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第14話 善意か悪意か両方か
ニルバがいなくなった後、その場に残っていたソウトウは、第二のクエストが始まるのを察知した。
果樹園の空気が変わって、先ほどよりもさらに一回り大きな蛇が現れる。
巨体で押しつぶされるだけで初心者プレイヤーのライフが消し潰されそうな異様だが、ソウトウはそんな蛇を前にしても調子を崩さない。
「やれやれ、これはあの人なりの善意なのか、それとも悪意なのか、どっちなんだろうな」
ソウトウは、蛇を見たまま口の橋をゆがめて苦笑する。
「横取りしてるみたいで悪ぃけど、こいつはさすがに初心者には荷が重いだろ」
そういうわけで、知り合いから伝授してもらった会話誘導方法の一つを使って、ニルバを避難させたのだが、当人は要らない気づかいだというだろう。
「ま、ちょうど観察ばっかりで退屈してたから、運動につきあってくれや」
蛇は威嚇するように鳴き声を上げる。
「シャアアアア」
ソウトウは、笑ってその蛇に突っ込んでいった。




