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地下通路

デナガリの町では、マドナグラの銀貨は使えて。

会話も、問題なかった。

意外にも、私は悪の存在らしい。


 私は、手を挟まれた。

 丸く。気持ち悪いほど窄んだ口から、手を抜き。

 ヨダレは付いてい無かったが。

 悪役認定された気分だ。


 発煙筒が効かないと分かると。空に向けて放ち。

 槍を持った、門兵が5人増えたが。

 付け焼き刃だ。

 犬死にでしか無い。


 狼は、素早く門兵の間をすり抜けて。

 私を優しく咥えて。連れ去ろうとした。


 この狼は、私が助けた奴だ。

 急性アルコール中毒だろうか。

 グロッキーたった。こいつの口から手を入れて。


 奥で、水魔法を使い。胃を、直接洗浄したのだ。

 吐瀉物と一緒に、私の左手を吐き出して。

 失礼な狼だ。元気に復活している。


 デナガリの港町から、少し離れて。

 門兵が、追いかけてきた。

 私は、狼の鼻を少し撫でて。

 『stay』と言った。


 狼は、私を吐き出して。地面に落とした。

 私は、ヨダレ臭かったが、元々が海の生物で、臭いのかもしれない。

 『House』と、森を指し。


 狼は、少し戸惑ったが。

 2回目の『House』で、森に逃げてくれて。

 私は、少し疲れて。その場で倒れた。


 先程の門兵が、私に近づき。

 重たい私を、担ぎ上げようとして。

 私は、甲殻類の様に。外側を固めて。中身をスカスカにした。


 クラゲの体は、ほぼ水で出来ていて。

 頭部までも、軽くしないと行けなかった。


 私も、女性の部分が残っている。

 重たいとは、言われたく無かったが。

 門兵は、汗をかきながら。必死に走っていた。 


 そして、私はデナガリの港町へ、簡単に入れた。

 門兵が、私を担いだまま。デナガリへ入り。

 急いで、教会の戸を叩いた。


 『ドン、ドン、ドン』


 「神父さん。起きて下さい。緊急です。女性が、レッド・バイツに、襲われました」


 「お願いです。起きて下さい」


 『ドン、ドン、ドン』


 近所迷惑だったが。私の為だった。

 教会の大きな扉の隙間から、光が漏れ始めて。

 神父が、近付いた事を教えてくれた。


 『ガッ、ゴン、コロンコロン』


 神父は、閂を外し。

 片方の扉を、少し開けた。

 私を担いだ門兵が。そのまま、中に押し入り。


 入口の広間に、優しく寝かし。

 私を、のぞき込んだ。

 

 「神父、急いでくれ。この女、軽すぎる。血や臓物を、吸い取られたかもしれない」


 門兵は、私を1Km以上担いで、走っている。

 私は、考えるべきだった。

 だが、今更でも有る。


 神父が、門兵を退かして。私に手をかざし。 


 「神様。この者の命を、お救い下さい」


 神父の手が光を放った。と、思ったら。

 ピンク色の魔法陣が現れて、光の玉に変わった。

 それが、私の体内に入ると。

 

 微妙に、回復し。熊より少ない。

 だが、『回復魔法(小)』を、手に入れた。


 神父は、中々起き上がらない私に。

 何度も、回復魔法を掛けてきた。


 私は、3回目の回復魔法で起き上がり。


 「有難うございます。ここは、どこですか」

 お得意の。大根演技を披露した。


 「真理子さん。神父さんに、マドナグラ銀貨を2枚、差し上げて下さい」


 門兵の言う通り。マドナグラの銀貨は使えるようだ。


 私は、袋から2枚の銀貨を取り出して。

 神父の手に、乗せた。


 だが、1枚はマドナグラの記念の銀貨で。

 サイズも厚さも違った。


 「真理子さん。この銀貨は、バヤナルトの侯爵夫人が集めていて。バヤナルトの街での、両替をお勧めします」


 私は、プレミア銀貨を仕舞い。普通の銀貨と交換をした。


 デナガリの町を、堪能して。

 平和で、活気に溢れた町だと知った。


 港では、水夫が汗を流し。

 市場では、フクヨカなお母さんが、笑顔で話しかけて来て。

 傍らで、子供達を、数人の母親が見守っている。


 商人が、ゆっくり馬車を歩かせて。

 貴族の姿は無く。

 スラムと娼館が、一部有るだけたった。

 主に、水夫の宿が並ぶ場所だ。


 私は、お肉を大量に購入して。銀貨を減らした。

 狼へのお土産だ。

 デナガリの町に、入る事も出来たのも。

 銀貨2枚で、回復魔法を得られたのも。

 狼のお陰だ。


 私は、お土産を持参して。最初の草原へ戻った。

 狼達は、草原で私の帰りを待っていた。

 少なくとも。一頭は、私のワインを待っていた。 


 しかし、このメスの狼は。

 デナガリで購入したワインを、口にせず。

 オーレイローラ号の熟成ワインを、強請ってくる。


 狼達を、もう一度酔わせて。

 私は、バヤナルトへと向かった。


 バヤナルトの街は、商人達の出入りが激しく。

 私は、近くの森の中へ。降りた。


 そこは、猿達のテリトリーで。

 直ぐに、集団で襲われた。


 茶色の猿で。名は、バヤナルト・エイプス。

 大きなヤツでも、私と大差は無い。

 私は、水圧斬を使い。

 不幸な猿を、沢山作った。


 最初は、通過するだけで。攻撃する気は無かったのたが。

 服をボロボロにされて、魔法を試した。

 即死を逃したら。死を待つだけで。

 トドメを、刺そうとは思わず。

 街に向けて。直進をした。


 『ツイン・ドラゴン』水魔法の最大の技を使ってみた。

 

 直系15m程の青い魔法陣が現れて。

 シー・サーペントに似たドラゴンが、2頭顔を出した。


 私のように、ゲル状のドラゴンで。

 螺旋状に、絡まりながら。5Km程進み。

 地面も、抉れていた。

 暗かった森に、光が差した。


 道やトンネルを掘るのに、使えそうだが。

 環境に悪いし。

 人に使っては、いけない魔法だった。

 

 私は、逃げ遅れた猿を、覗き込み。

 回復魔法を、かけてみた。

 切断された箇所の、治癒も出来ず。

 再生など、論外だった。


 私は、直進している、つもりなのだが。

 付いた先は、芝生が綺麗に刈られた。

 広い草原だった。 


 そこに、小さな家がポツンと佇んでいた。

 鑑定すると、魔除けの封印がされていたのだが。

 猿が入れない封印で。私は、簡単に突破出来た。


 例の如く。井戸が2つ有り。

 1つは、水が入っていて。

 もう一つは、縄梯子が降りていた。


 私は、井戸に降りて。

 バヤナルトの城まで続く、一本道と確信して。

 途中に、いくつかの休憩所が有り。

 道は、折れていて、先は分からなかった。


 休憩所の中は、30床のベッドと。船と同じ、腐らない倉庫と。武器が置かれていた。

 壁や床は、血が付着していて。拭き取られて無かった。


 それが、8つも続き。

 静かに進んでいると。人に遭遇した。


 「初めまして。私の名は、真理子と言います。ここは、バヤナルト城の地下で宜しいですか」


 椅子に座っていた、年配の男は。飛び上がり。

 例の如く。玉に触れて。赤く、点滅させた。


 ゾロゾロと、地下に人が集まり。

 私は、人が酸欠する前に、捕まった。

私は、魔法が封印された。取調室に連行されて。

女性としての人権も無く。

「猿どもを、倒した」と、言っても。信用されず。

最後は、服を脱がされ。

私は、取調室で、ヌードとなった。

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