第78話 新しいフィールド
それからも、シロナが周辺に出現したモンスターを倒していくのを見てたんだけど、なかなか例の連中は現れなかった。
時間が経って、他のプレイヤーの姿を見かけるようになった頃でも、シロナにちょっかいかけてきた連中は見当たらなかった。
ひょっとしてこの場所での狩りに飽きて、どこか別のフィールドに移動したんだろうか。
気持ち的にはそう思って油断したくなるけど、ここで気を抜くとロクな事にならない気がする。
終わったと思ってたトラブルに続きがあったっていうのは、最近も経験した事だし。
「あれ、どうしてニルバさんそんな顔でこちらを見てるんですか?」
「何でも? とにかく、奴等はいないって事でいいんだよね」
「はい、まったく姿をみかけません」
奴等が顔を出さないのは、色々な方面から予測を立てる事ができるけど、実際にどれが原因なのか分からないから、現状はにっちもさっちもいかない状態。
このままもやもや抱えるくらいなら、いっそ場所を変えた方が良いかもしれないな。
そう思い始めた所で。
「そういえば、聞いてますか? ニルバさん」
「何が?」
「アリッサさんが教えてくれたんですけど。最近新しいフィールドに行けるようになったとかって」
「ああ、それね」
知り合いの情報屋の少女の顔を思い浮かべる。
水龍関連の騒ぎでは、シロナと同じくらい迷惑かけられた相手だ。
悪びれない笑顔で、「ごめんねー」なんて言われた時は、ちょっとイラっとして助けた事を後悔しかけたけど、その後の流れで「でも、ありがと、ニルバっち。これ、わたしからのお礼ね」チュッ。みたいな事があったから、何をどうすれば良いのか途中で分からなくなったんだっけ。
多分あれ、からかってるだけなんだろうけど。




