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赤い粉塵の輪舞曲

血と粉末が、封印の中を狂わせた。

体を、拭うものを求め、血吹雪が舞う。

蘇生も行われたが、生き地獄だった。



 私は、鬼灯のような小さな実を、パウダーのように細かく裁断し。

 空樽に溜めながら、アイテムボックスに保管していく。


 私は、少し前にジポンクから到着した、黒牛を迎えに、デナガリ巷へ行き。

 ジポンクからの荷物に、唐辛子を見つけ。

 種を取り出し。果樹園に植えた。


 しばらくすると、私は品種改良始めて。ブート・ジョロキアやキャロライナ・リーパーに触れる事は、非常に危険なので。

 私は、無人島に畑を作り。移植して。管理をし。加工まで行った。



 バーチは、隣国のナッチミノー国から2万の兵を引き連れて。

 バヤナルトへ進軍を開始した。


 今回は、フロマーギ平原で合戦となった。

 蜘蛛と狼と猿に負けたと言い張り。

 進軍を止め。有利な陣形を張り。待ち構えている。


 ナッチミノー国からの2万の兵は。グルドリアの兵と合わせて、3万を越え。

 2000人程の隊列で攻勢され。20に満たない、大連隊が出来上がっている。


 私は、味方もおらず。小狼達の訓練になると思ったが。

 人の味を覚えたら困るので、一人で戦う事にした。


 総大将は、ナーズマン提督で。バーチが横で控えている。


 私的には、渓谷を抜ける峠道が良かったのだが。


 都合の良い道はなく。

 国境の為に置かれた砦の前で、一人待機している。


「バーチ。ここより先は、グルドリアの領地だと知っているよな」 


「もとより、私が生まれ育った国だ、忘れるわけ無かろう。化け物退治をするには、良い場所だ」


「ダイヤモンドに目がくらんだ、無能が吠えるな。サルにも、オオカミにも劣る者共が。引き返すなら、今だぞ」


「この兵を見て。引かないのか、化け物は」


 ナーズマン提督は、固唾を呑み。真っ白いフルプレートの戦士の姿を、遠くから見ている。


 「問題ありません。化け物と言えど、所詮は一匹。数で押せば、一瞬で片が付きます」


 バーチは、ナーズマン提督を説得するように、自分にも言い聞かせる。


「最初に、弓隊。続いて、魔法使いの順に、攻撃を開始」


 バーチの合図で戦闘が始まった。


 雨のように降り注ぐ矢は、山なりに放たれ。ギリギリ届く距離だ。

 魔法使いは、色々な魔法を私に教えてくれる。黄色に、赤、青。黒や白い魔法陣も出たが。殆んどが初級クラスで、中級の魔法は、少なく。大魔法や極は、出て来なかった。


 私は、魔法を大量に取り込み。

 ダメージも、すぐに回復する程度の物しか受けなかった。


 様子を伺うように、200人の兵が突撃してきたが。

 『水圧斬』の一撃で、半分以上が再起不能の肉塊に変わり果て。残りは、クルウジーの餌食となった。

 それは、僅か数秒の事で、開いた口が塞がらない。


「これで分かっただろ、引き返すなら今だぞ。無駄死にする気か」


「問題ない。アレの首を取ったら、バヤナルトの領主に取り立ててやるぞ」


『『『オー』』』


 バーチが、心にもないことを事を言ったが。指揮は上がって。津波のように、無数の兵が私に押し寄せる。


 「無駄な事を」


 私は、約5000の兵単位で、封印の中に閉じ込めた。

 赤い粉末の入った樽を、いくつも並べて。つむじ風を起こした。


 つむじ風は、樽を直撃して。横転させたかと思うと、蓋が開き。中身が中に舞った。


 何日も行進をして、風呂にも行水もせず、タオルで汗を脱ぐうことしか出来なかった体に、カプサイシンパウダーが、へばり付いた。


 口は、水を欲し。目は開かず。涙や汗が、体の水分を絞り出す。

 水魔法使いは、魔力が枯渇しても追い回され。

 騎士は、傭兵の首を切り。血しぶきで顔を拭った。

 魔法使いは、少ない魔力を使い。封印の壁を破ろうと試みたが。

 私の魔力量に敵うわけも無く、沢山の魔法を私に見せてくれた。


 この戦争で得たものもあった。


 回復魔法中に、蘇生の魔法。

 それと、32000人分の死体だ。これは、蜘蛛の餌になる。


 ナーズマンの首はハネて。

 バーチは、バヤナルトへ持ち帰り。地下牢で、オリスのペットに戻った。


 私は、山に入り。蜘蛛たちに、赤く染まった肉塊を与えてみた。


 蜘蛛たちは、抵抗無くカプサイシンを取り入れてくれた。

 そればかりか、薄いピンクの桜色した卵を産み落とし。桜色の鎧を作ることができる。


 もう一つ、やり残しを片付けるために、船の墓場へと潜った。


 赤く点滅を繰り返す、救難信号の玉を7つ集めて。海底に作った、ミステリーサークルの中央に配置した。


 別に、オスを求めた訳でもなく。雷の魔法を手に入れたから、トラップを仕掛け。餌にかかるまで放置した。


 私は、隣国ナッチミノーへと出向き。鬱憤を晴らすかのように、都市を半壊させた。

 城を残し、全てを瓦礫に変えるつもりだったが。

 アメリアと四人の仲間が現れた。


 皆、カラフルな特攻服を着て。独特なヤンキーバイクと、フルスモークの車高短で、戦隊モノになりきっている。

 

 最後は、巨大ロボまで現れて、撤退せざるを得ない状況を作られて。

 半壊の爪痕だけ残し。グルドリアへ戻った。


 バヤナルトへ戻ってからも、仕事は山積みで。

 ナーズマンを慕う貴族共の排除と、王族側に付いた統治者との縁談を決めねばならなかった。


 コレは、途中から飽きて。ナフットゥが、ノリノリで、縁談を決めていたことも有り、丸投げした。

 ナフットゥは、お見合いオバさんのように、縁談を仕切り。

 僅か半年で、26組の貴族の縁談をまとめた。



 私は、次の仕事へと向かっていた。


 コレは、ビニガーの頼みであり。マリアが望んだものであった。

 マリアの姿になり、結婚式の絵画から、マリアの若かりし時の姿に戻した。


 ビニガーは、歓喜のあまり膝を付き涙を流した。


「これで、良いんだな。ビニガー」


「はい。マドナグラの復建を、宜しくお願いします」


「バヤナルトとカノタマー領の統治を頼む」


 私は、冒険者のマリーンを名乗り、マドナグラ雪の舟に乗っている。


 1日に、数回体を布で包み。

 たらいに跨り、前もって準備していた、色々な動物たちの臓物を入れて、近くの窓から海に落とした。


 ここでは、行商人を演じなくてはならない。

 マリアの身長や細い体に合わせて、荷車も小さいのを選び。

 ワイン樽を、3つしか載せていない。

 割と穏やかな海だが、嵐の通り道でもある。


 若い女性の行商人、舐められるわけにはいかず。荷車からは、一切離れない。

 腰には、炎が出るナイフを装備した。


「私に、指一本でも触れたら。この船ごと燃やしますよ」


 商戦前に、小さな炎を空に向けて放ったら。船の中では大人しくなったが。下船したら、争奪戦になるかも知れない。

読んでいただき、有難うございます。

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