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1-3 第44話 一年生編 終

side優也


 卒業式。それは最上級生と在校生の別れを意味し、同時に最上級生の新たな一歩を踏み出す重要な式となっている。


 まぁ、俺はそんな重くは捉えてないけどな。


 まぁ、なぜそんな事を言い出したのかと言うと、今が絶賛卒業式の真っ最中だからだ。


 とは言っても校長先生の長い長い話を聞いて、国歌を歌って校歌を歌って互いに歌を歌い会うくらいなもんだ。


 特に校長先生の話を聞いてるときは眠くなってくる。


 まぁ、イニシャルDとイニシャルSは完全に寝てたからな。


 でも歌うときには起きてて何それすげぇって思った。


 どうなってんだろうな。こいつらの危機管理能力


 そして卒業式は終わった。


 そして俺は今現在、廊下を歩いていた。


 するとある人影を見かけた。


 あれは白井さんと神乃さんか?


 ふたり仲良さそうに歩いていた。


「あ、絆成君」


 と、声をかけられた。


 この声は神野さんだな。


「何ですか?」


 そう言えば、ここで白波さんと会っちゃったけど、俺が誘うべきなのだろうか?


 でも神野さんも居るし、


 そんな事を考えてると神野さんが一瞬考えるような仕草をした後ウィンクして白波さんに向き直った。


「このあと実は絆成君と遊ぶ約束をしていたんです。会長もどうですか?」


 と、白波さんに提案した。


 え? そんな約束した覚えは無いんだが


 でも何か考えがあるのかも知れない。


 ここは乗り掛かった船だ。乗ってやろうじゃないか。


「そうなんですよ。どうです?」


「あれ? 君たちっていつからそんなに仲良くなってたっけ?」


 ぐ、痛いとこ突いてきやがった。


 確かに俺と神野さんなんて全然付き合いもない。


 だからどうしても不自然になる。


 そして俺がどうしようかと悩んでると神野さんがまた口を開いた。


「いやー。ここらで彼等と仲良くなってみようかな~って。ほら、会長のお気に入りなんでしょ?」


 そう言うと白波さんは府に落ちたようだ。


 助かった。とアイコンタクトするとまたウィンクする神野さん


 まるで『どういたしまして』と言ってるようだった。


「そうね。じゃあ優也君の家にお邪魔しようかしら?」


 あれ? 白波さんってこんなに大人しかったっけ?


 まぁ、さすがの白波さんでもこう言うこともあるよな。


 そして俺達は俺の家へと向かった。


 歩いている途中、みんなにLINEを送った。


『白波さんにたまたま会ったから連れていく』


『わかった』


『了解した』


『へーい』


 と言う感じのやり取りがあった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 そんなこんなで俺の家に着いた。


 一応結羽は信頼してるから後で返してもらうと言う条件付きで鍵を渡しておいたから。飾り付けはしているだろう。


 後は悠真だが、結羽従姉弟と共にふざけずにやってれば良いんだけど


 そして俺は一度深く深呼吸してから自宅の扉を開けた。


 こんなに自宅の扉を開けるのに緊張したことは恐らく一度もないだろう。


 そして俺が扉を開け、リビングの扉を開けると


 パンっ!


 と、綺麗に破裂音が鳴った。


 その音の招待を探ると周りに皆が居て、各々クラッカーを持っていた。


『白波さん(真依先輩)! 卒業おめでとうございます!』


 そして冬馬を見ると複雑そうな表情をしていた。


(俺は何でここにいなきゃいけないんだ。部外者だろ)


 と言う心の声が聞こえてくるようだ。


「皆~ありがとう~」


 と、結羽と星野さんに抱きつく白波さん


 神野さんはやけに落ち着いている。


 まるで最初から知ってたかのように


 ん? 知ってた?


 まさか


「悠真、」


 そう言うと「ギクッ」と言った。


 口で言うやつ始めて見た。


 でもこれで確信した。


 俺はジト目で悠真を見つめる。


「神野さん。謎が解けましたよ」


「ん? 何? 謎って」


「ずっと不思議だったんですよ。なぜここまで事がスムーズに進むのか」


「しかし、悠真の態度で分かりました。あなたは最初から知っていたんです。これから何をするか、ある人物に聞いて。そしてあなたはスムーズに進むように誘導した」


「そ、その人物って?」


 そして俺は親指と人差し指だけ伸ばして顎に添えて真ん中に行く。


「神野さんにばらした犯人。それはお前だ板戸 悠真」


 そして悠真を指差す。


「お、俺!? ってか名字間違えてんぞ。板戸じゃなくて坂戸だからな」


「悠真。お前は自分で連れてくるのが面倒くさかった。だが、連れてくるのをすっぽかすわけにもいかない。そこで神野さんに偶然会ったお前はある作戦を思い付いた」


 そして俺はテーブルをドンッと叩いてからこう言いはなった。


「副会長の神野さんに連れてきて貰おう! って。そりゃそうだ。副会長が会長を制御してるってのは学校全体で知られていることだからな。神野さんの誘いを断るわけがない。そう思ったんだろ?」


「ぐ、すべては優也。お前の言う通りだ。俺は神野さんに連れてきてもらおうと思って神野さんに伝えたのだ」


 勝った。そう思って俺はガッツポーズをする。


 別に咎めようと思ってなど無い。ちょっとした遊び心だ。


 すると、冬馬がボソッと呟いた。


「なんだこれ」


「じゃあ気を取り直して遊びにいきましょう真依先輩」


 と、悠真が流れを修正する。


「え、えぇ。そうね」


 と、戸惑いながら同意する白波さん


 そして俺達は俺が事前に決めたカラオケ屋に向かった。


 カラオケ屋に入るや否や早速歌い出す悠真。


 有名なアニメの曲だ。


 悠真は結構上手い部類だ。


 そして歌い終わると、それに続いて白波さんが歌い出した。


 星野さんは携帯を弄っていて、俺は皆をボーッと見ていた。


 結羽は俺の横に座って俺の横顔を覗き込んできている。そんなことして何が楽しいのだろうか?


「じゃあ、そろそろやろうか!」


 そう言って悠真はバッグの中からギターを取り出した。


 それに連れてため息を付きながらもキーボードを取り出す冬馬。


 そして結羽はおどおどしながらもマイクを手に取る。


「これから俺達で演奏します!」


 そう言うとパチパチと拍手が起こった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ジャラーン


 演奏が終わった。


 凄いな。こんなに完成させてきたのか。


 有名な曲ばかりだったけど凄く出来てた。


「凄かったよー!」


「うん。結羽ちゃんは歌上手いし他の二人も楽器上手いね」


「うん」


 俺は二人に同意するように頷く。


「クール気取ってないで何か言ったらどうだ~?」


 と、肩を組んで頬をつついてくる。


 イラっ


 正直凄いと思った俺の気持ちを返してほしい。


「じゃあ、引き続き歌おうか」


「次はまだ一度も歌ってない優也君が良いと思いまーす!」


 と、白波さんが言ってきた。


「ちょ! それは」


 と、焦り出す悠真


「うん! 私も優也が良いと思う!」


 と、結羽まで


「考え直せ! 皆!」


 そう言われてイラっとした。


「やってやるよ。歌ってやるよ」


「はぁ……」


 と、耳を塞ぐ悠真


 スゥーッ


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 歌いきった。


 そして周りを見てみると苦笑いしている皆が


 なんだその笑顔は


「ま、まぁ、誰にだって得意不得意があるわよね」


「う、うん」


「そ、そうね」


「は、はは」


 上から白波さん、結羽、星野さん、冬馬。


「良い歌声だったじゃん!」


『えぇっ!』


 と、神野さんが言ったことによって驚く皆


「私、絆成君の歌声好きだな~」


「ま、まぁ、人それぞれ感性が違うからな」


 と、頷く悠真


 おい、それはどう言うことだ。


「じゃあ、気を取り直して歌おうぜ」


 前も悠真とカラオケ来たときにこう言う反応されたな。


 そんな感じでカラオケを時間一杯満喫してレストランに向かった。


 レストランは事前に俺がリサーチ済みだ。


 ん? ツンデレ? 誰がですかねぇ? 俺はただ仕事(しごと)をしたまでですよ?


「改めまして、卒業おめでとうございます」


 と、結羽。


「結局最後の最後まで私は会長に振り回されてたんですけどね」


 と、ストローでジュースをチビチビ飲みながら言う神乃さん


 よく見たら普段から苦労してるもんね。この人も


「仕事はほっぽり出すし、絆成君には迷惑をかけるし」


 でもと続ける。


「私は会長に感謝してるんですよ。すぐに仕事をほっぽり出すけどなんだかんだ言って期日までに終わらせますし、司会の事も人一倍頑張ってくれてるのが伝わりますし、何より会長が居ると場が盛り上がるんです」


 と、途中から照れくさそうにしながら言う神乃さん


「みんな会長。いえ、白波さんの事が大好きなんですよ! じゃないとこの場に居ません。勿論私も。会長が居なくなって寂しくなりますね」


 静かにはなるだろうn


 いっ!


 と、俺は声にならない悲鳴をあげる。


 隣に座っている結羽が足を踏みつけてきた。


 雰囲気を壊すようなことは考えないでとでも言いたげだ。


「夕香!」


 そう言って白波さんは神乃さんを抱きしめる。


「ありがとう。私もみんなのこと大好きだよ。みんなに祝ってもらえて私は幸せ者だなぁ」


 じゃあ、と言って悠真は立ち上がる。


「もう一度、白波さんの卒業を祝って」


『カンパーイ!』


 ちなみにレストランなので声は小さめです。


 そして俺達の一年は終了した。

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