第弐拾壱話
「それで?この後は眠りの森に戻るのか?」
王族姉妹とその護衛の先導の下で奴隷に会った戒翔は王城の玄関前に来ていた。
「そうだな。取り敢えず戻るとサラに祐樹を引き渡して俺はギルドに冒険者登録をしておこうかと思っている。」
「そうか。なら私も一緒に行った方が良いのだろうな」
「その方が手っ取り早くて済むな。」
「ではお二方、なにかがあれば依頼を頼むな?」
「はい~。」
「サラ、祐樹さんを一刻も早く連れてきて訓練をするぞ!」
「は、仰せのままに」
「では…【転移】」
戒翔の言葉に反応して魔法が発動して展開された光り輝く魔法陣の上でサラと戒翔は眠りの森へ向かった。
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「着いたぞ!一日ぶりだが祐樹の奴はうまくやっているのだろうな?」
「さぁ、私には判断できないがあの者なら大丈夫なはずでは?」
そう眠りの森の出入り口の前でそんな事を話していると男の絶叫が目の前の眠りの森の中から響いてくる。
「!?戒翔殿」
「あ奴はなにをしでかしたと言うのだ?」
「先ずは中の様子を見ない事には」
「そうだな…。」
2人が意を決して民宿【眠りの森】の中に踏み込むと
「だ~!キノちゃんは大人しくしててくれ!そこは俺がやるからさ!」
「…わたしも手伝え…る?」
その瞬間、目の前で大樽を抱えようとしていたキノが手を滑らせると言う危険極まりない事を目の前で起こしてくれる。
「ぬうわぁぁぁ!?ぐぅえ!?」
だが、そこは祐樹。無駄に高い身体能力を全力で駆使して落下中の大樽をスライディングキャッチと同時に何か潰れた蛙の様な呻き声を上げる。
「…祐樹、お前は何時からそんな面白奇声を上げるようになったのだ?幼馴染みとしては一歩退くべきか?」
「いやいや、なんでこの場の光景を見てそんな言葉が出て来るのさ!もっとこう…労い的な言葉はないの!?」
「お前は元々そう言った事が得意であろう?」
「素晴らしい!祐樹殿がこの改装を行ったのか!?」
「あ、いや~そのまぁそうですね。市場の所で色々と使えそうな物と店の中にある不要な物を分けて売り買いして整えただけですから」
「いや、十分に凄い事だ!戒翔殿の言う通りだな!」
褒められ、照れていた祐樹だったがサラのその言葉に一瞬でその表情が凍りつく。
「…サラさん。その戒翔はなんて言ったのですか?」
「うむ。我が隊の副官なのだが、不祥事と不敬罪で断罪されてしまったのだが戒翔殿の推薦で祐樹殿に決まったのだ。」
自信満々にそう言うサラから視線を外して戒翔を祐樹は見る。
「…戒翔、どういう事なんだ?」
「ん?だからそう言う事だ。」
「…んなもんで納得できるかぁ~!」
眠りの森のロビーで祐樹の言葉が響き渡る。
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