第35話 飛ぶ標的クロバット
ちょっと先行しているおばさん達との距離がはなれてきてしまったのかもしれない。
ドロップ品回収してたら、話し声が聞こえづらくなってきた。
ちょっと詰めた方がいいかもしれない。
でも、そう思った瞬間、うっとおしい奴と遭遇。
「キーッ!」
甲高い鳴き声を放つモンスター、クロバットだ。
こんどは黒っぽい色のコウモリっぽいモンスターができてきたらしい。
バサバサ喧しく群れで飛びながらこちらに向かって来る。
飛んでる敵は厄介なんだよね。
武器が届かないところに行っちゃうし。
でも、僕には魔法があるから。
「悪いけど、君達の相手を丁寧にしてる余裕ないから」
別にそんなに悪いとは思ってないけど、謝りながら魔法の準備。
右手をコウモリのモンスターへ向ける。
「炎神の加護よ、我に力をかしたまえ。ファイア」
熱気と共に膨れ上がった赤い光が、一瞬でコウモリ達を焼き払った。
ドロップ品が大量に出現したけど、回収してる暇はなさそうだ。
「もったいないけど、ね」
それらを無視して先へと進む。
引きこもってると言っても、生活に必要な素材集めは、やらなくちゃいけないから、本音を言えば回収したかったけど。
それをやって本末転倒になってたら、意味がない。
開いていた距離を詰めるべく、足早に一帯を通り過ぎた。




