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 ああ……今、プツリと……

 命の糸が切れたのが分かった……


 しかしどうしてか、

失われつつある俺の魂は

 誇らしさに包まれている……


「お兄ちゃん死んじゃやだあーー!!」


 名も知らぬ幼女の声。

 そうだ……まるで、使い古されたワンシーンのように……

 車にねられそうだったこの子を庇ったのだった……


 『死』にゆく自分……

 無力で、空っぽで、好きになれなかった自分。

 今まで生きてきて、何者にもなれなかった自分。


 最後だけ……最後だけは違ったか?

 誇れる自分に……昔憧れたヒーローみたいな自分になれただろうか?


 どうせなら最期までヒーローのように……

 俺はなけなしの気力を振り絞り、笑顔で幼女に告げる。


「無事で良かった」


 そして、全ての感覚は喪失した。

 おとずれる眠りはあまりにも安らかで……こう願わずにはいられなかった。



 ――どうか、このまま起こさないでくれ、と……

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