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2-2 第82話 人生最大のモテ期がやってきたようです(望んでない)

side優也


 俺はやっと地獄の学校が終わってバイトの時間となった。


 今日は珍しく俺、如月、北村さんの三人が同シフトとなった。

 俺と如月がレジ、北村さんが裏で商品を置いたりしている。


 しかし、いつもながら暇なのである。


 いつもは退屈していてこの時間はあまり好きじゃないんだが、今は落ち着く。

 ここ最近、色々ありすぎてこの空間が天国だ。


「ゆーや君。なんかおかしいよ?」

 最もおかしいと言われたくない奴におかしいと言われた。

 だが、最近ほんと人の愛という物がオーバーになってきているからこうやって罵って貰えることによって俺は落ち着きを取り戻す。


「ひゃあっ!」

 隣で普段からは考えられない可愛い悲鳴を発する如月。


「し、しほさーん! ゆーや君が壊れたぁー!」

 その言葉を聞いて北村さんは裏から出てきて一番に驚いた顔になった。

 何そんなに驚くことがあるんだろうか?


「絆成さん。あなた、ニヤニヤしてどうしたの? キャラ崩壊してるわよ!?」

 え? 今俺、ニヤニヤしてるの?


「しほさーん。なんかゆーや君におかしいと言ったっけ急にニヤニヤしだしたんですぅ〜」

「き、絆成さん!?」

 すると俺の肩を掴んで前後に揺らしてくる北村さん。酔う! 酔うから!


「お、お気を確かに!」

 あなたが落ち着いてください! 俺は普通ですから!


「それにしてもどうしたの? ゆーや君」

 如月が不思議そうに聞いてくる。

 しかし、俺は今は頭の中がお花畑になっているので

「いやぁ〜罵られたい気分だったんだよ」

 と正直に言ってしまった。


 これには流石の北村さんも「え?」と言って俺から少し距離を置いた。

「ゆ、ゆーや君がMに……」

 ガクガクと肩を態とらしく震わせる如月。


「そんなになるまで何があったのよ。勉強のし過ぎでネジが外れちゃったの?」

 いつもなら棘を感じる様なこんな北村さんのセリフだが、今の俺には心地いい言葉に聞こえて更に表情が崩れる。

「重症ね」

 北村さんはしみじみと呟いた。


「もしかして女の子に愛され過ぎて少し罵りが欲しくなっちゃったとか?」

 如月がからかうように言ってきた。が、俺はそれを否定しなかった。

「え? ゆーや君が否定しない!? まさか本当なの!?」

 やってしまったと思ったが、時既に遅し。


「だ、誰に愛されてるの!? 教えてよ〜!」

 今度は如月が俺の肩を掴んで揺らしてきた。だから酔うって。


「くっ……これは……」

 すると如月が悔しそうな表情を浮かべる。


「ゆーや君! 誰と付き合ってるの?」

 その言葉で我に返った。


「いや、誰とも付き合っては無いが?」

 俺がそう言うと如月はホッとしたと言うような表情を浮かべた。

 なんか嫌な予感がするのは俺だけではないはず。


「流れに乗るしかない!!」

 急にどうしたんだろうと思っていると、

「ゆーや君」

 と俺の肩を掴み直してきた。一体なんだってんだよ。


「私、如月 咲桜は絆成 優也君の事が好きです」

 柄にも無いような口調で真面目なトーンで言ってくるもんだから俺は驚いてしまった。

 そして如月の片手は俺の後頭部へ。


 そして目を閉じてゆっくりと近づいてくる如月。


「はぁっ!?」

 俺は思わず驚いて大きな声を出す。


 後頭部を押さえられてるから逃げれない。


「き、如月! ここ職場だぞ!」

「関係ない」

 関係あってくれよ! と言うか、職場じゃなくてもやばいから! 北村さんが見てるから。


 そして助けを求めようと北村さんの方を見るともう持ち場に戻ろうとしていた。


「き、北村さん!」

 あの人が居なくなったら完全にゲームオーバーだ。

「なんですか」

 嫌々だが、戻ってきてくれたようだ。


 俺は如月の肩を押し返しながら助けを求める。

「北村さん! お願いですから助けてください」

「えー? あたしにメリットありますか?」

 そう聞かれたので俺は思考を巡らせる。そして一つの可能性にたどり着く。

「今度北村さんが読みたがってたあれ貸しますから!」

「しょ、しょうがないですね」

 チョロい。


「咲桜。絆成さん嫌がってるでしょ?」

 そう言って北村さんは強引に如月を俺から引き剥がす。


 俺の力と合わさって意外にも簡単に離れた。

「むー。じゃあしほさんが私の相手してください」

「へ?」

 そう言うとその場で如月は北村さんを押し倒してイチャイチャし始めた。百合百合しい。

 この時間はお客さんはそんなに来ないから良いものを……。


 それにしても……如月が俺に告白してきた?


 俺はとりあえず北村さんから如月を引き剥がして、

「なんで俺が好きになったんだ?」

 そう聞いた。


「んー? 一目惚れかな?」

「は?」

 なんだそれ。


「初めて会ったあの時から私はゆーや君に惚れていたのだぁっ!」

 えっ?


「って事は」

「そうだよー。ゆーや君が更衣室に入って来た時にタイプだーって思ってさ〜。襲ってもらってもいいってのは本心だよぉ?」

 マジかよ!

 改めて本心を知ってしまって俺は頭を抱え込んでしまった。


「どうしたの? ゆーや君」

「いやさ、うん……。神は俺をどれだけ困らせれば気が済むんだってさ」

「いや、本当にどうしたの優也君!?」

 ここまで困る事になるとは思わなかった。


 この一週間以内に四人に告白されるとは思わなかった……。

「ちなみに北村さんは俺に告白したりしないですよね?」

 諦め半分で聞いてみると、

「あなたは読書友達って思ってて異性としては見てないわね」

 良かった。友達って言ってくれる人がいて本当に良かった!


 そして俺は更なる混沌(カオス)へと巻き込まれたのだった。

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