温泉
バヤナルトに戻った真理子は、蜘蛛を探して。
山に向かい。蜘蛛との戦いを何とか制した。
私は、別荘に戻り。果樹園を拡張した。
しばらくすると、黒毛の牛がジポングから船で来る予定だ。
私は、早速。ハッピービーの巣を、補強するロープに。薔薇の弦を絡ませて。植物魔法を掛けた。
薔薇は、ロープに絡まりながら広がり。
海賊船が、派手になった。
働き蜂は、普通のサイズで。
女王の産む量が、凄くて。花壇が間に合ってなかった。
植物魔法は、渡りに船だった。
私は、鬼やヤンキーも気になったが。
バヤナルトの住人が言う。蜘蛛を探していた。
サイズは、手の平サイズで。真っ白で、気持ち悪いらしい。
私は、森を諦めて。草木の生えない山へと向かって。
当たりを引いた。洞窟の中にいた。
私が、洞窟に入ると。まず、苔に襲われた。
苔は、幻覚を見せる胞子を撒き。
私を、苗床にしようとした。
私は、床に転がりながら。出口を目指した。
入口を入って、直ぐの事で。
私は、幻覚と戦いながら。外へ出た。
全く。私が、洞窟でクラゲになったら、洞窟は崩れるぞ。分かっているのか。
私は、冷静さと。幻覚作用無効(小)を手に入れて。洞穴へ挑んだ。
壁の苔を、水魔法で落としながら。
下ってゆく洞窟を、掃除した。
そして、皆が言う蜘蛛と遭遇した。
気が付くと、囲まれていて。一斉に襲われた。
180cmの体が。蜘蛛に覆われて。
少し動くだけでも。蜘蛛を踏んづけて。潰した。
私を食べようと。小さな牙を当てて来た。
蜘蛛の牙では、鱗を貫通することは出来ず。
私を、糸で縛ることもなく。餌でしか無かった。
私は、害獣で有り。駆除の対象でしか無い。
私が、鑑定すると。
『ダイヤモンド・イーター』
一番上に表示されて。
次に、猛毒(中)が、目に入ったので。
見るのを辞めて、アイテムボックスから棍棒を取り出し。
油を垂らして、石で火を落とした。
蜘蛛は、散り散りに逃げ。壁では、炎の光をダイヤモンドが反射している。
私は、好奇心にかられて。
私が、足で潰した蜘蛛に触れ。
蜘蛛の血を、体内に取り込んだ。
私は、その場で倒れた。
松明を落とし。鱗の隙間から、ダラダラと水分が漏れ始め。
『DANGER』の文字が久しぶりに現れ。
赤い点滅は激しくなり。
『ビー。ビー』と、耳鳴りが始まった。
体力ゲージは、恐ろしく減り始めて。
全身で呼吸をしながら。回復魔法を、何度も掛けた。
この時ほど、無詠唱で良かったと、思ったことは無かった。
松明の灯りが消えると。蜘蛛が群がり。
私の体を埋め尽くし。私は、手を伸ばして。
ボアや鹿の肉を、アイテムボックスから取り出した。
蜘蛛は、死臭を放つ肉に惹かれて。
私の体から離れた。
その隙に、触手を洞窟の入口に伸ばして。
体の水分を、入口に移動をさせた。
触手の先が、少しずつ膨れると。更に伸ばして。
十数時間をかけて。外に出る事ができた。
危険を発する警告は無くなり。
代わりに、猛毒(中)を手にした。
私は、1日休みを取り。
再度、洞窟を探検した。
私は、猿に私の麻痺毒を与えて。
ピンクの猿を、大量に作った。
リベンジだ。
蜘蛛に、ピンクの猿を与えると。
蜘蛛は、ひっくり返り。紫に変色した。
私は、空になったワイン樽に、紫の蜘蛛を入れて。
アイテムボックスに、毒蜘蛛を入れた樽が。8本も入っている。
私は、硫黄の匂いにつられながら、洞窟の奥に進み。
温泉の源泉を見つけたのだが。
途中で、蜘蛛を殺した事に後悔をして。
あまり喜べなかった。
見付けたのは、蜘蛛の卵だった。
殻は、非常に硬く。私の鱗を貫通した。
「痛い」
薄い殻のギザギザは鋭利で。
痛みを覚え。急いで回復魔法を使った。
蜘蛛に、明確な名前は無く。
仮に、ダイヤモンド・イーターとして。
説明には、繁殖時にオスは、メスの栄養になり。
メスは、洞窟から出て。色々な物を食し。
最後に、ダイヤモンドを食べて。
硬い糸を、お尻から出して。自らを覆い。
それが、卵の殻となった。
メスもまた、子供に自らを与えて。
メスの体液で、殻が柔らかくなり。孵化する。
大量の殻を手に入れたが。
生産する、蜘蛛を失っていた。
私は、蜘蛛の体液を使い。
殻と鉄に、熱を加えて。何度も折り重ねた。
白い魂鋼を作り。
2mの大盾と、2本のトンファーを作り上げた。
鬼との敗北が無ければ、トンファーは作って無かったと思う。
私は、私を倒せる武器を作り上げた。
「無い物は、無い」
私は、自分に言い聞かせて。
マリアの所へ行き。土魔法の使い手を紹介してもらった。
「マリア様、あの山で蜘蛛を見つけて。駆逐したのだけど、別な問題が発生したの」
私は、蜘蛛を駆逐したと報告して。殻の事は、話さなかった。
「えっ。蜘蛛を退治したの。無数に居たはずよ。本当に退治したの」
マリアは、私を疑い。戸惑いながらも。笑みが溢れている。
「巣を、潰したから。問題ないはずよ。それでね。ダイヤモンドと温泉が出たのだけど」
私は、問題の方を優先させた。
「まぁ。温泉なんて、素敵ね。娯楽施設を作らなきゃ。これから、忙しくなるわね」
マリアの頭の中は、貴族の保養所を作ろうとしていた。
「違う。違う。バヤナルトの住人の為に使いたいの。安く、誰でも通えるように、大衆浴場を作りたいの」
大衆浴場の費用は、ダイヤモンドで出すと言い。
「何で。ホテルを沢山建てて。娼館を作って。あと、あと。別荘を誘致して」
マリアの考えを話した。
「それで、今の住人は、追い出すの。人身売買や人をモノ扱いする人々で溢れて。街の外に追い出すの。スラムを作り。不幸な子供で、バヤナルトの街を壊すの」
私は、この街が好きになっていた。マリアを、慕ってくれる、バヤナルトの住人が好きだ。マリアの為に、警備する兵隊が好きだ。
だからこそ、住人の為の大衆浴場なのだ。
その後も、ビニガーにも説得され。
代案として、森を開拓する事も検討されたが。
湯量の問題も有るので、却下した。
バヤナルトの街。3箇所に、大衆浴場を作り。
空き家を、買い取り。公衆トイレも増やし。
糞尿を、回収する馬車を減らし。
回収する曜日を決めた。
『女性を、温泉に行かさない男はクズだ』
『女性の肌に、温泉が必要だ。聞いたかクズ』
『清潔さを保て。臭いぞ警備兵』
2箇所は、東と西に作り。一箇所は、警備兵の宿舎の前に、建てた。
バヤナルトの住人に、疲れを取って欲しかった。
清潔を保ち。街も綺麗にしたかった。
真理子は、最初の草原に向かった。
マイクとピーターとボブを、連れ出し。
森から、ベヒーモスを引っ張り出してきた。
私は、立派な毛並みに。………




