第弐拾陸話
かなり時間が空いてしまいスミマセン。仕事が忙しく執筆に割ける時間が無くてこんなに期間が空いてしまいました。<(_ _)>
戒翔達は王城の馬小屋のある場所に来ていた。
「サラ、此処に俺が乗っても大丈夫な馬がいるのか?」
「あぁ。確か此方に誰も乗り手がつかなかった暴れ馬がいた筈だ。」
戒翔の言葉にサラがそう答える。何故、その様な事を話しているのかと言うと少し時を遡る事数分前…
「戒翔殿に合う馬が無いだと?」
サラが怪訝な顔をして馬を扱う行商に問う。
「は、はい。そこのお方の気なのか魔力かは分かりませんがそれに怯えて使い物にならないかと…。」
馬主の言葉にサラは難しい顔をする。
「戒翔殿の規格外さが動物に悪影響を出してしまったか…」
「…以前に受け渡したあの黒馬ならあるいは」
「…あの気性の荒い馬か?いや…確かにアレならば…。」
サラと馬主の言葉に戒翔はその疑問を口にする。
「その黒馬とは…?」
「以前に城に卸された一頭の馬なのだが王女様か団長の私が乗る筈なのだが如何せん気性が荒くて乗り手が付かなかった物だ。」
「黒い馬か…面白い。見てみたいな…。」
と言う経緯により城の馬小屋に来た2人であった。
「この馬が戒翔殿が乗り手になれる可能性のある馬ですが…珍しいナイトメアホースです。」
「ナイトメアホース…馬の魔物だな。しかも黒い毛並みの希少種のナイトメアホースを調教出来る奴がいたとはな…。」
「あの…調教とは違うのです。」
「違う…?隷属の首輪…いや、従魔の首輪
か?」
「御存知でしたか…」
「一応は冒険者の1人でな、主に魔獣使いが普通に従えられない場合にのみ使用する。後は魔獣を売り物とする魔物商の人間が持っていたな…。」
戒翔の言葉に一緒について来た商人が感嘆の声を零した。
「そんな奴がいるのだな…。」
「まぁ…俺の妹だがな…今頃何をしているんだろうな…」
「戒翔殿の妹君か…?」
「あいつの職業は獣魔士で使役しているのは強力かつ稀少な魔物ばかりで代表的なのが龍や幻獣といったものに癒し系の魔物も使役していたな…。」
「なんと言うか…魔物使いとしての才が天才的なのですね…。」
サラの言葉に戒翔は…
「確かに才能は物凄いが抜けていると言うか天然と言うか向こうの世界でも使役した魔物で街中を歩きまわるから俺とは違う意味で注目の的だったな…。」
戒翔の深い溜め息とともに吐き出された言葉にサラは唖然とする。
「ま、街中で…ですか。」
「獣型の魔物ならまだしも幻獣や龍なんかで歩こうものなら街はパニックだったからな。」
「は、はぁ。」
戒翔の言葉に現実味が見られないのかサラは曖昧な言葉で返事をする。
「まぁ、今この話をしていても仕方ないな…このナイトメアホース…名前は決まっているのか?」
「いや、騎手が名付けるのがこの国の習わしだからまだ無名だ。」
「ふむ…この黒馬の名前は黒皇だ。」
「コクオウですか?」
「黒皇だ。気高き黒き馬の皇だから黒皇だ。」
「素敵な響きだ。」
戒翔とサラの会話を聞いていたのか黒馬…黒皇は戒翔にその頬を摺り寄せる。
「なんだ、くすぐったいだろ?」
「そのナイトメアホースは特殊で言葉を理解しますので、その名が気に入ったのでしょう。」
商人の言葉にナイトメアホースはブルルと鳴く。
「これで足が揃ったな…。」
「出立は明日にして一度、宿に戻ろう。」
サラの言葉に戒翔は頷く。が…
「サラ、黒皇が離してくれないのだが?」
サラはそう言われて見ると戒翔のマントを黒皇がその口でマントの端を咥えていた。
「……どうしましょう?」
「つれて帰るか?」
戒翔の言葉にサラは…
「それしか無いでしょうね。」
黒皇の様子を見てそう答えるしかなかった。
「いやはや、あのナイトメアホースが此処まで懐くとは驚きましたな。」
行商人は感服とばかりに戒翔の全身を観察するように見る。
「どんな要素で認められたのかよく分からないが大人しくて結構可愛いじゃないか。」
黒皇の頭を撫でながら戒翔は言う。
「取り敢えず今日の所は眠りの森に連れて行って帰りましょう。」
「そうだな。裕樹辺りが煩いかもしれんがな…。」
そして戒翔とサラ、新たにナイトメアホースの黒皇を連れて宿に戻るのであった。




