第01話 新しいゲーム
新しいゲームが発売されたら、暇なときはチェックしている。
「今月はこんなゲームが出てるのか」
休みの日。
僕は自分の部屋でパソコンの画面を見つめていた。
幸いなことに、うちはそこそこ裕福で、親から与えられるお小遣いもそれに比例して、世間一般の学生よりは多い。
だから、お正月なんかにもらったお年玉と、今までためてきたお小遣いを合わせれば、たネタバレする前に新作ゲームを買ってプレイするなんてこともたまにできるわけで、ちょくちょくゲームを買ったり遊んだりしている。
そういう積み重ねがあって10年ちょい、廃ゲーマーほどではないけど今の僕はゲーム好きになっていた。
とはいっても、さすがにVRMMOのゲームまでは手は出せない。
科学技術の進歩によってこことは別の電子の世界を構築できるようになったのは十年前。
けれど、そこからの歩みはそこそこ遅く、一般市民の生活で娯楽として顔を出すようになったのは最近だ。
だから、特別な日でもない限り、仮想世界のゲームに手は出せない、はずだった。
「お兄ちゃん! ねぇ、見てみて。びっくりだよ!」
妹が知り合いからゲームをもらってくるまでは。
ノックもなしに突撃してきた妹のらいかは、僕が抗議するなんて夢にも思ってない顔。
プライバシーの存在なんて忘却の彼方みたいだ。
そんならいか曰く。
なんでも学校の先輩が放課後に、要らなくなったゲームがあるといってきたらしい。
それで兄ーーつまり僕がゲームをやっていたことを思い出して、ちょうだいし、今に至るというわけだ。
「そこそこ高いだろうに、なんでまた」
「なんか先輩、すっごく嫌いな人がいるんだよね。その人が一度触ったゲームなんていらないって言ってた」
「なんだそれ。潔癖症にもほどがあるだろ」
「そういうのじゃないと思うんだけど。なんかね。相手は会社のお偉いさんとかいってた」
会社のおえらいさんと知り合いって、金持ちかよ。
と思ったけど、言わないでおいた。
らいかの人脈、たまに変な人いるんだよな。
どうなってるんだか。




