第08話 ソウトウ
「おっと、俺の名前がまだだったな。俺はソウトウ。双頭のなんちゃらとか、敵を掃討するって言葉からつけた」
「で、この目の前の日常の象徴みたいなおばあさんがモンスターってどういう事」
あんまり人付き合いは得意じゃないし、陽キャののりなんて理解できないけど、今は気になる事が大きすぎた。
僕はモンスター疑惑のおばあさんを見つめながらソウトウと名乗った男に尋ねる。
「実は俺、ついこの間初心者としてこのゲームを始めたんだけどよ、このクエストでライフ全損して、死んだわけよ」
「初心者用のクエストだろ?」
「そう見えるよなぁ。俺もまんまと騙されたぜ!」
うんうんと頷いて僕の方に手を置くソウトウは慣れ慣れしい部類の人間らしい。
あんまりそういう距離感が近いのは好きじゃないなけど、気になる情報のために我慢する。
「果樹園を襲うモンスターってのは人に化けるやつなんだ。それで今はこのおばあさんに化けてるってわけ。そんで、果物を食べさせようとして油断させたところを襲い掛かるってわけだ」
「知らなかったら、無防備で最初の攻撃を受ける事になるな」
「ああ、そうだ。まったく構えずに攻撃を受けると、どうなるか知ってっか?」
「それくらいは」
チュートリアルはしっかりやる派だからな。
意識していない間。
なんか機械が脳波とかをチェックして、警戒している状態としていない状態を判別しているらしい。
それで、敵を敵として認識していない、身構えていない状態で敵から攻撃されると、色々な不都合が起こるのだ。
「気絶したり、ライフをごっそりもってかれたりだな」
「初心者には致命的だろ。なんでそんなクエストが初心者向きになってるんだよ」




