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1-3 第39話 初バイト

side優也


 そう言えばさっき北村さんとか言ってたけどこの時間に他にシフトの入ってる人なのかな?


 そんなことを着替えながら考えていた。


 なんか如月さんは遅刻が多いみたいなこと言ってたし、大丈夫なのだろうか?


「ゆーや君! 終わった?」


「まだだ」


 と、さっきから(くだん)の人物は急かしてくる。


 もう少し静かに待てないのだろうか?


 と言うかなんでそこでじっと待ってる。


 まぁ、あまり待たせてもあれだしな……急ぐか


「おおー。制服着ると一気に心が引き締まるな」


 そうして俺は更衣室から出ると


「なにやってんだ?」


「う、うぅ……だって。わたしの事をほったらかして窓からどこかに行っちゃったんじゃないかって」


「いや、どこの世界線だよ」


 俺が出ると如月さんがもじもじしながらうずくまっていた。


 なんでその考えに至った。


 その前に更衣室の窓、かなり高めに設定されてて俺が背伸びして腕伸ばしても頭一つ分位届かないよ。


 そんなとこからわざわざ脱出しようなんて、怪我したいドMのやることだ。


「はいはい。それじゃ俺に仕事を教えてください。如月先輩」


 すると余程先輩と言う響きを気に入ったのか目をキラキラ輝かせた。


 そ、そんなに嬉しかったのか? 俺にはわからない感覚だな。


「ではついてきたまえ! 後輩くーん」


 調子に乗った。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ここがレジだよ!」


「いや、見れば分かるんだけど」


 すると横に女性店員が立っていることに気がついた。


 そして向こうも俺の視線に気がついたようでこちらを見る。


「あ、どうも……」


  と、ペコリとお辞儀してくるので俺もお辞儀した。


「あ、どうもしほさーん」


 と、敬礼する如月さん。


 何故に敬礼?


 悠真達(あいつ等)と別種の変人の臭いがする。


「あなたが新しいバイト?」


「はい。そうです」


「そう。あたしは北村(きたむら) 志穂(しほ)


 と、自己紹介してきた。


「あ、どうも。俺は絆成 優也です」


「志穂さんは高校二年生なんだよ! 私の高校の先輩!」


 そう言ってレジから出ていく如月さん


 そして俺も如月さんについていく。


「ここが飲料棚の裏側!」


 そこは段ボールに入ってる飲み物だったり棚においてある飲み物だったりあって、棚に追加できるようになっている所だった。


 そして何より、飲料を置いてあるだけあって少し寒い。大きな冷蔵庫って感じだ。


 コーラやサイダーその他諸々、有名なのからマイナーなものまで。そしてビールやらのお酒もある。


「じゃ、次はフライヤーの使い方かな?」


 そう言ってレジの奥の部屋に連れていかれる。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「これがフライヤー」


 と、手を向ける如月さん


「これでコロッケとかをあげるんだよ。ほら、ここのボタンを押せば放っておくだけで勝手に上がってくるから」


 なるほど便利だ。


「あとはレジ打ちだね」


 この後も色々と教えてもらったけど、教え方が丁寧で非常に分かりやすかった。


「教えてくれてありがとうな」


 そう言うとニコッと笑って如月さんは「いえいえ~」と言う。


「これも私の仕事ですから~」


 そしてそれだけで今日のバイトは終わりの時間を迎えた。


 北村さんは俺が来て如月さんが俺に付くだろうから、人手が足りなくなるから昼間でって条件で来てたみたいで昼で上がった。


 そして俺等は引き継ぎをしていた。


「よし。こんなかな」


 そう言ってタイムカードを押しにいく。


「これでよし。着替えるか」


 そして更衣室前で立ち止まる。


 注意深く表記を見る。


 使用中じゃ無いらしいな。


 そして恐る恐る扉に近づいて耳を扉に当てる。


 音が聞こえない。


 よし、居ない可能性が高いな。


「なにやってるの」


 と、後ろから声が聞こえる。


 後ろを見ると如月さんが居た。


「いや、その」


「そんなにわたしの着替えを見たかったのかな~」


 と、ニヤニヤしてくる。


 こいつ……ムカつくな……。


「如月さん……俺はそんな変態じゃないぞ」


「えー。その仕草で良く言えるね。それとさんは要らないよ」


 じゃあ遠慮なく


「如月。これについては言い訳のしようがないが、ちゃんと中に誰も居ないかを確かめようとしてただけで」


 そう言うと「ふーん」と言ってどこかに行った。


 その隙に俺は着替える。


 そして俺と入れ替わりに入っていく如月


「お先失礼します」


 そう言って裏口から出ようとすると


「まってー!」


 と、中から如月が大慌てでこちらに来た。


 そして俺の前で立ち止まる。


「送ってくよ」


 キリッとキメ顔をする如月


「それは男の台詞だと思うんだが」


 そう言うと目を輝かせ出した。


 嫌な予感が


「それじゃ送ってくれるの!?」


 やっぱりか


 まぁ、


「それくらいなら良いけど」


 そして渋々送っていくことになりました。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「送ってもらって悪いね」


 嬉しそうな顔しやがって


「だいぶ暗いな。まだ春と冬の中間だからかな」


 と、呟く。


 そう言うと体を抱いて俺から離れる如月


「もしかしてこの暗闇に紛れて私にあんなことやこんなことを」


 そう言ってきた。


 俺は黙り込む。


「あ、家ここだからありがとう」


 そう言ってドアに向かう如月


「おい。如月」


 そう言って如月に近づく。


「ん? どうした……の?」


 俺が無言で近づいてきてるのを見て少しずつ後退る。


 そしてドアにぶつかって後ろには行けなくなった。


 それを見て俺は壁ドンをする。


「ひっ」


 と、声を出す如月


「ちょ、ちょっと怖いな~。なんて」


 そして如月の耳元で


「本当に襲ってやろうか?」


 と囁いた。


 その瞬間、如月の肩がビクッとはねた。


 そして如月から離れる。


 如月の顔は赤くなってた。


「冗談だ。じゃーな」


 そう言ってヒラヒラと手を振って歩き出す。


 俺は思い出したように立ち止まる。


 そして如月の方に顔だけ向ける。


「俺以外にああいう事言うのやめた方が良いぞ。どうなっても知らん」


 そう言ったら、ペタンと力が抜けたように尻餅を付く如月


 そして俺はまた歩き出した。


「なんか悔しい……」


 そして如月は家に入った。

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