4-5
【ファラムリッド】
惨劇の痕跡は何も残っていなかった。血の池ができていた床にはシミひとつない。
それでも一歩中に踏み入るとあの時の光景がはっきりと蘇ってくる。激しい動悸に胸が苦しい。
私はポネット総司令の執務室を訪れていた。司令に呼び出されてのことだ。
「ここには来たくなかったじゃろうが許せ。他の者に聞かれる訳にはいかんのでな。ここなら安心じゃ」
総司令に勧められてソファに腰を下ろす。
「今回のことでは君にもルシオン君にもとても辛い思いをさせてしまったの。誠にすまんことをした」
私に謝罪の言葉を受け取る資格はない。
「私が勝手に押しかけて、勝手にしでかしたことです」
司令は心の内を推し量るように私の顔を見つめた。
「それでも責任の一端はわしにあるのじゃよ。ある程度の事情を知っていながら止めることができなんだ。あの時、ルシオン君の様子がおかしいことに気付いておったのにな」
総司令は知っている。私の知らないルシオンを。
「あの子のことを、教えていただけますか」
総司令は、マリオッシュで初めてギガロックの姿が確認された時からの出来事を詳しく話してくれた。
「ギガロックにあんな秘密があるとは夢にも思ってはおらんかった。わしがその秘密を知り得たのは偶然じゃった」
そう言って司令はテーブルの上に小さな袋を置いた。透明の袋はふたつある。
「これが何なのか、おぬしにならわかるのではないかの」
手に取ってみると、それぞれの袋には異なる日付と場所が記されており、中には糸のような物が入っている。すぐに風を紡いだような銀色の髪の少年が思い浮かんだ。
「髪ですね。・・・・・・ルシオンの」
総司令は無言でうなずき、袋のひとつを指差す。
「こっちは、ギガロックが初めてわしの前に姿を見せたとき、この執務室の中で拾ったものじゃ。
なぜこんなものが落ちていたのかと気になっておった。それがきっかけだったのじゃよ」
総司令は深く座りなおして指を組んだ。
◇◇◇◇
総司令が執務室で拾った銀糸は50セタほどあった。この輝きとしなやかさは縫製用の糸などではない。どうにも気になって仕方がないので専門家に分析を依頼することにした。
その結果、意外なことが判明した。銀糸は人間の毛髪であった。それも、未成年の男性、つまり少年の物だというのだ。
司令は益々訳が分からなくなった。
わかっているのはギガロックが面会にやって来た直後に見つけたということだけだ。自分にもレイン少尉にも心当たりはない。あの銀髪はギガロックが持ち込んだということになる。
ギガロックの周辺には銀髪の少年がいる。総司令はそう推測した。
早速、マレリー副官に頼んで、フォート・マリオッシュ全島民のデータを調べてもらったが該当する人物は見つからなかった。銀髪の少年は幻となったのである。
総司令は深まる謎を一筋の銀髪と一緒に引出しにしまい込んだ。ところが、思いがけないところで謎を解くヒントに遭遇したのである。
それはメトシェラ祭3日目のことだった。夫人を伴って混み合うレストランに入った総司令は、ウェイターの提案で相席になることを承諾した。
自分はフォート・マリオッシュ駐屯軍総司令官だと名乗ればすぐに席は用意されたことだろう。だが、私用に軍での地位を利用する気はない。
妻のメアリーも「食事はにぎやかなほうがいいわ」と賛同してくれた。これが運命的な出会いを作ったのだ。
案内されたテーブルで食事をしていたのは顔見知りの女性、フェンリル隊隊長のロイエリング大尉であった。
このとき大尉には連れがふたりいた。彼女の向かい側に座っているのは女のような男で、もうひとりは・・・・・・
大尉のとなり、奥の席に座っている人物を見て、総司令は驚きの声を飲み込んだ。銀色の長い髪を持つ少年が、そこにいた。毛髪の分析結果が描きだした正にその人物だ。
島民データになかった訳は大尉の話を聞いてわかった。少年は記憶を失くしており身元不明なため、マリオッシュの島民として登録されていないのだ。
総司令には確証を得る必要があった。そのためにどうしても手に入れなければならない物がある。大尉たちが帰った後のレストランで、床に這いつくばって見つけたもの。それは銀色の毛髪だった。
持ち帰った髪を分析した結果、推測は事実となった。執務室で拾った髪とルシオン少年のそれは同一人物のものであると判明したのだ。
少年とギガロックにはなんらかのつながりがある。その可能性は高い。早速、少年の周囲を調べさせたがギガロックの影すらつかむことはできなかった。
手がかりをなくした総司令は特殊能力について調べ始めた。アビュースタ軍ではギガロックの能力を把握しきれていないため、ヴァイオスについて知ることは有意義なことと思われた。
そして、“変身”という能力が存在することを知った。
それは自身の姿形を変えてまったく別の容姿になるという能力である。自分自身の肉体を構成する遺伝子情報を、一時的に書き換えてしまうという特殊かつ高度なヴァイオスだ。
メタモルフォーゼを操れる特殊能力者はこの20年間ひとりも確認されていない。だが、セイラガムの称号を持つ者になら、あるいはその特殊な能力を操ることも可能なのではないか。
総司令はひとつの仮説をたててみた。
“ギガロックとルシオン少年は同一人物である”
自分でも馬鹿げていると思うが、そう考えれば寸分たがわずつじつまを合わせることができる。
少年はメタモルフォーゼにより、ギガロックの姿、黒い肌、黒い髪の青年になり執務室にやって来た。
そこで本人も気付かないうちに髪が抜け落ち、肉体を離れた黒髪は変身が解けて元の銀髪に戻ってしまった・・・・・・
だが、この仮説は最初から破綻している。クリュフォウ・ギガロックが子供であるはずはない。そう、ありえないのだ。
ありえないとわかっていてもその可能性を完全には捨てきれずにいた。
そしてルシオン少年と出会ってから2日後のカーニバル最終日、ザックウィックによる怪物乱入事件が起きた。
レイン少尉からギガロックが重傷を負ったとの報告を受けた総司令の脳裏を、ルシオン少年の姿が横切った。
もしかしたら・・・・・・
一度浮かんだ考えは頭から離れなかった。傷ついた子供が適切な治療を受けることもできずに苦しんでいるのかもしれない。そう思うと放ってはおけなかった。
思いすごしであったとしても捨てきれずにいる仮説の正誤を確かめることはできる。
総司令はメルカトキオル・オースティン軍医大尉に白羽の矢を立てた。
異性関係が派手でいい加減な男と思われがちだし、まったくその通りだが、医師としての腕は一流であり責任感が強いことも知っている。彼なら秘密を守ってくれるはずだ。
それに、現在ルシオン少年と暮らしているロイエリング大尉の友人でもある。彼以上の適任者はいない。
そして、治療を終えたオースティン軍医大尉の報告は、総司令の仮説が馬鹿げた思いつきなどではないことを証明した。
世界中が知っているギガロックはルシオン少年ではない。だが、少なくとも総司令の前に現れたギガロックは少年だ。
カーニバルが終わって3日後、総司令は率先して残業をしていた。
レイン少尉を通じてギガロックに会いたいと伝言をしておいたのだ。ひとり執務室にこもって仕事をしていると人の気配を感じた。総司令は書類から目を上げることなく声をかける。
「腕の傷はもうよいのかの?」
「はい」
聞き覚えのある男の声だ。
「それはよかった。――――ところで、ひとつ頼みがあるのじゃが。わしとふたりきりのときはメタモルフォーゼを解いてはもらえまいか。おまえさんのその姿は心臓に悪い」
しばしの沈黙の後、白い光が湧きおこり室内を照らして消えた。そこでやっと顔を上げる。
「やあ、ルシオン。また会えたのう」
そこに立っていたのは、銀色の長い髪と青味がかった緑色の瞳を持つ少年だった。少年はだぶだぶの黒い軍服を身にまとっている。
総司令は少年の手足を隠している袖と裾とをまくり上げて動きやすくしてやると、ソファに座らせた。
「来てくれてよかった。メアリーにこれを頼まれていたのでの」
ルシオン少年の前に置かれたバスケットには手作りのクッキーが山盛りになっている。
少年は表情を変えることなくクッキーを見つめている、見つめている。。見つめたまま動かない。まるで“待て”を言い渡された子犬のように。
「さあ、お上がり。メアリーはお主のために作ったのじゃから」
総司令はクッキーをひとつつまんで口へと運んだ。自ら毒見をしてみせたのだ。
「うむ。美味い! はやくしないとわしが全部食うてしまうぞい」
さもおいしそうにクッキーをほおばる総司令に誘われて、少年もバスケットに手を伸ばし口へと運び始めた。
「お主にききたいことがあるのじゃが、よいかの?」
少年がうなずいたのを確認して慎重に言葉を選ぶ。
「どうしてクリュフォウ・ギガロックのふりをするのじゃ?」
「任務だから。今は任務じゃないけど」
総司令の質問にルシオンはクッキーを食べながら答えた。
「いつからじゃ? 任務をするようになったのは」
「7さいのとき」
「お主、今いくつじゃたかの」
「9さい」
「それはつまり、この2年間クリュフォウ・ギガロックとして戦ってきたと言うことか」
うなずく少年に総司令は言葉をなくした。
間違いなくこの子がクリュフォウ・ギガロック本人だ。
だが、13年前のノプルクール海戦に現れてからの4年間活躍したギガロックはルシオンではない。クリュフォウ・ギガロックはふたりいるのだ。
恐らく、以前のギガロックに何かが起きたのだろう。そのため7年間の空白ができた。リトギルカ軍が英雄の復活を切望したのは想像に難くない。
そこでセイラガムと同等の力を持つルシオンに目を付けた。そんなところだろう。
“いかなる状況下においても本人の意志に関わらず18歳未満の者が軍務に服することを禁ず”
アビュースタとリトギルカの間で交わされた条約の一文だ。にもかかわらず、リトギルカは幼い少年を戦場に放り込んだ。人道的、倫理的に許されることではない。
身体は一時的に大人になることができたとしても中身は子供のままだ。
自分の心を守るすべを知らず、むき出しの心と素直な感受性のままで、死と破壊が蹂躙する戦場を幾度となく経験してきたのかと思うと胸が痛む。
ルシオン少年は常に死と共にあり、否応なく死と向き合ってきたはずだ。
幼い顔立ちの中で、瞳だけが妙に大人びて見えるのは気のせいではないのだろう。深く神秘的な色をたたえた瞳でどれだけの地獄を見てきたのか・・・・・・
総司令は力なく首を振った。
不意にクッキーをほおばる少年の手が止まった。
「どうしたんじゃ?」
「虫歯になるからダメって・・・・・・」
「ロイエリング大尉に言われたのじゃな」
「どうしよう。お菓子はおやつのときだけって約束したのに・・・・・・」
「それなら心配はいらんよ。メアリーは健康管理にはうるさくてな。料理に砂糖は使わんのじゃ。虫歯にはならないから安心してお食べ」
それを聞いて再び手を伸ばす少年の勢いは止まらない、止まらない。
ついにはのどに詰まらせてむせってしまい、あわててジュースを飲ませてやった。咳込む少年の背中をさすりながら問いかけてみる。
「ロイエリング大尉が好きなんじゃな?」
少年は息を止めて身体を固くした。
総司令は理解した。ギガロックがマリオッシュを守りたいと言ったのは、正確には”ロイエリング大尉のいるマリオッシュを守りたい”だったのだと。
幼い子供にとって、5世紀にも及ぶ戦争の行方などというものは、あまりにも大きすぎて捕えようがないものなのだろう。
それを左右する力を持っていたとしても、彼にとって大切なのは今そばにいる人を好きという思いだけだ。そのために、祖国を裏切り帰るべき場所を失くしてまで戦うことを選択したのだ。
しかしながら、その想いが報われることはないと総司令は知っている。
ロイエリング大尉のフィアンセはサラミスの悲劇で戦死した。復活したギガロックに命を奪われているのだ。彼女は復讐を望んでいる。
すべてを捨てることさえいとわないと思える相手に憎まれていると知った時、少年はどうするのだろう?
その答えはあの日に出された。11月26日。いつものように執務室に現れたルシオンは黒い死神の姿をしていた。
総司令は妙だと思った。正体を明かしてからはずっとメタモルフォーゼせずにいてくれたのに、なぜこの日に限ってギガロックの姿でいるのかと。
今ならわかる。少年が何を思い、何に悩み、何を為そうとしたのか。大尉のために命すら捧げようとしたのだ。
大尉の悲しみを知り、自分に憎しみが向けられていることを知ったルシオンは大尉の望みを叶えようとした。その行為が彼女をどれ程苦しめることになるのか、思い至らないほどに子供だったのだ。
純粋で残酷な、子供だったのだ。
【ファラムリッド】
司令部を出た私は目的もなく街中を歩いていた。頭の中がぐちゃぐちゃで何も考えられない。見慣れた街中で迷子になってしまったような気分だ。
ルシオンは本物のギガロックだった
サラミスの悲劇を引き起こしたあのギガロックだった
2年間憎み続けたギガロックだった
ルシオンが、、マクシムを殺した・・・・・・
ルシオンがマクシムを殺した
ルシオンがマクシムを殺した
ルシオンがマクシムを殺した
同じ言葉が頭の中でぐるぐるまわっている。世界がぐにゃりとゆがみ目がまわる。吐きそうだ。
目を閉じて呼吸を整える。脳裏に浮かぶのはルシオンの顔だ。いつもの無表情な顔。悲しそうに見えるのは今の私が悲しいからだろうか。
そんなことを考えていたら落ち着いて来た。そっと目を開ける。
周囲を見まわすとやけに子供が目についた。どうしてこんなに多いのだろう。いや、そうじゃない。無意識のうちに探しているのだ。ここにいるはずのない少年の姿を。
ルシオンに会いたい。
でも、会いたくない。会うのが恐ろしいのだ。矛盾した感情を抱いたままどっちとも決められずにさまよっている。それが今の私だ。
何気なく目に入った文字に足が止まる。それはコミュニティセンターの入り口に掲げられた看板だった。
そうだ。確かここに入れておいたはずだ。軍服のポケットをまさぐると手に触れるものがある。
白い封筒だということはわかっていた。中からカードを取り出して広げ、そこに印刷された文字と看板に書かれた文字とを見比べる。思った通り、同じ文字が並んでいる。
“フォート・マリオッシュ ジュニア絵画展”
このカードをもらったときのことを鮮明に思い出した。あの日の朝に少年から渡されたものだ。
守れないとわかっていながら必ず見に行くと約束したことが心残りだったのだが、その後に起きた衝撃的な出来事のせいですっかり忘れていた。
そういえば金賞に選ばれたと言っていた。何の絵を描いたのかきいても教えてくれずそのままになっている。秘密にされると余計に知りたくなるものだ。
そんなことを考えていたら自然と入り口に足が向いていた。
中に入ると受付カウンターの女性ふたりは驚いた顔をした。そしてお互いの顔を見合わせて微笑んだ。
どういうことだ?
「お待ちしていたのですよ」
「今日が最終日なので来て頂けるのかと心配していました。間に合って良かった」
ふたりはうれしそうに声を弾ませている。
もしもし、おふたりさん。歓迎される理由がわからないのだが。
来場者名簿に名前を書き込み、案内されるまま奥へと進んだ。
「余計な説明は必要ありませんね」
受付嬢が指し示した絵を見て息が止まる。吸い寄せられるようにその絵の前に立つと、それっきり動けなくなってしまった。
こういうことだったのか!
ルシオンが何の絵を描いたのか教えてくれなかったわけも、受付のふたりが待っていたと言ったわけもすべてが額の中に収まっていた。
そこに描かれていたのは――――私
モノクロの世界にあってその絵だけが鮮やかな色彩を放っていた。
絵の中の私はかかえきれないほどのテオフィニアの花束を胸に抱いて幸福そうに微笑んでいる。
明日もあさってもその次の日も、未来永劫に満ち足りた日々が続くのだと微塵も疑っていないかのように。マクシムが生きていた頃にはこんな表情をしていたのかもしれない。
けれども、ルシオンの前でこんな表情をしたことはないはずだ。つまり、ここに描かれているのは少年が思い描いた想像上の私ということになる。
稚拙だが一筆ひとふで丁寧に色がのせてあり、心を込めて描かれたものであることが伝わってくる。ルシオンは、絵の具にどんな想いを込めてこの絵を描いたのだろう・・・・・・
少年の想いを感じ取ろうとながめていると、額縁の下にプレートが貼り付けてあることに気が付いた。刻まれているのは絵のタイトルのようだ。
〖願い〗
さらにその下には作者のコメントが。
“ぼくはファラムリッドさんが大すきです。でも、ファラムリッドさんはいつも悲しそうな顔をしているので、笑ってくれたらいいと思ってこの絵をかきました”
何度も何度も、何度も、読み返す。そのうちに、目が熱くなり視界が曇って何も見えなくなってしまった。
私は自分のことしか考えていなかった。自分の不幸を恨み、自分の運命を呪ってばかりいた。ルシオンの気持ちまで考える余裕がなかった。
総司令の話を聞きながら気になっていた。ルシオンが知ったのはいつなのだろうと。
ギガロックに殺されたマクシムのことも、私がギガロックを憎んでいることもあの子に話した覚えはない。
マクシムの命日に真夜中の公園で涙したルシオン。私が里親になると言ったら泣きだしたのだった。
どうしてなのかずっとわからなかったが、あの夜に私のギガロックへの憎悪を知ったのだとすれば説明がつく。親切にされることで罪悪感にさいなまれていたのだ。
だったら、なぜ、私が里親になるのを断らなかったのだろう。そばにいては自分が苦しむことになるとわかっていたはずなのに。
その答えがこの絵なんだな。それでも一緒にいたいと思うほど、こんな私を慕ってくれていたのだ。
あの日、殺意の塊になっていた私からギガロックは自分の身を守ろうとはしなかった。
総司令の言う通り、最初から私に討たれるつもりだったのだ。そうすれば私がこの絵のように微笑むとでも思っていたのか。
わけのわからない感情が込み上げてきて全身がカーッと熱くなる。意識があろうがなかろうが、知るもんか! この感情をたたきつけてやる!!
私は軍病院を目指して駆け出した。本当はルシオンに会いたかった。だが、自分の手で傷つけてしまった少年が、生死の境をさまよっているところなど見たくはなかった。
――――怖かったのだ。
だから理由が必要だった。軍病院に足を向けるための理由が。どんなにささいなことでもかまわない。それさえあれば、会いに行ける。今、その理由を手に入れた。
少年の意識が戻ったという知らせは、まだ届いていない。なにも急いで駆けつけなくてはならない理由などない。
それでも、会いたい! 1秒でも早く。
ルシオンはかけがえのない家族だ。今はそれだけでいい。私のことをどれほど慕ってくれているかは充分にわかった。そんな少年を愛おしく思わずにいられるはずはない。
ギガロックのことはひとまず脇に置いておこう。そうと決めたら心はこんなにも軽い。




