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第82話 ガールズトーク



「あー、今日はお仕事かなぁ。美味しい鍋の材料特集」

「何それ」


 攻略に一切関係のないテーマにしか聞こえないけど。

 気が抜けてんの皆。


 まあ、攻略に参加せず引きこもってばかりいる僕が言えた事じゃないけどさ。

 

 しかし、アリッサがそんな記事を書いているんだとしたら、もしかして例の奴……天空の大地の特集も彼女が書いたんだろうか。だからどうってわけでもないけど。


 視線の先にいる記者は、分かってないなぁという顔をしている。


「必要な事してるだけじゃ息が詰まっちゃうもんね。皆。気分転換が恋しいんだよ。海外旅行もいけない身ですのでー。他にも楽しい秘境巡り特集とかも読みたいってリクエストが来てるよ」

「アリッサさんのお仕事って、面白そうですね」

「興味ある? シロナっちなら大歓迎だよ」


 アリッサの記事ってリクエストされて書いてるんだ。

 ひょっとして結構人気あるのかな。


 まあ、人気があろうとなかろうと、僕にとってはどうでもいい事だけど。


 こっちは興味がないっていうのに、シロナが楽しそうにしてるからアリッサが調子にのって、聞いてもいない事をペラペラ喋っている。


「聞いて聞いて。最近、料理業界に革命が起きてね、新しい食材が手に入るようになったんだよー。どこでなのか分かる?」

「ええと、どこでしょう?」

「正解はー、天空のフィールド!」

「最近、話題になってる場所ですね」

「そうそう。それでねー。食材手に入ったらニルバっちにご馳走してみなーい?」


 女子が集まれば自然と賑やかになるってのは知ってたけどさ、ほんとそうだよね。


 どこから見つけてくるのって思うくらい、お喋りが尽きないよ。

 二人の近くにいると何だかなぁ。


 別にのけものにされてるってわけじゃないんだけど、そうじゃないなりの疎外感があるっていうか。

 何で僕ここにいるんだろうってちょっと思えてくるわけ。


 ひねくれてるって思うけど、別に僕の存在って二人の会話には必要ないしさ。

 ていうか、何で僕こいつらと一緒に歩いてるんだろうって、今更な事考えたりしちゃって。


 二人共、つるむ人間には困らなそうなのに。



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