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氷天の魔導師 ※改訂版  作者: 蓮
1章 幼少期
12/19

11 秘密の特訓らしい

ちょい短いです・・・


クラリッサと知り合った日から1週間後、俺たちは再びあの森で再開を果たした。


 「レオルスー! よかった、また迷子になったらどうしようかと思ったわ」


俺の姿を見つけるなりパタパタと駆け寄ってくるクラリッサ。ああ、俺の天使・・・。今日のクラリッサは薄いピンクのワンピースに同じ色のお花の髪飾りがハーフアップの髪に飾ってある。


 「久しぶり、クラリッサ。今日も可愛いね」


 「えっ、えっ! か、かわいいって」


顔を赤くしてあわあわしてるクラリッサも可愛い。持ち帰りたいくらいだ。顔に出ていたのかクラリッサから抗議の声が上がる。


 「もー! からかわないでよ!」


 「ふふふ。ごめんごめん。つい、ね」


 むー。といいながら膨れるクラリッサ。いやだからそれが可愛いんだってば!無意識にやってるんだろうけど・・・。


 気を取り直して今日の本題に入ろう。


 「ところで魔法は全く使ったことがないの?」


 「ええ、まだダメって言われてるの。7歳になってステータスが分かってからにしなさいって」


 まあこの世界の常識から言えばそれが普通だもんな。


 「クラリッサはさ、どうして魔法を使いたいの?」


 「う、うん。あのね・・・」


 少し言いづらそうに話し始めるクラリッサ。これは訳アリな気がする。


 「私のお祖母様はね、昔大活躍した魔導師なの」


 クラリッサのおばあ様とやらは長きにわたって全線で活躍し続けた凄い人なんだそうだ。


 「でもお歳をだいぶ召されてから段々と元気がなくなっていって、今じゃ数日に一度目を覚ますだけになってしまったの。おばあ様は私をすごく可愛がってくれてたわ。私もそんなおばあ様が大好き。ある時ね、"あなたには特別な力を持っているわ。その力は人々を守るために使いなさい。それがあなたの使命よ。ああ、死ぬ前に一つ願うとすれば、孫の活躍する姿を見たかったわねぇ"って言ったの」


 なるほど。お祖母様に自分の魔法を見せてあげたいという想いからこんなところまで来たのか・・・。無茶するなぁ。


 「話してくれてありがとう。お祖母様良くなるといいね。その為にも頑張って魔法を覚えよう! 僕も手伝うよ!」


 「ありがとうレオルス。私頑張るわ!」


 こうして僕たちの秘密の特訓の日々が始まったのだ。



 そして驚くことにクラリッサは僕が教える事を次々に吸収していった。もしかしなくても僕より才能あるんじゃないだろうか。


 「凄いよクラリー! 僕だってもう少し時間がかかったんだ」

 

 「レオのおかげよ! 本当にありがとう」


 クラリーていうのはクラリッサの愛称だ。お互い愛称で呼び合うのはなんだかくすぐったい気持ちになるが、距離が縮まったようで嬉しい。

 

 因みに今やっているのは魔力操作の練習だ。なんとクラリーは開始数時間でモノにしてしまった。それもかなり上手い。この分なら魔法もあっという間に扱えそうだ。


 「ちょっと休憩したら魔法使ってみる? まだ属性は分からないと思うけど、上手くいけば使えると思うよ」


 「本当!?」


 キラキラとした瞳で俺の顔を見るクラリー。俺が見込んだんだ。絶対いけると思う。あと可愛い。


 


 少し休憩をしてからを特訓を再開した。


 「エルフ族って水属性とか風属性持ちが多いって聞いたから、この2属性の魔法から試してみようか」


 「ええ、その通りよ。レオは本当に何でも知ってるのね!」


 「まあずっと本ばかり読んでたしね」


 友達と呼べる存在がいなくてぼっちだった訳じゃないから!


 「それでどんな魔法を使うの?」


 「そうだね。まずは僕も最初に使った魔法なんだけど、水属性初級魔法”水球ウォーターボール”を使ってみようか」


 「わかったわ! で、魔法はイメージが大切なんだよね? うーん、イマイチどうすればいいか分かんないや・・・」


 ぐぬぬ、といった様子で首をかしげるクラリー。イメージの大切さには先程教えておいた。あとは実践あるのみといった感じだ。魔力操作も申し分ないし、あとは一度成功すればコツを掴めると思うんだ。


 因みに詠唱は僕の長年の修行の結果からほぼ必要ないと思っている。詠唱をする、しないとで威力や魔力消費量などを調べたことがあるが、どう考えても燃費が悪すぎて詠唱するメリットが何一つなかったのだ。わざわざそれが分かっているモノを教える必要がないし、なによりクラリーには才能がある。無詠唱を習得できるだけの力があるんだ。


 「何も難しいことはないよ。そうだな、水でできたボールを思い浮かべてごらん? あとは出来るならどんな物質なのか、とかイメージできると威力も増すよ。この場合は水だから、冷たいとか液体だから掴めないモノとかね。で、詠唱はさっきも言ったけど必要ないからね」


 この世界ではそもそも魔法をイメージするといった理論がないんだと思う。沢山の魔法に関する資料などを読んだがそういったことは一切かかれていなかった。つまり詠唱による言葉ワードの力のみ頼っている感じだ。無詠唱が高等技術って言われる理由が分かった気がするよ。


 俺がいったことをブツブツ呟きながら集中力を高めるクラリー。おっ、凄いな。もう魔法が出来てきている。さっきから出来かけの魔法が消えてはもう一度やり直しといった感じだが、確実にもう数分とかからなさそうだ。

 

 「できた! レオ! 見て見てー!」


 興奮しながら叫ぶクラリーの手の上には確かにきちんと魔法が発動しており”水球ウォーターボール”があった。


 見てる見てる。可愛いクラリー、じゃなかった。やっぱり1日でできちゃうなんて凄いと思う。これは将来が楽しみだなぁ。


 「流石だよ。早くおばあ様に見せてあげなきゃね。時間もいい頃だし、今日はお終いにしようか」


 「そうね! 本当にありがとう。こんなに早く魔法を使えるなんて夢みたいだわ。レオのおかげね」


 「そんなことないよ。クラリーが頑張ったからさ。あ、魔法はむやみに使っちゃだめだよ? 魔力操作の練習くらいならいいけど、バレたらきっと怒られちゃうでしょ?」


 「うんっ。ちゃんと練習しとくね。次合った時に驚かせてあげる!」


 とやる気満々のクラリー。よほど魔法を使えるようになったことが嬉しいのか今にも飛び跳ねそうな勢いだ。というか既にさっきから小さくジャンプしている。全くなんて可愛いんだ。


 俺たちはまた1週間後に会う約束をして別れた。楽しい時間が過ぎるのは早いなぁ・・・。

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