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2-2 第90話 ぬいぐるみ

 結羽に見られたことを全く知らない優也は露木と共にショッピングモールに来ていた。


side優也


「やっぱりここが一番品揃え良いですね」

「だな」

 俺もよく活用する所だ。主に飯を食いに来てるんだけどな。

 しかし、色んなコーナーに別れていて分かりわすい。


 その中からぬいぐるみが置いてあるコーナーを目指す。そこから現役JKの露木さんを頼ろうじゃないかと。

 俺が選んだら大変なことになりそうだしな。


 そんで、着いたんだが本当に色んなのがあるので俺のセンスに任せなくて良かったと俺は安堵する。

 露木ちゃんも最初はあまり乗り気じゃなかったみたいだが今はそんなんでもないようだ。


(な、なんか先輩の彼氏さんと一緒に買い物って……なんだかイケないことをしているような気分)

 露木ちゃんはなんか一瞬こっちを見てきたけど何を思ってこっちを見てきたんだろう。


 取りあえず俺がでしゃばったらややこしくなりそうだから俺は隣で大人しく見学してるとしますかね。


 そういやこういうぬいぐるみ七海の部屋にもあったな、懐かしい。七海に呼ばれて行くといつもベッドいっぱいに置かれたぬいぐるみが出迎えてくれてたっけ。


 そういえば実は露木ちゃんに頼む前に如月の奴にも頼んだんだが、「私をフっておいて頼み事って図々しくないですか?」と言われて断られた。実にその通りでございます。

 実は結羽と付き合うことになってからみんなに断りに行ったのだ。

 学校では星野さんと露木ちゃんを交互に呼び出し、如月にはバイトの時に誰もいないのを確認して断った。


 あの時は正直言って心が痛かったけど、露木ちゃんだけは「そうなる気がしてました。なのでこれからは友達でどうでしょうか?」と言われ、だいぶ気持ちが楽になった。

 だから露木ちゃんには結構頼みやすかった。如月に1回頼んだのは同じシフトだったからだ。まぁ、断られたけど。


「可愛い……。プレゼントとは別に買おうかな」

 俺はちょっと離れた位置でぬいぐるみを物色しているから露木ちゃんがハッキリと何言ってるかは分からないがぬいぐるみを物色しながらブツブツと呟いているのは分かる。

 と言うか露木ちゃんは何を見てるんだ? そう思ってそっちに視線を向けると犬のぬいぐるみの前でぶつぶつと呟いていた。かなり真剣に考えてくれてるようで嬉しい。俺は良い後輩を持ったな。


「さて、俺も見てみるか」

 そうして見てみると七海と一緒に買い物に行っていた頃を思い出した。

 七海も可愛いものとかぬいぐるみが好きだったからよくこういう所に買いに来ていた。


 ちょうどこんな感じに俺が少し離れたところでぬいぐるみを見ながら七海を待つって感じだ。

「先輩」

 そして俺がぬいぐるみを物色していると急に背後から露木ちゃんに声をかけられた

「どうした?」

「えーっと、こんなのはどうですか?」

 そして露木ちゃんは一体のぬいぐるみを渡してきた。そのぬいぐるみは両手いっぱいで抱きしめられる程の大きさのハリネズミだった。


 確かに可愛い。そう思って結羽がこのぬいぐるみを抱きしめている姿を想像する。

『ありがとう優也』とそう言いながら笑顔でハリネズミを抱きしめる結羽。可愛すぎる。彼氏の贔屓目なしに元から可愛い結羽がそんな仕草したら可愛すぎる。

「良いな」

 色んな意味で良い。


「なら決まりですね」

「所でもう片方の手に持ってるのは?」

 ハリネズミのぬいぐるみを持ってきた時から露木ちゃんはもう片方の手には犬のぬいぐるみを持っていたのでずっと気になっていたのだ。しかも大事そうに。


「……へ?」

 すると今気がついたのか露木ちゃんは驚く。無意識か。

「あ、いや! 違うんです! 全くもって可愛いからキープしてた訳ではありません! 私はぬいぐるみには興味ありませんからっ!」

 露木ちゃんは色々と口走ったような気がする。別に「それ買うのか?」とか聞いてないしぬいぐるみが好きかなんて質問をした覚えがない。

「と言うかぬいぐるみは女の子なら誰でも好きなんじゃないのか?」

「ど、どこで聞いたか分かりませんがその情報は完全に間違いですね! だってこの私は好きじゃありませんからっ!」

 物凄い勢いで俺に長ゼリフをぶつけてきた。完全に動揺しているのが丸わかりだ。やっぱり露木ちゃんもぬいぐるみが好きなんだな。

 と言うか色々わかってしまった訳だが、俺は悪くないよな。露木ちゃんが勝手に自爆しただけだよな。


「まぁ、分かった。分かった。露木ちゃんはそのぬいぐるみが気に入ったんだな」

「だから、違うんですってば!」

 露木ちゃんは抗議の声を上げてくるが、俺は無視して露木ちゃんからぬいぐるみを受け取って会計を済ませる。

 一緒に犬のぬいぐるみも買って渡してあげると「ま、まぁくれるなら貰っておきます。ですが絶対に私が好きなわけじゃありませんから!」と言っていて素直になれないで可愛いなと俺は思った。


 そして俺は露木ちゃんと別れて家に帰ると、

「なんだあれは」

 部屋の隅で丸まって泣いている結羽が居た。

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