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第弐拾話



 戒翔達が城で元奴隷の少女達と合っている頃


 「ミレイさん、この家具は何処に置きますか?」


 「その花瓶はカウンターの後ろにお願いします。その後はテーブルの配置をお願いします。」


 「分かりました~」


 眠りの森で祐樹はミレイの指示の下で宿の改装工事を一手に引き受けてせっせと動いていた。


 「わたしも手伝…う!」


 「って、キノちゃんは危ないから座ってくれ~!?」


 何故か対抗心を燃やしたキノが自身よりも大きい酒樽を持とうとした所で祐樹にそれを即座に取り上げる等をして通常以上に疲れる事となる。


 「はぁ、疲れた…。でも心地のいい疲れだよなぁ」


 この世界に来て最初の疲れは魔物との戦闘だったがこうして建築紛いの仕事での疲れは気持ちのいい物だと祐樹は感じた。


 「戒翔は今日の内に帰ってくるのかなぁ?それともお城で何か騒ぎを起こしていないかな?…十分に考えられるね、あの性格は直しようがないからなぁ…」


 「ご主人様はお城でなにか起こしたのですか?」


 「それは分かんないけど、嫌な予感はしないから大丈夫だと思うけど…」


 「けど…?」


 「俺の勘だと主に俺の身に何か嫌な予感しかしないのが怖いって所だね。」


 「祐樹さんの?」


 祐樹の言葉にキノが不思議とばかりに首を傾げる。


 「まぁ、勘っつても野生染みているわけじゃないから何とも言えないけどね?」


 「そうなんだ。」


 「でも、祐樹さんはお強いですし、この様に宿の改装をしてくださり見栄えも良くなりましたし、リオ王女様の事も有りますしもしかしたら騎士に推薦されているかと思いますよ?」


 「どうなんだろうね…。」


 「薄れた血といえど魔狼の二つ名を持つフェンリルの末裔の勘は馬鹿には出来ませんよ?」


 ミレイの言葉に祐樹は苦笑するがまさかそれがほんとになるとは戒翔が戻って来た時に現実になるとは思いもしていないのであった。


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