旅立ち2
メージスト帝国編
第4話 旅立ち2
出発してから6時間後、次の街アークに着いた。ここは魔物の素材が収益で冒険者達も沢山いる所謂迷宮都市である。
迷宮名はBランク毒の沼とDランク食人植物の森グルメフォレストである。冒険者のランクは、S、A、B、C、D、E、F、G、という風に分けられている。Dランクからやっと迷宮に入れるのである。
まぁ、別にこんな説明をしたところでこの国とは2週間でお別れだしな。
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新しく乗り込んできた乗客は獣人の母親と娘だった母親の方はアデュレイ22歳で娘の方はアイシャ5歳だった、話しを聞くところによると冒険者だった夫が迷宮の探索の最中にモンスターに殺されたのだ。なので娘を連れて実家があるライオット王国の迷宮都市アーカリオンに帰るらしい。
「アストラルのお兄ちゃんは何でライオット王国に行くの?」
「運命の相手を捜しに行くのさ!」
「じゃあ、私がなってあげる〜。」
そう言ってアイシャは俺に抱きついてくる。この子は凄く俺に懐いてくるな〜。
「この子がこんなに初対面の人に懐くなんて珍しい。」
「珍しいんですか?」
「えぇ、この国は人族至上主義なので我々獣人の風当たりが冷たくてアイシャは普段、初対面の人間には心を許しません。」
「じゃあ、どうして?」
「多分、父親と似ているところがあるのでしょう。」
「父親って俺は人族ですよ?」
「アストラルさんが実は獣人だったとか?」
「よしてくださいよ俺はどう見ても人族ですよ。」
「不思議ですよね〜。」
こんな感じで俺の旅は二週間過ぎて行った。この二週間の間でアイシャちゃんと仲良くなってアイちゃん、お兄ちゃんと呼び合う仲にまでなった、アデュレイさんからは本当の兄妹みたいだと笑いながら言われ、それに対しアイちゃんが兄妹じゃなくて夫婦と言っていたのでアデュレイさんが大爆笑していた。
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「この平原を越えれば迷宮都市アーカリオンか〜」
「あともう少しでライオット王国ですね。」
「お兄ちゃんとはもう少しでお別れだけど、絶対アーカリオンに来てよね。美味しい食べ物だって沢山あるんだから。」
「はい、はい」
「絶対だからね。後、浮気しないでよ。」
「ふふ、本当に懐かれましたねアストラルさん。」
「寝るのも一緒で大変ですよ。」
そう笑った瞬間『危険察知』のスキルが反応し、馬車の中にいてはならないと脳が警鐘を鳴らす。
「止まれ!!」
そう言った瞬間目の前が眩い光に包まれた。