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氷天の魔導師 ※改訂版  作者: 蓮
2章 少年期
16/19

15 異世界の果物

 

 全身が痺れ、焼けるように熱い。さらには毒に侵され体力がどんどん減っているのを感じる。意識は朦朧としこれが現実なのか、苦しみのあまり夢なのではと言う思考に支配されそうだ。


 (しっかりしろ。)


 (そんなこと言ったってどうしようもないんだよ!)


 情けない、というような目で地面に突っ伏している俺を見るフェンリル。


 なぜこんな状態になっているのかというと、それは数時間前に遡る。






 ”火球ファイアボール”!


 俺は目の前にいるEランクの魔物、グリーンウルフの群れに向かって魔法を放つ。フェンリルも氷魔法を使い、あっという間に死体の山ができる。グリーンウルフはその名の通り濃い緑色の毛皮を持つ狼だ。森に溶け込み群れで人間を襲う。1体だと雑魚だが数が多いほどなかなか厄介な魔物だ。まあ俺達の敵ではないけどね。


 トウニエダに来て4日が経った。出会った魔物といえばやはりF〜Eランクの魔物ばかりだ。レベルも15〜30といったところで、いずれにしても問題なく倒せている。そして俺のアイテムボックスには30体ほどの魔物の死体が収納されているがその容量はまだまだ底を見せていない。恐るべし異次元ボックス!


 それにしても本当にでかい森だな。睡眠時間以外は奥にあるグリズ山に向かって歩いているのに全く近づく気配がない。森の中にある結界とやらもまだ見えてこないし・・・。

 正直この辺の魔物は今の俺の相手にならない。最初はレベルアップも順調だったがそろそろ上がらなくなってきたのだ。もう少し奥に行くべきだろうか?


 一回ステータスを確認しとくか。



【名前】レオルス・ステイシー

【種族】人族

【年齢】7

【職業】なし

【Lv】8

 HP:315(+396)

 MP:58(+85)

 STR:25(+45)

 MAT:51(+77)

 DEF:33(+48)

 MDF:36(+62)

 AGI:26(+50)

 LUK:1(+1)

【装備】フィルのシャツ フィルのズボン フィルのローブ 革靴

【スキル】女神の加護 鑑定 隠蔽 偽装 詠唱完全破棄 剣術初級 水魔法上級 氷魔法上級 火魔法上級

【称号】神獣を従えし者



 ちなみにローブは家を出るときに母さんが持たせてくれた。もちろん手作りだ。ちょっと冒険者っぽくて嬉しかったのは秘密。


 ステータスは平均以上はあると見た。というかチートスキルがあるので当たり前なんだけどね・・・。

 レベルの上がり具合も順調だと思う。まあ他の人と比べようがないからいまいち分からないが普通くらいだろう。ある程度格上の魔物もスキルのおかげで倒せているし、そろそろDランクあたりの魔物と戦ってみたいな。



 グゥ〜。・・・っと、その前に腹ごしらえだな。


 (なあ、フェンリルって腹空かないのか?)


 (我ら神級の魔獣は腹は減らぬぞ)


 (へえ〜、便利なんだな。疲れとかも感じないの?)


 (いや、空腹は感じぬが疲労は感じるぞ。まあ余程のことをしない限り余裕であるがな)


 さすが神級だ。そう言うからにはステータスもかなり高いんだろうなあ。


 (って!俺、フェンリルのステータス見てない!)


 (何を今更・・・)


 そんな呆れた目で見ないでくれ。色んなことがあってすっかり忘れてたんだよ!


【名前】フェンリル

【種族】神級魔獣

【Lv】872

 HP:81000

 MP:49000

 STR:54300

 MAT:70600

 DEF:40100

 MDF:69600

 AGI:35500

 LUK:100


【スキル】心眼 王の威圧 神速 天地爆裂 氷裂 物理・魔法攻撃無効化 氷魔法越級 水魔法神級 雷魔法神級 氷神の加護

【称号】魔獣王



 強 す ぎ ワ ロ タ 。


 いかんいかん。びっくりし過ぎてついネット用語が出てしまった。

 そりゃ神獣だから強いのは予想してたよ?だがそれ以上の数値でした。レベルもエグいし、ステータス値も桁が違いすぎてもうどのくらい強いか分からないよ!


 と、とりあえずスキルも見とくか。正直もうお腹いっぱいなんだけど・・・。



 【心眼】この世の全てを見透す事が可能。鑑定の上位スキル。

 【王の威圧】強者のオーラをまとい相手を怯ませる。レベル差がある程効果は大きい。

 【神速】音速レベルでの移動が可能。目視する事はほぼ不可能。

 【天地爆裂】固有スキル。高濃度に圧縮された膨大な魔力を一気に発動する事で爆発を起こし余破は天地をも切り裂く威力。

 【氷裂】爪で敵を切り裂く。アダマンタイトをも切り裂くほどの威力を持つ。

 【物理・魔法攻撃無効化】物理・魔法攻撃によるダメージを無効化する。全てではないが大体は無効化可能。

 【氷魔法越級】氷属性魔法の超越級まで使用可。

 【水魔法神級】水属性魔法の神級まで使用可。

 【雷魔法神級】雷属性魔法の神級まで使用可。

 【氷神の加護】氷神ユミルの加護。氷属性魔法の威力20%上昇 消費魔力20%減少。

 【魔獣王】全ての魔獣の頂点に君臨し支配する存在。



 チートやないか!知ってた!知ってたけどな!魔獣王ってそのままだし!


 俺ほんとヤバイやつ従えちゃったんだなぁ。心強すぎる相棒だぜ。

 おい、ドヤ顔するなフェンリル。


 (今はお主と契約しておるからな、まだまだ強くなるぞ)


 なんだか嬉しそうにしているフェンリル。最近なんとなくだがそういうのが分かったて来たんだよね。


 つーかそれ以上強くなる必要あるのか?甚だ疑問だぜまったく。



 グゥ~~~~~。驚いたらますます腹減った。持ってきた干し肉は昨日で食べきっちゃったし、何か探さなければ飢え死にしてしまう。


 空腹に耐えながら暫く進むと甘い匂いが鼻を掠めた。こんな森の中で甘い匂いなんかするか?しかし空腹の俺には結構効くんだよな・・・。何でもいいから食べ物にありつきたい。


 その一心で香りのする方へと足を進めた。




 あった。


 甘い匂いの正体、それは色とりどりの”果物のような何か”の群生地だったのだ。まさか本当に果物にありつけるなんて俺は幸運だ。

 フェンリルの幸運値が馬鹿みたいに多いのが影響したのかな?なにはともあれ、ありがたいぜ。


 目についた”果物のような何か”を木からもぎ取りアイテムボックスに放り込む。食べれるかも分からないのに、空腹状態の俺の頭はそこまで回っていないようだ。


 粗方収穫した頃には俺の体は限界が来ていた。主に空腹によってだ。朝食抜いたし動きっぱなしだしですぐにでも食べたいけど一応鑑定しておくか。


 

 収穫した”果物のような何か”は3種類。


 まずは赤いマンゴーのような形の果物からいってみよう。


 【リチの実】効果:???


 うーん、読めない。レベルが足りないのだろうか。名前は分かったが肝心な効果が表示されていない。


 といっても既に腹の虫は限界なのでこれを食べるしかないんだけどね。こういうのは勢いが肝心だ!一口かじるとなんとマンゴー味だった。少し舌がピリピリするが、しかし美味い。めっちゃジューシーだ。恐らくさっきの甘い匂いはこの果物からだ。



 次は黄色のまん丸の果物。


 【オレゴの実】効果:???


 やはり効果はわからないようだ。触った感じ皮が硬そうなのでナイフで切れ目を入れて剥いていく。薄い黄色の果実をパクリ。おお・・・この爽やかさと甘酸っぱさを兼ね備えた味は、オレンジだ!採れたてでみずみずしく言うことナシに美味い。



 3個目はちょっと食べたくない見た目なんだよなぁ。全体は紫で緑の斑点がある果物。見るからに怪しい、ってか毒だろ絶対。


 【ヨハレの実】効果:???


 効果も分からないし正直口にしたくない。けど果物も無限にあるわけじゃない、万が一食べれる実なら貴重な食料になるし・・・。


 散々悩んだ挙句、俺は食べることにした。仮に毒があったとしても果物で死ぬことはないだろう、と信じて。


 恐る恐るかじる。ん?思ったより味はいいぞ。酸味と甘みがあり噛み応えのある実。これはさくらんぼだ。まさかのさくらんぼだ。こんな毒々しい見た目なのにさくらんぼって笑える。


 思った以上に美味しいそれらの実を俺はムシャムシャ食べた。フェンリルはいつの間にか隣で寝そべってた。こいつに食事は必要ないからな。俺の苦しみが分からないのだろう。


 俺は本日2つ目のオレゴの実をかじる。果汁が口に広がると同時に、リチの実を食べた時の舌がピリピリする感覚を強く感じた気がした。

 


 なんだ・・・?一体・・・。


 もしかして、と思った瞬間。その痺れは一気に全身に広がった。手足の感覚が鈍くなり立っていられず体が倒れる。続いてじくじくとした痛みが全身を襲った。


 体が全く動かない。なんだ、これ。聞いてないぞ。かなりヤバいんじゃないか?こんな状態で魔物にでも見つかったら・・・。冷や汗が全身を伝った。俺は頭に浮かんだ最悪のシーンを振り払うように打ち消す。


 痛みで意識が朦朧とする。更には強い眠気にも襲われる、いっそこのまま眠りに落ちてしまった方が楽だろう。しかし俺の考えは甘かったようだ。痛みのせいで消えかけていた意識が引き戻されたのだ。


(フェン、リル、起、きろ。)


 (くあっ・・・なんだ?)


 (おま、主人が大変だってのに、なに、寝てんだ、よ!)


 (む、状態異常にかかっておるではないか)


 やはり。原因は言わずもがな、俺が先ほどまで貪っていたあの果物だろう。


 (なんとか、できるか?)


 (すまぬ。我は回復魔法は苦手でな、使えぬのだ)


 ま、まじかよ。どうすんだこれ。


 異世界の果物恐るべし!



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