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北のバカブ神その3(願う者)
3・願う者
笑顔を守りたかった
幸せを守りたかった
あの人の力になりたかった
助けてやりたかった
幼い命たち
まだこの世に生をうけてもいない、はかない星々
仲間と笑い
仲間と泣き
仲間と怒り
誰もがする当たり前の事を、あの子等にもさせてやりたかった
なぜ神は、何の力もない私に『夢』をみせる
あんなにも悲しく、残酷な夢を
あんな未来など望んでいない
あんな未来など無くなればいい
ああ・・もっと『力』が欲しかった
ああ・・・今一度『器』が欲しい
『還る者よ、その願い、何に願う?』
私の神はもういない
いないのならば
『悪魔に願おう』
ただ・・・あの子等の笑顔を
あの人の幸せを守りたかっただけなんだ・・・