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第一話 怪鳥が来た!

数年ぶりの投稿になります。

みじめなオッサンのお話ですw

あの偉大な名作漫画のパロディ的な内容です。


数話で終える予定ですので

よろしくお付き合いお願いします。

 


 いきなりだ。まぁ最初で最期にはちがいない。


 ある夜中の出来事。

 世の中は物価高やらよその国での戦争やら紛争やらで結構騒がしい。

 ・・まぁ、この日本でしかもオレみたいにショボいやつには関係ない。


 しかし、そんなオレにもキタね。

 ベッドの中ででようやく寝つけると思ったら・・こんな時間だぞ?


 ガッシャー・・ドッカー!


 爆音かと思った。あ~・・なんだ?所詮よその国の揉め事だと思っていたが、とうとうこの東の方のこのちっぽけな国にも飛び火してきたのか?


 それとも例の隣国の超ボンビー国家がとち狂ってとうとうご自慢のポンコツミサイルをこの辺に打ちこんできたのか?


 しかしその建物を破壊し、窓ガラスを突き破って侵入してきたのはミサイルではなかった。


 だからといって異世界から突然降ってきたやけに巨乳で童顔で胸の谷間と太ももの露出度の高いコスチューム美少女戦士でもなかった。


 ・・あぁ・・残念・・


 最初は暗いし黒いしで分からなかったが・・


「かぁ~っ!!」


 とその巨体は鳴いた。こんな夜更けに!やけに耳とテンプルにつき刺さる。

 深夜国道を突っ走っている暴走族のニイチャンたちもここまでうるさくはないぞ?


 バサバサッ・・!


 その鳴き声、音を聞いてなんとなく理解した。そしてその正体を見る。

 ・・黒い・・鳥だ?


 ・・カラス?・・だ・・でけぇ~


 まぁ、そんな得体の知れないモノがいきなり目の前に現れたんだから・・オレはとっくに理性なんかぶっ飛んでワケのわからんことを叫ぶは泣くわ、やみくもに腕や足をばたつかせるわで・・狂乱てやつだな。もしくは防衛本能。そのでかい黒光りした口ばしで突き刺されるのはご免だ。


 同じ死ぬにしても痛いは苦しいわは絶対にいやだ。オレの今までの人生はそういう死に方を避けて生きてきたといっても過言ではない。


 しかしそいつはオレを突き刺そうとか食ってしまおうとかそういうことで現れたワケではないらしい。その場に佇みその鋭い眼光でオレの事を観察するかのように眺めている。・・ように見える。


 ウマそうじゃないのはいくら得体の知れない化け物でもこのオレのナリを見れば理解するのは容易(たやすい)いんじゃないのか?

 だったら早く目の前から消えてくれ。オレは自身を見失いながら怯えながらもその思いだけはヤツに強く念じた。


 しかし、意外なことが起こった。


「お迎えに上がりました我がご主人様。いえ、ワビル2世様」


 声だ。誰がしゃべった?オレの恐怖がいったん沈黙する。


 辺りを見回すと割と静寂していることに気づく。まぁもう少しすれば大騒ぎになるんだろうが?


 えっ?ということは今この目の前にいる巨大なカラスが喋ったのか?


 恐る恐るそのカラスと目を合わせる。


 そうであるとでも言いたげにカラスの両目が不気味に・・最近の車のLEDの黄色いウインカーの如く光った。


「さぁ、行きましょう。このモノ・・ルクルスのクチバシの中にお入りください」


 どうやらこの巨大なカラスが直接喋っているワケではないらしい。

「声」はこのオレの中で響いている。よく聞いてみると澄んだオンナの声だ。


(行くって・・どこへ)


 オレは自問自答するように自身の頭の中で呟いた。


「ご主人様。アナタはすばらしい能力の持ち主なのです。さぁ、ルクルスにお乗りください。我々の偉大なる創造主、ワビル様の神殿へお連れします」


「声」の主はどうやらオレの頭の中を見透かしているらしい?

 オレはさらに脳裏で呟いてみる。


(さっきからワビルってなんだ?オレは藤子不二雄の漫画じゃねぇ!それに日本人だぞ)


 しかしそんなオレの問にはお構いなしにその巨大なカラス・・ルクルスとやらが目の前に首を下げてクチバシを開いた。中がぽやんと光り、見るからに座り心地のよさそうな一人掛けのソファーのようなものがある。・・悪くない。そう思わせる魅力があった。


 オレは少し考えた。どうせ大したことのない人生。

 生涯独身。孤独。未練なんてこれっぽっちもない。

 こんなありもしないようなファンタジーが今オレの目の前にある。

 どうやら夢ではないことはたしかだ。

 さっきから外気の冷たい感触がオレの体全体を突き刺してくる。

 それにコイツ・・ルクルスの中は暖かそうだ。


 オレは腹をくくった。

 コイツラに身を委ねてみるのもいいだろう。


(え~い!どこへでも連れていってくれ!)


 オレはクチバシの中に飛び込んだ。


 思った通りだ。

 クチバシの中は心地のいい暖かさで冷えた体を癒してくれる。

 ソファーももちろん快適だ。


 クチバシが閉じた。

 不意に浮遊感。・・オレ今飛んでるのか?


「我が(あるじ)、ワビル2世様。これから数時間飛んでいただきます。どうぞごゆるりと・・」


 その声を聞いたとたん、オレは快適さとさっきのやり取りの疲れとですぐに眠りについた。


お付き合いいただきありがとうございました。


面白かったら

★★★くらいでいいのでw

評価の方もよろしくお願いします!

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