宝の地図
私に、のどかな時間などいら無い。
次の船を空けて、ワインを探したが。
海賊船で、荷物は少なく。宝の地図が出てきた。
私は、新しい船を3隻開けた。
全部が、海賊船で。8箇所の宝の地図が、オートマップに現れ。赤いバツ印が付いている。
私は、果樹園の為に、水魔法使いを雇えないか。マリア様に相談を持ち掛け。
一人の水魔法使いと。10人の兵隊が、護衛として、別荘に現れた。
「初めまして。私は、真理子。10日ほど果樹園のお世話を頼みたいのだけど。お願いできるかしら」
真理子は、メイド服に布の面積の多い服を合わせて。露出を避けた。
「私は、リュウミーと言います。水魔法には、自信が有るのですが。レッド・ヴァイツに好かれる自信がありません」
リュウミーは、綺麗な発音で答え。
果樹園の水やりは、こなせると言った。
私は、リュウミー達を1列に並べて。
狼達に、匂いを嗅がせた。
襲わないとは思うが。なる早で帰ると誓い。
そのまま、飛び立った。
最初の島は、町になっていた。
5本の大きな道が、交差する。
ロータリーの真ん中で。
私には時間が無く。
ロータリーの真ん中に降り立ち。
石畳を、剥がして。穴を掘り始めた。
綺麗に研磨された、小さく四角いブロックを、直径5mの範囲でバラし。3M程掘ると。
背中を曲げた、老人が現れた。
「貴女様は、海賊の生き残りですか。子孫の方ですか」
私は、穴の底から。老人を見上げて。
「お爺さん。海賊の宝を知っているのですか」
お爺さんは、私に近寄り。縁の土を、パラパラと落とした。
「知っている。私が、子供の頃に父親が、掘り当てて。全部使ってしまった」
お爺さんは、申し訳無さそうに。
「莫大なお宝だったが。私の父親には、商才は無く。全てを、商人に奪われて。手元には何も残っていないのですが。その御蔭で、この島は、貴族が全てを掘り起こし。保養地として、現在に至っています」
私の周りに、野次馬が集まり。
ロータリーの機能を、失っていた。
私は、空に向けて。ツインドラゴンを放ち。
野次馬は、蜘蛛の子を散らすように消えて。
私は、穴を塞がずに。次の場所に向かった。
私の勝率は、6割を越えていて。
最初の街を含めたら、6勝している。
だが、私の求めた。ワイン樽は出てこ無かった。
商船以外出てこ無いとは、この時点では気付か無かった。
私は、感謝を伝えようと。
お土産まで、用意していたのだが。
私が、別荘に降り立つと。
狼達は、私の元に集い。誰が主人が教えてくれた。
「ケビン、待って。まだ、石鹸が付いている」
リュウミーは、水魔法を使いながら。狼を洗っていた。
私は、リュウミーを指して。『GO』と叫んだ。
7頭の狼達は、一斉にリュウミーに襲撃を開始した。
『duck』
狼達は、リュウミーの5m手前で止まり。
一斉に伏せた。
皆、尻尾を振り。楽しんでいる。
リュウミーは、腰を抜かして。動けていない。
更に、胸にプレートが付いていて。手に取ると、名前が付いていた。
ジョルジュ。マイク。ケビン。ピーター。ボブ。サーシャ。ミランダ。
私は、全ての狼の頭を撫でて。名前を確認した。
ケビン『Come on』
ケビンは、舌を出して。ダッシュした。
石鹸の着いた、体を私に擦り付けた。
私は、ケビンの体に水魔法をかけて。しばらくゴシゴシと洗い。
「この子は、ケビンで。他の子は、ケビンでは無いと知っている」
私は、ケビンの体を洗い終えて。
石鹸の着いた、服を脱ぎ捨てた。
私が、人ではないことを知り。
追い打ちをかけるように。
私は、リュウミーに近付き。
手を差し伸べて、起こした。
アイテムボックスから、砲弾を取り。
リュウミーに片手で渡すと。
リュウミーは、両手で支えきれずに。落とした。
砲弾は、綺麗な芝生に窪みを作り。
私は、片手で軽々と持ち上げた。
「ジョルジュ。お前は、一番賢い」
私は、ジョルジュに向けて、砲弾を見せると。
ジョルジュは、いつもの様に。近付き、砲弾の匂いを嗅いだ。
私は、遠くの森に向かって、砲弾を投げた。
「ミランダ。『GO』」
ワンテンポ遅れて。ミランダは、砲弾を追いかけた。ジョルジュは、動いていない。
ミランダが、遅れたのは。私の機嫌を、伺ったまでだ。
「ピーター、おいで。お前を、最後に呼ぶと。直ぐに拗ねるからな」
ケビン同様に、ダッシュした。
「ボブ。拗ねるな。そんなお前も、大好きだぞ」
ボブは、少し躊躇したが。ダッシュを決めた。
「マイクは、独特だよな。犬のクセに気まぐれなと所があるよ」
私は、マイクに対して。忠実に動いてほしかった。猿との戦いで、私の周りを気にしていた子だ。
「サーシャ。ママを困らせる子。お前の為に、私は、ワインの樽を探し回って明るのだぞ。知っているのか、私の苦労を」
53年物の、ワインの樽を美味しそうに飲み干し。日に日に、樽が消えてゆく。
ミランダが、砲弾を咥えて帰ってきた。
「お前が一番、美しいよな。2番目に頭も良いし」
私は、ミランダから。砲弾を受け取り。
砲弾を仕舞うと。遊んで貰えないと知り。
頭を下げて。項垂れた。
リュウミーは、突然、頭を下げて。
「私が、勝手に名前を付けました。許してください。尾根が明かします」
しかし、私の怒りは収まらず。
名前を付けた以上、可愛がらないといけなくなり。使命感か出てくる。
だから、名前を付けていなかったたのだが。
「良かったじゃないか。私が名前を付けるより、良い名前を付けて貰って」
トーンを、落として。嫌味を言い。
「次、勝手な事をしたら。ヴァイツ達を、街に放つからな」
ヤリはしないが。ソレぐらいの怒りが湧いた。
リュウミーは、窪みに頭を入れて。擦り付けた。
その後は、マリアも、ビニガーも、謝罪をしに地下道を通ってきたが。
リュウミーに、ヴァイツ達が懐き。
私の代わりを、務めるようになった。
その御蔭で、自由に動けるのだが。
次に、商船を取り出して。ワインを手に入れた。
だが、東の鎖国された島国。ジポングの情報を得た。航海日誌様々だった。
私は、リュウミーの許可を得て。
私は、鍛冶師の勉強をしに、ジポングへ向かった。
扇状の出島に、着物の裾を捲り。褌を晒した。男達が、船から荷揚げを行っていた。
私は、鍛冶師を目指したのだが。
酒蔵で、お世話になっていた。
少し前に、5代目を失い。
それが、きっかけで。女将さんは、病に伏せ。
嫁と孫娘が、家を離れたらしい。
私は、どうしても、鉄仮面を作りたくて。
ジポングの技術が欲しかった。
ジポングは、日本に酷似していて。
着物や日本酒。お米など。私の知らない日本だった。
私は、酒蔵の住み込み募集に釣られて。
菊宗酒造の門をくぐった。