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2-1,5 第78話 想いを繋ぐ景色パート1

side優也


「外観も凄いが中も凄いな。シャンデリアなんて初めて見た」


 俺達は白波さんに続いて別荘の中に入ると、そこには物凄い大きな玄関が待ち構えていた。

 俺の中で玄関というのはこじんまりとした印象があった。


 だが、ここの玄関はホテルのロビーの様な広さだ。いや、それ以上かもしれない。天井もものすごく高い。エントランスと言うべきか? まぁ、エントランスは玄関の英語だからどちらも玄関という意味なんだが、エントランスの方が広い気がする。


 天井からはシャンデリアがぶら下がっていて、入って正面に大きい階段が堂々と構えていた。俺の中でのお屋敷のイメージ図そのものだ。


 隣に居る萌未も「ふぁ〜」と感嘆の声を漏らしている。


「今回は一人一部屋当たるようになってるよ」

 そう言って白波さんは一人一人に設計図を渡してきた。

「好きな部屋選んでね〜。あ、一緒になりたいなら同じ部屋を選んでもいいよ。変な声が聞こえてきても開けないからね」

 そういう気遣いは要らない。と言うか、そんなことを言うと、

「さぁお兄ちゃん! どこにしますか? 私はどこでもいいですよ?」

「俺はお前と一緒にする予定なんてないんだけど」

「いーいーじゃなーいーでーすーかー!」

 良くない。ぜんっぜん良くないよ。


 こいつと寝た場合襲われる未来しか見えん。それだけは避けなければ。


「俺は1人が良いなーっ! よしっ! 1人で寝よう! 絶対に来るなよ! 特に萌未! お前は1人で来るなよ!」

 釘を指して適当な部屋に向かって行く。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「で、なんでお前らは俺の部屋に来てるんだ?」

「いやー。絆成さんは寂しがり屋かな? って思ってな」

 寂しがり屋じゃないし、釘を刺したんだから来るなよ。


「で、なんで2人もきた?」

「童明寺君の付き添い……です」

 まず、あつしを止めてくれよ白井さん! 俺は釘を刺したはずだぞ? 来るなって。


 俺が今会話しているのはあつしと白井さん。

 2人とも、俺が釘を刺したにもかかわらず、俺が部屋に入った直後に押し掛けてきた。

 こいつらって俺の言葉だけが聞こえなくなるような物があるのか?


「なぁ、ちょっとこの屋敷を探検してみようぜ! 俺、屋敷に来たのは初めてだからワクワクしてんだよ」

「わかる」

 その気持ちはわかる。

 外から見ただけでも俺のワクワク感は最高潮に達していた。

 見てみたい。色々な所を。

 キッチンや食卓、更にバルコニーからの眺めとか。めっちゃ気になる。


 そんな状況だから俺には断るという選択肢は、

「よし行こう」

 既に無かった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 俺達はまず、設計図を見ながら中庭にやってきた。


 俺の母校の小学校には中庭ってあったが、それ以外で見たのは初めてだから興味が湧いたのだ。


 そして来てみるとあら不思議。一般家庭の面積二個分位の面積があって、中心には噴水がある。

 見事な光景に圧倒されて、俺は唖然としてしまった。


「これは凄い」

 流石のあつしも驚いていらっしゃる。


「凄い……ね」


 俺はテレビや雑誌等で豪邸の中庭ってのを見た事があるが、こんなにデカい中庭ってのは初めて見た。しかも実物をだ。


「凄いでしょー」

 俺達が驚いて立ち尽くしていると、背後から白波さんが声をかけてきた。


「そうですね。こんな豪邸初めて見ました」


「でしょー。この建物はね。本来はここが実家でいつも住んでるのが別荘になる予定で立てたからこんなに大きいんだよ」

「そうだったんですか?」

「そうだよ〜。だけどね。見ての通り、ここには海と山しかない。だから伊真舞の別荘に住むことにしたんだー」

 って事は住んでるのよりも大きいって事か?


 と言うか、ここまで何件も別荘を建てれる白波さんの家庭ってどんな富豪だ。

「今日は目一杯楽しもー!」

 白波さんが一番楽しんでいるような気がする。


「だけど、一般人の俺らがこんな豪邸に居るって未だに信じられないな」

「あつし。その気持ちは分からないでもないが、お前はお前で一般の家庭じゃないからな? お前の自宅、寺だからな?」

 偶にその事を忘れてるんじゃないか? って思う時がある。

 まぁ一応、生活スペースとして自宅ってのが別にあるらしいが、ほとんど寺で寝泊まりしてるから同じようなもんだろう。


「はは、分かってるって」

 と強めに肩を叩いてくるあつし。本当に分かってんのかなぁ?


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 次に俺達はバルコニーに来た。理由は

「今の時間だったらバルコニーに行くと良いものが見られるよ」

 との事だ。


 だが、おおよその検討は着いている。


 車に揺られて数時間。だいぶ時間がかかったからそれなりの時間だ。空が朱色に染まっていた。

 だから今は夏だからそれなりの時間の訳で、腹が減っている。

 まぁ、さっき結羽が料理出来る人を集めていたから今から作るんだろう。


 一応この屋敷には使用人が居るらしいが、今は口出ししないように白波さんがうるさく言っておいてるらしいから今は自分たちで料理は作らなきゃいけない。

 俺も飯が作れるし手伝おうと思ったが、あつしのやつに引っ張られて今に至るわけだ。


 だけど、俺が知っているだけで結羽と白井さん、そして露木ちゃん。三人も居る。

 確かここ数年で萌未も料理を始めたんだっけ? 確か……。

『お兄ちゃんに食べて欲しいんです! 絶対胃袋を掴んでみせます!』

 って包丁を向けながら言ってきたから青ざめたのを覚えている。

 あれは絶対胃袋を掴む(物理)だった。宣戦布告だった。こ、殺されるっ!


 まぁ、そんな感じで四人は居るから問題ないだろう。逆に男の俺が入って行ったら邪魔になるような気がする。


「うわー」

 先にバルコニーに着いていたあつしの感嘆の声が聞こえてくる。


 俺もバルコニーに着くと、その光景に目を疑った。

「うわー」

 声が勝手に漏れた。そう感じた。


 小説で勝手に声が漏れると言う表現があるが、あれはフィクションだろうと思ってた。が、本当にあったんだな。


 海がキラキラと輝いていて、空が反射して沈みかかった太陽が海の中にもあるような感じだ。

「んー。良いねぇ。ここら辺は工場とかも無いし、空気が澄んでるのもあるんだろうね。空気が澄んでないとここまでの絶景はお目にかかれないさ」

 と伸びをしながらあつしは呟いた。


 ここら辺が何も無いド田舎だから見れる光景だ


 その時、LINEに通知が来た。

『ご飯出来たよー』

 俺は結羽のその元気そうな文面にクスッと笑ってから童明寺と共に食堂に向かった。

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