東のバカブ神その10(二人の女神)
10・二人の女神
お久しぶりです
お元気でしたか?
あらら、久しぶりにお会いできたというのに、つれない態度ですねぇ・・・
もう少し、ニッコリしてくれても罰はあたりませんよ~
えっ?
急いでいる?
貴方も消火活動に加わるのですか?
それにしては、方向が真逆ですが・・・
人探し・・・
貴方と良く似た方ですか?
こちらに来たはずだと?
残念ですが、見ていませんね
貴方に良く似た方なら、そうとう目立ちますよ
女神にもひけをとらない、その美しい顔立ち
美しい肌・・・
おっと、魔法は勘弁してください
大丈夫ですよ
僕はどこぞの野蛮人と違いますから
でも、気をつけたほうがいいですよ
この町は負の感情を糧に成長する町
心を揺さぶり、見たくもないものや、硬く閉ざしした記憶の蓋を開けてくるかも・・・
記憶の彼方
忘れたと思い込んでいる過去
蓋がほんの少しズレただけで、それは湯水のように溢れ出し貴方の心を侵食していきますよ
ああ、そんな顔をしないでください。
美しい方に睨まれると、ゾクゾクしちゃいますから
早く通せと?
せっかくですから、昼食でもいかがで・・・
そうですか、結構ですか
では、道中お気をつけて。
お分かりだと思いますが、この町に長居は無用ですよ
珍しく走って行ってしまいましたね
さて・・・
そんなところに隠れて居なくてもいいじゃないですか
僕たちは昼食にしましょうか
せっかく女神を並べての食事になると思ったのですがね
ああ、フードは被ったほうがいいですね
貴方の容姿も目立ちますから
さあ、行きましょうか