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戦利品

私は、船から戦利品を回収して。

航海日誌を読み。マリアに興味を示した。

マリア・マドナグラ姫のその後。



 私は、擬人化の技術で、船内を散策する事が出来て。目に映るものは、鑑定をして。

 アイテムボックスに収納した。


 大きな音を立てて。横に倒れたのに。

 高価そうな壺や食器は、倒れること無く。

 固定されていて。

 私の為に、残っていてくれた。


 倉庫は、小麦やワイン樽。水に野菜。大砲と砲弾。次々と整理しながら収納して。

 徐々に、船がハリボテに変わって行った。


 地面に横たわった方に、大穴が空いていて。

 浸水が原因だと分かった。


 夜明けから、調べ物を始めだが。

 辺りは真っ暗になっていた。


 船長が残した、航海日誌だ。

 文字を読み解く事ができ。

 読み耽けていた。


 この船は、マドナグラ王国の船で。

 海賊と戦ったり。外交に使われたり。貿易にも使われたりしていて。

 最後の航海は、貿易で嵐に遭い。海の藻屑と化した。


 私が、気になったのは、マドナグラの最後の姫の物語だ。


 マドナグラ王国は、他国に攻められて。

 国じたいが無くなっている。


 貿易先で、王様が討たれたと知り。

 急いで、船を出して。帰国の途中で、沈没をしている。


 私が今いる場所が、バヤナルト侯爵領なら。

 最後の姫は、この土地にいるか。

 子孫が残っているのか。

 この土地も、他国に取られて、名を変えたか。


 私のアイテムボックスには、数千枚のマドナグラ金貨と銀貨。宝飾品も、船長室の隠し扉から出て来た。


 私のオートマップは、隠し扉も部屋も表示され。

 常時、見ている背景の右下に、丸いマップが現れている。


 マドナグラ王国の姫は、バヤナルト侯爵に嫁ぎ。

 どうしているのかが、気になった。


 私は、キッチンの食料とワインを、平原の隅に並べて。

 動物達が食べるのか。安全なのかを確認をした。


 私よりも、大きな狼が現れた。

 狼達は、私が準備した肉やワインを堪能して。

 数頭の狼が、スリ寄り。匂いを嗅ぎ。

 頭を擦り付け。催促をしている。


 私は、魚とワインを追加し。

 一頭のメスだけが、ワインを催促した。


 別な方向からは、狼の倍はある熊が現れ。

 狼と同様に、肉とワインを堪能していた。


 狼達は、唸り声を出し。熊に敵意を見せたが。

 3頭は、酔い潰れていた。


 私は、酔い潰れていた3頭を、船に上げて。

 熊の様子を見た。


 熊も、狼と同様に。私の匂いを嗅ぎ。

 攻撃を、開始した。


 頭を、かじりに来たので。

 頭は避けて。肩で我慢をしてもらった。

 だが、熊も獣臭かった。


 失礼。この顔は、擬人化であり。鼻が無いからと言って。嗅覚が、無い訳では無い。

 ご清聴有難うございました。


 ドラゴンの鱗は、熊の牙を通さず。ヨダレだけを、私に付けた。 


 私は、陸上での能力テストを行った。

 最初に、ドラゴンの鱗を解除すると。同時に、気圧に耐えきれず。立つことも、ままならないが。


 熊の牙もメリ込み。皮膚を簡単に突き破った。

 私の麻痺性の毒が、熊の全身に廻り。

 赤茶の熊は、紫とピンクに変色した。


 私は、限界を迎えて。ドラゴンの鱗を戻し。

 熊を、左手で捕食した。

 背景の赤い点滅は消えて。WARNINGの文字も同時に消えた。

 熊一頭で。体力ゲージは、少し回復した。


 この間は、一分もかかっていない。

 次に、砲弾投げだ。穴のない、ボーリングの玉を、熊に向かって投げた。


 最初は、右肩から飛び散って。

 次の熊は、四足歩行だったので、左足を失った。

 最後は、両手を上げて。威嚇をしたので。狙いやすく。お腹を打ち抜けた。


 私が、ノーコンでないのか。補正が入っているのか。分からないが。最初の頭を狙ったヤツ以外は、狙い道理に当たった。


 両手を触手にして。熊に向けて放ち。完食した。

 ゲージも、8割ほど回復して。

 狼は、私と距離を保った。


 私は、熊で魔法の実験をしとけば良かったと。後悔をして。

 オーレイローラ号の船首を、落とすのに魔法を使った。


 『水圧斬』なのかな。圧縮した水が、三日月型になり。

 私が、投げた砲弾より。早く飛んで。

 船の竜骨を、一撃で切り落とした。


 私は、次弾を構えていて。

 船首を落としてしまった。 

 しかし、船首にも、魔法がかけられていて。

 傷ついていなかった。

 私は、近くの大木を2.3本抜き。

 船の道具で、火を起こして。航海日誌を読み続けて。夜明け前になっていた。


 適当な、服をチョイスして。

 体を、綺麗に覆い。

 頭は、包帯を巻いた。


 航海日誌を、読む事は出来た。

 次は、会話だ。先程見えた小さな町は。

 デナガリと言う、港町で。貿易を中心に。

 商人たちが、足繁く集まる港町だ。


 この時点で、死神との約束を忘れていた。

 好奇心が勝り、熊を捻り潰す実力を持っている。

 違う。実際、ドラゴンを倒している。


 私は、近くまで飛び。風圧で包帯や服が伸び。

 隙間が生まれた。

 一度、服を正して。デナガリ港へ向かった。


 町に近づくにつれて、心臓が高鳴り。

 体内の発光は、とどまる事を知らなかった。


 町は、高い塀に囲まれていて。

 入口には、門兵が立っていた。


 「おはようございます。こんな、朝早くから。どうされましたか」


 門兵が、先に声を掛けてきた。


 「今、旅の途中で。大きな犬に襲われまして。旅の仲間が、犠牲になり。手持ちが、これしか無いのですが。この町で使えますか」


 怪しい言い訳だった。

 襲われた割には、元気で。服も乱れていない。仲間が犠牲に。怪しすぎた。


 それでも、腰の袋に手を伸ばして。

 マドナグラの銀貨の袋を手に乗せ。

 左手で、銀貨を数枚取り出して。そのまま広げた。


 「マドナグラの銀貨ですね。それも、こんなに沢山。デナガリの町なら、使えますよ。1.5倍の価値で宜しければ、両替は、可能です」


 門兵は、グルドリア国の通貨を見せて。

 グルドリアの銀貨は、少し小さく。

 通貨の価値が、異なっていた。


 「私は、これしか持ち合わせて、いませんので。増える事は助かります。私の名は、真理子と言い。異国の者です。宗教上の理由で、肌を晒すことが禁じられております。ご了承ください」


 真理子は、また苦しい言い訳を重ねた。


 「こちらは、問題有りません。嘘つきの顔で、犯罪者か善人かを判断致します。簡単です。口に、手を入れるだけです。犯罪者なら、重しが発動して。手首から先を、失うだけです」


 私は、心臓の鼓動は高鳴り。

 発光する体は、常時、光っている感じだった。

 私は、逃げる訳にも行かず。

 口の中に手を入れた。


 勿論、発動しましたとも。化け物ですから。

 しかし、運が味方したのか。勇者属性なのか。

 狼が、私の後を追って来ていた。


 門兵は、私では無く。狼を見ていた。

 船と同じ玉触れて。赤く点滅させた。

 アレは、救難信号だった。


 門兵は、竹の水鉄砲みたいな物で、狼に攻撃を仕掛けた。

 竹筒の先から、火の玉が出た。

 映画で見る。打ち明け式の発煙筒のように、スピードを感じなかった。


 狼の毛には、発煙筒は効かず。



 「チッ。レッド・バイツめ」

デナガリの町で、私は回復魔法を手にした。

バヤナルト侯爵夫人の話を聞き。

旧姓マリア・マドナグラだと知った。

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