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第46話 12時開始



 北の方向へ急いでいる内に、日付が変わってしまった様だ。

 12時になった途端イベントが発生。


 雨の日イベントの発生メールがプレイヤーに一斉通知されて、町のいたるところでプレイヤーが一斉に行動を起こした。


 薄々勘づいて避難している人が大部分だったから、そんなに混乱が起こることはなかったけど、それでも今までにない事が起こったというのはインパクトが大きい。


 一体何が始まるのやらと、興味本位でうろちょろしはじめたプレイヤーが町中に溢れ始めた。

 走るのにすんごい邪魔。


 彼らがそんな反応になるのは仕方のないことなのだろう。

 深夜にこんなに大規模なイベントが発生するなんて、前代未聞だから。


 今までデスゲームになって、ゲームは定められたルール通りに進んできた。

 それなのに、ここにきてイレギュラーで前例のないイベントが起きるんだから、注目しない方がおかしい。

 これが自分達にとって良い方に転ぶのか、悪い方に転ぶのか、気にならない人間はいないはずだ。


「分かってたけど、邪魔だな!」

「悪気はないって分かってますけど……」


 でも、そんな彼らの行動が今の僕達にとっては、障害物だ。


 12時になった途端、行動パターンの変わったモンスターがあちこちでプレイヤーに襲いかかり始めている。

 今までは、こちらから攻撃しない限りは、大人しく徘徊するだけだった水属性のモンスター達が、打って変わってはげしく敵意を表明。


 あちこちで戦闘が発生する事態になった。


 どこもかしこもどんぱちやっているようだから、巻き込まれないようにするのも一苦労だ。


 今も視線の先で、一組のパーティーが水属性モンスターに戦闘をふっかけられている。



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