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2-2 第101話 思いを繋ぐ景色〜結羽〜

 優也は逃げる結羽を捕まえて結羽が優也に告白した後何をしていたのかを聞いた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side結羽


 告白しちゃった告白しちゃった告白しちゃったっ!!


 わ、私ちゃんと喋れてたよね!? テンパったりしてないよね!?

 考えれば考えるほど不安になっていくが、胸は不安とは違い妙な満足感で満たれていた。


 今まで告白出来なかったが、やっと告白出来たからだろう。まだ返事も貰ってないのにこんなにもドキドキしているのに満足さていた。

「優也にOKを貰った訳でも無いのにこんな気持ち、おかしいよね?」

 手鏡を取り出す。

 そこに映し出されていたのは顔を上気させてニコニコしている私の顔だった。


「告白しただけなのに……もしかしたら振られるかもしれないのに」

 心が充実してしまっている。

 優也の驚いた表情、可愛かったな〜。いきなりキスしちゃったけど引かれてないかな?

 でもキス、ほっぺただけどキスしちゃったんだよね? えへへ。


「後は優也が私の事をどう思っているかだけど……」

 多分普段の優也を見て、悪い風には思われてはいないと思うんだけど……。

 ちょっと心配。優也の周りには星野さん、如月さん、露木ちゃん等と可愛い女の子がいっぱい。

 星野さんは清楚系で優也の好みに合いそうだし、如月さんはバイト仲間ってだけだけど妙に仲良いし、露木ちゃんは後輩なのにしっかりしてるって言うか、私より大人っぽいし、可愛いし……。


 あれ? これって結構競争率高いよね?

「心配だなぁ」

 少し考えてみて不安になってしまった。やっぱりあの場で答えを聞いておくべきだったと今更になって後悔してくる。


 その時、視界の端で露木ちゃんが優也の居るバルコニーに入っていくのが見えた。

 それが見えると私は物凄い焦燥感に駆られた。もしかしたら露木ちゃんが優也に告白するかもしれない。

 露木ちゃんは可愛いし、優也の最近のお気に入りの子。告白されたら断らないかもしれない。


 そう思った時には既に隠れて露木ちゃんと優也が話しているのを見ていた。


「結羽先輩に告白されたんですね」

 見られていた!?

 もしかして私がした行動全部見られていたんじゃ!? とても恥ずかしすぎて思わず顔を手で隠してしまう。

「ちなみに返事はどうするんですか?」

 ドキッとした。こんな会話を聞いてしまっている事に罪悪感を覚えているものの、聞きたくてドキドキが止まらない。


 ゴクリと生唾を飲む。

 優也の答えをこうやって盗み聞いて、自分だけが満足しようとして、卑怯者だよね。

 やっぱり振られるのが怖いよ……。特に面と向かって言われるのは……。

 だけど優也の回答は、

「まださっぱりだ」

 どっち着かずの回答だった。


 でも正直安心してしまっている私が居る。

 ここで「断ろうかなって」とか言われたら泣き崩れる自信があった。だけど回答は実に優也らしいもので、何も回答が無い方が安心出来た。

 でもそれくらいの会話なら良いかなと思って自室に帰ろうとしたその時だった。

「なら私にもチャンスがあるって事ですね」

 その言葉は鮮明に私の耳まで届いてきた。

 そして私の自室に向いていた足が止まる。今、とてつもなく嫌な予感がした。

 その為、私は元のポジションへと戻った。そこで聞こえてきたのは、


「私が素っ気ない態度を取ってもちゃんと私と向き合ってくれるところ。皆が楽しそうにしてる時の優しい顔。そして、ピンチになったら助けてくれる所はヒーローみたいです。私にとってはあなたはヒーローなんです。そんなあなたが好きです」


 告白だった。

 嫌な予感がした事が現実の物となった。


 優也はどうにも露木ちゃんが可愛い後輩で可愛くて仕方が無いみたいだけど告白されたらそれが恋愛感情へと変化しないとも限らない。

 私の目には自然と涙が溜まって来ていた。

「私は先輩の事が好きです」

 繰り返した。露木ちゃんの熱心な告白。

 優也は結構押しに弱い所がある。だからあれ程熱心にされたら幾ら唐変木(とうへんぼく)な優也でもコロッといっちゃうかも……。


「な、なんでなんだ?」

 優也は理由を聞いた。だけど私にはその理由が大体想像出来てしまっていた。

 だって私もそれでもっと好きになっちゃったんだから。

「最初は嫌いでした。ですが、助けられてからはカッコイイって思うようになってしまって」

 えへへと笑う露木ちゃん。

 やっぱり同じだった。露木ちゃんも女の子だった。あんなにカッコイイ所を見せられて惚れるなって言う方が無理がある。


 そこで優也は口を開いた。

「お前さぁ……」

「ん?」

「チョロくね?」

 あ、優也のいつもの悪い癖だ。

 ただチョロいんじゃなくて女の子を(たぶら)かす優也が悪いんだもん。私達は別に間違っていないもん!


「女の子は皆私みたいに助けられたらトキメクものなんです!」

 そうだそうだ! と心の中で同調する。

 と言うかトキメかない女の子なんて認めないよ! うん!


「じっくり考えてください」

 そう言って露木ちゃんも私と同じく返事を貰わないで去って行った。

 一日に二人も告白してくるなんて優也はモテモテだなぁ。

 ってなんか露木ちゃんに告白された時だけなんか嬉しそうに頬を緩めていた気が……。

 これは油断出来ない。全力アピールしないと。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「とまぁ、こんな感じ?」

「……死にたい。俺、もう死んでいいかな?」

「死ぬ時は一緒だよ?」

「こんな時にそんな怖いこと言わんでいい!」

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