承諾
メージスト帝国編
第1話 承諾
「父上、お話があります。」
「、、、なんだ?」
そう言うと父は俺の事を煩わしそうに見てくるがもう慣れた、今更どうと言った事では無い。
「私は旅に出て見聞を広めてこようと思います。」
「ようやく、我が家から出て行ってくれることに大変嬉しく思う、一族の恥の顔をもう見ないで済むと思うと旅の許可くらい好きなだけだしてやる。ただし資金は出さんし、もうラリット家の姓を名乗るなよ儂はアストラルと言う出来損ないな子供はおらんからな。」
「はい、わかりました。」
もう、こいつとの間に親子の感情等持ち合わせてはいない。
俺は一刻も早くこんな家から出ていきたかったので、外に宿を取ってある。
「「ダメ兄貴出て行くの?」」
はぁ〜、なんて悪いタイミングで来るんだよこいつら、、、
双子の妹で、名前がフィーネ・ラリットとカレン・ラリットである。フィーネが火魔法が得意でカレンが風魔法が得意である。2人とも俺と違って優秀で10歳の若さで中級魔法を使えるのである。
「こら、こらフィーネとカレン、お前達に兄などいないだろう何を言っているんだ?」
「「そうでしたわ、お父様。」」
「そこのお前、用が済んだのならもう出て行ってくれないか?今から親子の会話をするんでな、部外者には聞いて欲しくない。」
「失礼しました。」
そう言って俺は部屋を出て扉を閉める。心の中では自由になることの喜びで満ちていた。