第121話 起こさないで
平日の朝。
っていっても、オンラインゲームの世界に閉じ込められているんだから、平日も休日もないけど。
僕は女子二人に揺り起こされようとしていた。
「ニルバさん、起きてください。昨日約束したじゃないですか」
「無理、やだ、外出たくない。布団の中にいる」
シロナの声が布団越しに聞こえてくるけど、今はもう慣れたもの。
緊張感なんてないようなものだ。
「昔から寝起きが悪いんだから。お兄ちゃんってばー、起きてよ、もう」
「ZZZZ……」
ここは僕の家の中なんだから、ゆっくり寝かせてほしいのに。
二人は不満そうにあれこれしゃべりながら僕を起こそうとしてる。
「ニルバっち、おはー! お姫様の目覚めのキスいるー?」
いや、三人だ。
たった今増えた。
もう慣れたものだけど、ここ僕の家なんだけど。
らいかはともかく、 他二人は遠慮ってものを辞書に載せてからきてよ。
たぬき寝入りしてると、不満そうな声が三つ。
「昨日お約束したじゃないですか。忘れちゃったんですか?」
残念そうなシロナの罪悪感アタック。
「お兄ちゃんとクエスト、好きなものおごってあげるっていったのに」
物で釣るらいかの物欲アタック。
「新しいクエストやるっていったじゃん、ニルバっちのねぼすけ! 情報屋って忙しいから途中までしか参加できないんだよ!」
そこそこ忙しいらしいアリッサの仕事事情アタック。
「……」
はぁーもう。
一番聞いたのは今回はアリッサかな。
僕ってわがままに見えるんだろうか。
もしくはかまってちゃん?
毎日あれこれ策を練ってくる彼女たちにどう見えてるんだろう。
仕方ないなと思いつつベッドから出る。
まったくたまには一人にさせてよ。




