第13話 ファーストなフレンド
クエストが終わったのを見てソウトウが近寄ってくる。
「やるじゃねーか。大抵はちっこい蛇の時点で苦戦すんのに」
「それは本当に苦労した。このクエスト考えたやつ誰だよ、性格悪すぎだろ」
初心者向きじゃないし、絶対何人も餌食になってるに決まってる。
「とりあえずおめでとさん。で、どうすんだ?」
「何が?」
「ゲーム始めたばかりなんだろ? 続けんのか?」
「もういいかな」
「そうか。残念だな」
あんな陰険トラップにかかって、まだ続けようって考える初心者がいたら驚きだよ。
残念そうな顔をするソウトウが演技しているようには見えない。
なんかパーティーでも組んでやりたい事でもあったんだろうか。
「君は、これからもこのゲーム続けるの?」
「ああ、知り合いがログインするし、開発にも知ってる顔がいるもんでな」
「へー、そうなんだ」
ならこんなクエストがあるようなゲームでも愛着くらいは抱くかと納得。
ちょっと遅れて、なんか既視感のあるやり取りだなと思ったら、らいかか。
知り合いに開発者がいるってこいつの人脈どうなの?
なんかチャラくて軽薄そうに見えるのに、そんな知り合いいるんだ。
って始めた会った人に言うのはさすがに失礼だろうから言わないけど。
「そうか、ならもう会わないかもな。しばらく俺このゲームやるし、その後は将来のことで忙しくなるし」
そういわれると、なんか少し寂しくなるから人って不思議だよな。
だからつい思ってもない一言が口から出てしまう。
「……まあ、僕の妹からこれ借りたものだから、妹はやるかもね。こういうゲームって高いし、時々なら気分転換にログインするかも」
するとソウトウは笑いながら僕の背中をバシバシたたいてきた。
「そっかそっか、ならその時会えるといいな。フレンド登録しようぜ!」
「……基本はログインしないと思うけどね」
初ファンタジー・オンラインのフレンド一人目がソウトウ。
この時は、まさかこのゲームに数年もログインすることになるとは思わなかったんだよな。




