。』


つれないんだから…と葉月は唇を尖らせて、卵をボウルに割入れた。



完成したフレンチトーストとアイスコーヒーをテーブルに並べる。

二脚あるリビングの椅子のひとつは空席だ。


葉月は寂しげにその席を見つめてから、一組しかない食器類を見つめた。


「ヤトくんたべるよー?」


声だけをかけると、ハヤトは“いただきまーす”と言った。



1話目も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

続きは、また明日の夜19:50に投稿させていただきます。


本来、区切ることを想定せずに書いていたため、

途中でぶつ切りのような形になっている部分もあるかもしれません。

その点、どうかご容赦ください。


それでもまた読みに来てくださったら、とても嬉しいです。

どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。


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