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第87話 協調性とか別に興味ないし



 このまま、視界をうめつくす人ごみにもまれながら、他の人達が見る所を同じように見ていくのはなんか嫌だったので、向かう場所は自然と静かな所になる。


 天空の大地ブルーフォールのはじっこ。

 廃墟マニアが喜びそうな朽ちた神殿が立っていたので、その内部にお邪魔しさせてもらった。


 ここにもそれなりの人はいるんだけど、他の場所ほどごったがえしてるわけじゃなかった。


 はーぁ。

 肩ぶつけないですむってすんごい気が楽。

 歩く度に体をぶつけそうな人ごみなんて、むしろ凶器だよね。


 広範囲分布型、流動性物質って感じ。


「ここはちょっと静かですね。上の方に行ってみますか?」

「まあ、せっかく来たんだし。昇ってみるのもいいんじゃない」


 ただ人にもまれに来ただけって言うのも嫌だしね。


 好奇心がうずくらしいシロナの言動に賛成する形で、朽ちた遺跡の中を移動していく。

 この場所にも様々な設定があるんだろう。


 他の観光客に聞いてみれば、分かるかもしれないけど、赤の他人に話しかけるなんて行動は、僕の選択肢にはない。

 

 こんな人が多いとこ、当分来ないだろうから、知らな良くても問題ないだろう。


 ぼろっちい階段を昇りながら数分かけて、遺跡の上部。てっぺん目指していく。


 一足先に前を歩いていたシロナが、遺跡の階段の終わりで感嘆の声をあげた。


「わぁ、凄いです!」


 どうやらそれなりの絶景だったらしい。


 苦労してきたかいがあれば良いけど、と思いながらシロナの背中を追いかける。



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