表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/125

第60話 回想



 実はこのスキルには致命的な弱点がある。


 強大すぎる攻撃から、必ず身を守ってくれるものなのだ。

 普通ならそれほど、大変な物ではなかっただろう。


 しかし、今の自分にはまずい。

 このスキルを発動すると、きっかり一分はその場から動けない。


「シロナ、アリッサ。退避! はやくどっか行って、邪魔だよ!」

「えっ? は、はいっ。あ、でも」

「大丈夫だって、シロナっち。ニルバっちのレベルは、攻略組と同じくらいなんだから、そう簡単には死んだりしないよ」


 背後で、動くのをためらうシロナをアリッサが引っ張って行く気配。

 他の者達の事はどうでも良かったけど、せっかくかばってやったんだから、あっけなく死なれても寝覚めが悪い。


 ついでに耳をすませて確認すれば、彼等も足音を立てて逃げていくのが分かった。


 でも、


「ニルバさん! ニルバさんは、本当に大丈夫なんですか!?」


 シロナはそれでも僕を置いていく事に抵抗があるようだった。


「うっさい、人の心配より自分の心配してろ!」

「答えになってないです!」


 ああもう、馬鹿シロナ。シロナの馬鹿。


「僕は、大丈夫、だから!」

「本当ですね!?」


 君みたいな低レベルお人よしプレイヤー、この場にいたって邪魔にしかならないのに。


 だけど僕は、そういう馬鹿な奴のこと、それほど嫌いじゃないみたいだ。


 短い間だったけど、彼女との思い出が脳裏に駆け巡る。


 すっとんきょうな出会い方をして、思わぬ機会で相手の事情を聴いて。

 友達に為に無茶をする所にあきれて、今も馬鹿みたいに僕なんかの事を心配してるんだろう。


 もうちょっと、話してみたかったな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ