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2-2 第98話 婚約指輪

side優也


「凄かったね〜」

「まぁあれはかなり凄かったな」

 俺達は宿のチェックインを済ませて再び観光に戻った。

 宿の中はとても感動すら覚える内装だった。

 昔風で囲炉裏があり、部屋には昔ながらの掛け軸とかもめちゃくちゃ掛けてあった。

 しかし一つ問題がある。

 このペアチケット、二枚で一部屋と言う換算なので俺と結羽は同じ部屋になったという事だ。

 まぁ付き合ってるんだし別にいいのかもしれないが、初めて結羽と同じ部屋で寝るという事から既に緊張してきている。


 しかし結羽はと言うとそんな俺の気持ちなんて知るかとばかりに興奮気味で町を見ている。

 俺達も着物を着ている為、俺たちまで時代劇の世界に入り込んだみたいだ。

 この町だけ時代が過去だもんな。

「ほのおはんじゅうおいひい」

「口に物入れながら喋んな」

 結羽は既にエンジョイしており、屋台とか見つけたら速攻で買いに行って買い食いを繰り返していた。

 よくそんなに食えるなと感心していると結羽曰く「デザートは別腹」らしい。

 明らかにデザート以外も含まれていたような。

「ん〜。最高の町だね」

「ああ」

 饅頭を食い終わった結羽は次は焼き鳥を取り出してベンチに腰掛け食べ始める。

 いったいどんだけ食うつもりだよ。

 この町の名物は飯だけじゃないんだがさっきから飯ばかりしか廻ってないような気がする。

 色々なゲームもあるってのにそれら全部無視して食べ物屋廻ってんだから驚きだ。

 しかも俺は一切手を貸していない。全て結羽が平らげているのだ。

「そんなに食って腹壊すなよ」

 そう言ってから俺は近くの店に行く。

「おっちゃん。これ一回」

 俺が来たのは射的だ。

 祭りの定番だが、たまにはこういうのもありだろう。

 そして俺は射的の代金を払ってコルク銃を受け取る。


 何を撃とうか?

 とりあえず適当に入ってきたはいいものの、特にどれ狙うとかは決めていないのだ。

 ラインナップを見てみる。

 どれもこれも俺が持っていても仕方が無いようなものばかりだ。

「んじゃあ結羽にでもやるかな?」

 片目を閉じて慎重に照準を定めて行く。

 こういうのは焦らないのが一番だ。

 心を穏やかにして落ち着いて慎重に合わせる。

「ここだ!」

 俺はコルク銃を撃った。

 するとコルクは飛び出し、真っ直ぐに飛んでいく。

 その真っ直ぐ飛んで行ったコルクはある景品にクリーンヒット。

 綺麗に落ちた。

「いよっしゃ」

「これ、景品の『指輪』です」

 そう言って店員さんは俺に指輪を箱に入れて手渡してきた。

 この指輪はとても綺麗で女の子なら喜んでくれるかもしれない。

 結羽には何度かプレゼントしている為どういうものなら喜ぶか分かっているが、キラキラしたものを渡すと喜ぶ。

 俺の彼女はカラスかなにかかな?


「兄ちゃん凄いねぇ。これを一発で落とすなんて」

「はは、どうも」

 俺はそれだけ言って結羽の元へ戻る。

 結羽は俺が射的をやっている間に焼き鳥を食べ終え、アイスを食っていた。

 この時期にアイスって少し寒くないのかな? とそう思うが本人が楽しそうなのでいいことにする。

「結羽、プレゼントだ」

 俺はそう言って指輪を入れ物ごと手渡す。

 すると結羽は不思議そうにしながらも箱を受け取る。

「これは?」

「まぁ開けてみろ」

 結羽は俺に許可を貰ってから恐る恐る箱を開けた。

 そしてその中身である指輪を見た瞬間、目がキラキラと輝き出した。

 射的で手に入れたとしても指輪は指輪だ。

 指輪を手にして嬉しそうに微笑む。

「ありがとう優也。もしかして婚約指輪?」

 ニヤニヤと俺をからかう気満々の様な結羽。

 そこら辺はちゃんと考えていなかったな。

 というか少しはニヤつきは抑えたらどうなんだ? 直ぐにからかいだってバレてしまうぞ?

 だがそこが結羽の可愛いところである。

 隠し事は苦手だが、可愛いからOKだ。


 だが、ここで恥ずかしがってやるのも癪に障るな。

 ならやってやろうか。堂々と言ってやろう。

「ああ、婚約指輪だ。結羽は俺のもんだからな。その印だ。絶対に無くすなよ」

 その瞬間、結羽の顔が火が出そうな位に真っ赤になって俯いてしまった。

 カウンター成功だ。

 俺だからまだポーカーフェイスが出来てるだけで、結羽が婚約指輪とか行ってきたから多分俺も少しは顔が赤くなっているだろう。

「も、もう……優也はいつも恥ずかしい事を言って……」

「安心しろ。結婚指輪はもっと立派なのをムグムグ」

 俺はあとすこしで言い終わるところで口を塞がれてしまった。

 多分更に顔から湯気が出ているところを見ると結婚指輪に反応して恥ずかしくなってしまったのだろう。

「結婚だなんてまだ早いよぉ」

 真っ赤にしてはずかしそうにしながらもえへえへと嬉しそうに笑いを零していた。

 でもまぁ、喜んで貰えるならとった甲斐があった。


 さて、そろそろ結羽も食べ終わるし俺たちは移動を始めるか。

 そう思って俺は飲み物を一口飲み、立ち上がった。

 結羽も食べきってからゴミは自分で持ってきた袋に詰めて移動の準備をしだした。

 そして準備も終わり今から移動する、その時だった。

「やっほー久しぶりだね二人とも」

 背後から声をかけられ、肩を叩かれた。

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