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 どれだけ時間が経ったのだろうか。

 顔が腫れ、意識が朦朧とする中で折原は思う。

 折原の首を掴んで、顔面を鉄板で敷かれているヘリポートに叩きつけた。抵抗しようにも骨折や脱臼による激痛が厳しく、関節が炎で貫かれて動けない。

 今さっきまで声が聞こえた金髪も、返事が無かった。

 ナメクジもさっき奴の火の玉が当たって放り投げた後に爆発した。

 私はどうなるのだろうか?

 仲間を殺された高階級の化け物。

 だが、このままでは終わって溜まるか!

 ポケットから取りだしたものを、首筋のブレスレットに突いた。

「片方は潰したぞ!」

 刺した亀裂からペブロの光は消えて黒っぽい灰色になり、右腕に着けられていたペブロのメダリア変換をしていないことを意味していた。首を掴んでいた右手の熱が冷えていき、少しだけ折原の痛みは軽減された。

 それは、快盗が十五年前に最後にあった時にくれた万能アーミーナイフだった。

「本当にめんどくさいな。死ねよ。」

 最後の突きが高く上がった。

 登。いつもいつもゴメンね。


「なんで、母さんをここまで虐め着けているんだぁぁぁ。」

 罠の中に避難していた登はたった数分で変わった惨状に。そして叩きつけられている実母の変わり果てた姿に、今まさにとどめを刺そうとしているあの黒装束への怒りがMAXになった。

「ふん。餓鬼は黙っていろ。」

 生身の人間が火の玉を直撃すると、天板に影が焼け残る程の高温で一瞬に焼死体に変わってしまう。折原以外全員が現にそうなってしまっている。白髪の隊長も例外でない。

 それをまともに受けてしまった。


「おいおい。冗談だろう?」

「興奮するね。凄く良い!!」

 笑いながら、一生は取れないと揶揄される手錠を人歴で丼が余裕で書き込めるぐらいまで鎖を引き延ばす怪力を見せた。


 それからの一方的だった。鬼の形相で、しかも何所か楽しげな無邪気な姿は見ているもの全員を震撼させた。

「これが、炎人……。」

 虫の息で金髪の武装警察官は呟いた。

「そうだ。これが炎人だ。」

 折原は血涙を流した。

『炎人』はメダリア階級に当てはめると最高である止級(軍隊で互角?)を遥かに超える。

 人間が自然発火するような案件が過去にあったらしいが、『炎人』はそれに似ている。メダリア測定器に反応せず、人間体内でメダリア反応を起こす怪奇現象だ。

 『炎人』とかした人間は思考の一切を無くし、本能のままに行動する。呼び方の呼称を発展途上の“猿人”と言葉遊びにかけているらしい。

一年半前の大事件はかなり極限まで追い詰められて怒り狂い、『炎人』と化した男子中学生の一件のみについて報告されている。この時、将来警察官志望の彼女が覚え立ての『空間捕縛術』を使い、彼氏の暴走を止めた。軍隊を倒せる程の力で会ったはずなのに。愛故だろうか。

その時の代償は空間を歪ませる程の炎人化の影響で彼の脳は耐えられず細胞が焼けきり、彼女はその見えない圧力に神経を圧迫され脳にダメージがおき二人とも互いの記憶を無くした。

それだけでない。止めようとした彼女は左腕の肘から先を失ってしまった。

その後、彼氏は半年実験施設に入っていたが、今では二人とも虚偽の記憶に移し替えられた上で高校に進学し、新生活を始めていることらしい。

 その二人が入学初日に会うとは運命だろうか。

 登が『炎人』と言うことは空本にとって、知る由もない国家機密だからだ。



「止めなさい。登!」

 血が目に入って見えない折原は雄叫びを上げる獣と化した我が息子に声を上げた。しかし、紅く燃え続ける瞳には声が届かなかった。

空本天筏の意識は白目をむいて、身体中の骨が複雑骨折していた。メダリアへ級がサンドバック状態という事実は脅威だった。

「こっちよ!獣さん!」

 間に穴から抜け出した快盗が滑り込み、自我を無くした登の誘導を行った。

 快盗は昔も今も獲物に縄を空間に広げ、腕や足の関節や肌に食い込ませていく。すべて力負けするか、かわされているが。

「くっ。」

 すぐ脇を通り過ぎていく。捕まれたり一度でも攻撃を受けたら即死だ。快盗スーツのオーバーアシスト機構はとっくの昔に限界値に達している。投げつける腕の感覚は無くなってきた。

このまま策無しはいけない。少し思いついた行動に移す。かなりの大技を決めるために。

快盗は足首に目がけて手錠を投げつけた。かわして上へジャンプする。

「よし。」

 空中では普通は身動きが取れない。しかし今の登なら余裕で交わせるだろう。これだとただ相手が上に

 だが、少しの行動を制限できただけが大きな救いだ。

 必殺技を決める。常人相手に武装していたとしても軽く百人の自由を奪った技。それをたった一人の行動を止めるために集約させる。

「必殺!ナモイ結び!登!止まれぇぇぇ。」

 次々と登の四肢に縄が絡まっていく。徐々にスピードが落ちていく。力を入れたくても入れれないようなツボ結びを何重にも掛けているためだ。



 結局、この言葉を公衆の面前で言う機会を失った。

「私が快盗answerだ!怪盗×の名前を受け継ぐ者。アポ無しで登場!そしてさらば!」

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