バーチの進軍。
勇者アーサーが、現れた。
胸当てに、イギリスの国旗を誂えて。
魔剣クルウジーを握っている。
「バーチ様。本当に化け物は、存在するのだな」
胸当てに、イギリスの国旗があしらわれている。
勇者アーサーと名乗り。魔剣を所持している。
転生の前に、エクスカリバーも、選択できたが。
当たらなければ意味を持たない。持論を発して。
音速剣、『魔剣クルウジー』を手にした。
「あぁ。化け物だ。その点は、問題ないが。本当に討伐できるのだな。アーサー殿」
バーチは、転生者を仲間に加えていた。
「前金で、金貨を100枚頂いたのだから。どんな奴でも、討伐してやる。大船に乗ったつもりでいろ、バーチ様」
アーサーは、カノタマーの城で。客人扱いを受け。侍女達と、楽しんでいる。
「相手は、ベヒーモスを討伐した相手だぞ。勝てるのか。いや、腕を疑っているわけではない」
バーチは、アーサーの自信家な所が、気に入らなかった。腕は買っている。
目に見えぬ速さで、獲物を狩るのだ。
それこそ、飛び立つ鳥さえも、仕留めてしまっては。何も言えなかった。あの時は、感動した。
「良かろう。苦戦を演じて、追加料金をせしめるとしようかな」
アーサーは、自惚れが酷かった。
敗北は、無い。認めない。
ほぼ、必殺の一撃で仕留めたのだから。
仕留められなかったのは、赤鬼だけだ。
赤鬼の時に、二人討伐したが。黒に変わり。
音速剣を避けられて、反撃され。逃げ出した。
「金なら、なんとかなる。バヤナルトを落とせば、金貨100枚など、造作もない。真理子・バヤナルトさえ、始末したら。丸く収まる」
ブルーダイヤモンドと温泉が、手には入れさえすれば。金貨など。
それに、あのダイヤモンドのチョカーと、首にかかった大きなダイヤモンドさえ有れば。内戦の戦費など、直ぐにお釣りは来る。
バーチは、軍備を急がせて。カノタマーの馬車で、バヤナルトへ向けて進軍した。
8000の兵と500傭兵で出発して。
大砲まで持ち出している。
途中でも、傭兵を雇い。更に、兵を増やした。
バーチは、知らなかっただけだった。
バヤナルトは、5000の兵を出して。別荘を築いたことは、知っているが。
私が、猿共を駆逐した事を知らない。
身重の狼がいても。彼らは、足手まといにも、ならないだろう。
問題は、何処から来るがだが。
地下を通っては来ないだろうから。
古い道を使うのだろう。
今は、獣道だが。かつては。大きな道が通っていた。
商人たちも通い。直接、別荘に物資を運んでいたのだが。
猿どもが増え。人を襲い。
今は、日光も刺さないほど、木々が生い茂っている。
私は、古い道を整備して。入って来やすいように整えた。
狼の小屋を、デナガリに移動させて。
デナガリの住人の警備に当てた。
私は、森の入口から、サーシャとミランダの2頭と一緒に。バーチの兵と戦った。
違う。逃げながら、迎え撃った。
私と狼がいる事により。猿の攻撃を防いだのだ。
進軍と後退を繰り返し。三日間、続けて。
四日目に、別荘を明け渡した。
ミランダとサーシャを、小舟に乗せて。
デナガリに降ろして。皆に、海に入るよう命じた。
私は、蜘蛛対策として。森とバヤナルトの街の木々を、倒木して。火を着けた。
見渡す限りの森だが。私の植物魔法で、3年も有れば、復元できると思っている。
あの蜘蛛は、光を嫌うが。松明の炎も嫌っていた。
だから、私達は襲われなかったのだ。
帰りの明かりとして、松明を燃やしたのが功を奏した。
皆が、無事に帰れたのは。炎のおかげだった。
森の周りを、火事にして。蜘蛛を、閉じ込めた。
猿は、反対の森の奥で。ひっそりと、佇んでいる。
私は、最初のダイヤモンド鉱山の入口に、私達が倒した100人程の遺体を並べて。誘導を促した。
「ポゥ、ギャ。ぷぁ」
変な猿真似をして、蜘蛛を呼んだ。
蜘蛛は、お腹を空かせているみたいで。直ぐに反応してくれた。
10000近い兵を、襲い。音や匂いに釣られて。
逃げ惑う兵を、食しては。食い散らかし。
少しの物音がしたら、集団で襲い。
戦争をしに来た兵は、金属音を奏でて。自分の位置を、教えている。
私は、戦況を空から見ていたのだが。
バヤナルトの城から、発煙筒が上がった。
よく見ると、赤く点滅する場所がチラチラと見える。
私は、山火事を見捨て。バヤナルトの城へ向かった。
バヤナルトの地下の入口は、水で満たしていて使えない。
森からも、火事で通過出来ないはずだが。
小さな蜘蛛の抜け道が、有ったのか。確認しに、城へ向かった。
蜘蛛たちでは無く。兵だ。
別動隊が、城に侵入している。
戦闘の経験は、少し有ったが。
戦争の経験は、無い私は不意を突かれた。
「何故、城を落とす必要がある。ダイヤモンド鉱山と、私を取れば。事は足りるだろ。無駄な事を」
私は、回復魔法を傷ついた、兵や侍女達にかけて。
襲撃した兵を。城で斬り殺しては、アイテムボックスに収納した。
「なるほど、確かに化け物だ」
私は、その言葉に誘われて。振り向き。アーサーを、目で捕らえたが。直ぐに消えた。
私は、理解が出来なかった。
白い玉鋼を使い。薄く伸ばしたとはいえ。
自慢のスケキヨマスクが、破壊され。
首が、落とされた。
頭部は、ドラゴンの鱗が解除されて。
一瞬で、水に変わった。
私は、予備のアヌビスのマスクで、新しい頭部を隠した。
「お前は、何をした。『魔剣クルウジー』の刃が、凹んでいるぞ。化け物」
アーサーは、クルウジーの刃を指てなぞり。
両刃の剣を、握り返した。
私は、大盾を取り出して。アーサーの攻撃を防ごうとした。
「何が起きた。何故そうなった」
私は、大盾を両手で握った。
「無駄だ。私のクルウジーは、無敵なのだよ。死ね、化け物」
アーサーは、身を低く構えて。脇よりも低い位置で水平にクルウジーを握っている。
「ソニック」
アーサーが、目の前から消えて。
早急と同じように、目の前に現れ。盾から衝撃が伝わり。微かに遅れて、衝撃波が私を襲った。
アーサーは、音速を超えている。
「何だ、その盾は。クルウジーの刃が、欠けたぞ。これは、金貨100枚では当たらないぞ。金貨500枚は、追加でもらわないと」
アーサーは、私に勝つ気らしい。
何が、起きているのか理解できてないが。
アーサーの剣では、白い盾は無傷だ。
いや、指でなぞると。微かに凹んでいるぞ。
スケキヨマスクとは違い。
大盾は、白い玉鋼を大量に混ぜて。
5倍は、厚く作っている。負ける気はしなかった。
この後、真理子は死神のゲームに、参加するのだが。
死神からは、ヒントを得て。強化され。
クルウジーを手にする。
5万字まで、あと少しですが。
次のフェーズへと進んだ。
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